人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

藤沢 遊行寺宝物館 -- 国宝 一遍聖絵 --

2015-11-01 17:20:57 | 日記
11月1日(日)。藤沢の遊行寺(藤沢山 清浄光寺)へ国宝の一遍聖絵を見に行きました。遊行寺が所有している第一巻から第十二巻まで一度に見られる貴重な機会なので行ってきました。この一遍聖絵は、阿弥陀仏の光明を讃えた十二の名である十二光仏と、無量寿経に説かれる法蔵菩薩の四十八願にちなみ、一遍上人が生まれてから往生するまでを全十二巻四十八段にて構成されています。これだけの文化財が700年以上もの間、しかも保存状態も良く藤沢の地に遺されていたものだと、改めて感心させられました。
ただ展示の都合で各段全てが見れるわけではありませんでした。私が見たかったのは、第五巻第五段「こぶくろ坂にて鎌倉入りを拒まれる」という弘安5年(1282年)の法難のところでしたが、残念ながら、その段は10月で展示が終了したとのこと。何故に鎌倉入りを拒否されたのでしょうか?歴史的にみれば、その時の執権は北条時宗で、前年に二回目の蒙古襲来があったばかり。三回目の襲来がいつあるか、世の中大混乱の時期です。また南宋より無学祖元を招いての円覚寺創建の時期と重なっていました。法難の場所には光照寺がありますが、まさに円覚寺と目と鼻の先で、鎌倉幕府としては一遍の鎌倉での布教を認めることができなかったと思います。この法難があったのが3月1日、その後一遍は3月7日に片瀬の浜の地蔵堂に移り、4か月間布教しましたが、布教は大成功に終わったようです。実際に鎌倉市内には山ノ内の光照寺、西御門の来迎寺、十二所の光触寺、大町の教恩寺や別願寺、材木座の向福寺や来迎寺など多くの時宗のお寺があり、優れた阿弥陀如来像に出会うことができます。
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