北海道の西側半分は雪。
40センチも降って雪かきをしている地域もある。
でも、嬉しいことに私の町は「仲間外れ」
日陰にチラチラと 元雪だった白い色が見えるが、路面に雪は無い。
だからスニーカーで歩くことが出来る。
圧雪の峠を越え雪を車体に張り付けている長距離トラックの運転手さんは、何だ この町はと驚いているに違いない。
でも、雪が無い分 寒い。
思いっきり 寒い。
一日の最高気温からプラスが消えた。つまり、真冬日がやってきた。
外に出ると数分で鼻水が出る。
零下の空気を勢いよく吸ってしまうと、喉や肺を傷めるように思う。
もう一枚重ね着をしてくれば良かったと思いながらスロージョギングをしていると、不思議なことに寒いのに汗をかく。零下なのに汗をかくのだ。
鼻水が垂れているのに氷水のように冷たい汗が流れる。
数メートル前をワンコが横切った。
野良?と思ったがワンコではなく キタキツネだ。
尻尾が太くて長い。
私は無事に帰宅してタオルで冷たい汗を拭きながら、ルンバへ「近くにキツネがいたよ」と報告するのだが、あまり興味はない様だ。
彼女はいつもの席でサスペンスに夢中。舞台は冬の函館。
雪の積もった埠頭で、海に向かって立ちションをしていた男が凶器で殴り殺されるシーンだ。
「寒いのに港で立ションなんかしねえよ、凍るだろう」と云ったら、初めてルンバが振り向いた。
「寒いと凍るの?」と 目が輝いている。
彼女はキツネよりも、凍り付いてカチカチのアイスバーのようなチンポコの方に興味があるようだ。
「もう一度外へ行って試してみて」と云われる前に私はトイレへ逃げた。