今朝(5月28日)の読売新聞をみて思わず笑ってしまいました。18面にあったのは「金鳥新聞」というあの蚊取線香会社の全面広告です。ラテ欄にムカデ一色の番組ガイド。例えば・・・。KNCテレビ午後8時 あっ腫れ!大家族 噛んで噛まれて絆が深まる日本の家族大集合。 KNCAテレ(Eテレ?)午後2時 ムカデ俳句講座「台所の奥の細道」徘徊する虫と俳諧芸術。午後10時 ムカデの食卓、実はゴキブリを食べている。MKDテレビの朝10:05 真っ赤になってまっか! 腫れときどき激痛!巷のかみつき事情にロックオン▽タピオカミルクティーとムカデの卵の見分け方▽ムカデムエンダーのかまえ方でどれだけ差がでる!▽初恋のムカデと生トーク!? キンテレの午後3時は、靴の中はダメよ 噛むときはいつもアポなし ・・・・等々。紙面に6テレビ局の番組表がびっしり。すべてユーモアたっぷりのムカデの話ばかり。いったいどんな人物が創作したのか?連日暗いニュースが続くなか、広告主KINCHOの英断に驚きました。これは私の稚拙な文章より、実際の紙面をご覧いただいた方が良いかと思います。
KINCHOの広告に感心してしまい、本題を忘れそうになりました。ムカデと毘沙門天の話に戻ります。
鎌倉市今泉に白山神社があります。今泉の鎮守で『相模風土記』には、源頼朝が京都の鞍馬寺を詣でた折、行基作の毘沙門天像を賜わりこの地に勧請したと伝わっています。またこの白山神社の守護虫とされるのが大百足(ムカデ)で、1月には大注連祭(おおしめまつり)が行われ、境内入口には百足を模した注連縄が掛けられています。鞍馬神社の毘沙門天のお使いが百足とされていますが、何故なのかはよくわかりません。どうも「たくさんの足(百足)のうち、たった一足の歩調や歩く方向が違っても進むのに支障がでる。困難や問題に向かうには皆の心を一つにして当るようにとの教え」だと云われています。武田信玄などの戦国武将も毘沙門天を信仰し、その使いである百足を旗印に使っている武将もいます。運動会の百足競争も皆の気持ちを一つにしないと前に進みません。また商人にとっては客足・出足がよい縁起ものとして信仰され、鉱脈の形や鉱山の採掘穴がムカデの姿に似ているとのことで鉱山師や鍛冶師にも信仰されました。
こうしてみると、どうもムカデを悪者にしてはいけないようですね。靴の中に入り込んだり、天井から落ちてきたりして噛まれても・・・・。とは言っても、やはりムカデはあまり好きにはなれませんね。出来れば近寄りたくないというのが本音です。朝みた新聞広告をブログに載せたい一心で、ついつい毘沙門天に登場願いました。そして巻頭写真は白山神社のものではなく、鎌倉七福神の毘沙門天が祀ってある宝戒寺のものでした。