子供が産まれるまで、家庭内での序列は当然の如く私が1位だった。
ルンバは、蚊の無くような声で「うん」とか「はい」しか云わず、見事な乳も引力に負けずピンと上を向いていた。
結婚当初。出勤する時は「いってらっしゃい」
帰宅すると甘い「お帰りなさい、ウッフン クネクネ」の声が迎えてくれた。
しかし、子供が産まれ育つに従って私の序列は瞬く間に下降した。
ウッフン クネクネが消え、お帰りなさいから「なさい」が無くなった。
私も少し育児に協力し、子供にしては大きなタマタマをオムツ交換の度に指先でチョンチョンし、優しく抱いて風呂にも入れた。
その頃から我が家の序列が変化。一位はルンバだ。
時々子供に入れ替わることがあるけれど、ほぼルンバの天下だ。
原因が夫としてはグータラな私にあることは分かっている。
洗濯や掃除に子育ては、ほぼルンバ任せ。
私がするのは自分の寝室掃除とベッドメイクぐらい。
それとジョギングで汚れたウェアを選択する程度だ。
時々何かを頼まれればチョット手を貸すけれど。
しかし、年末恒例の神棚掃除だけは私の仕事だと決められた。
理由は神様が女性で女が手を出すと嫉妬するからと云うものだ。
アソコが垂れたままの爺に神様はもう嫉妬なんかしないと思うのだが、序列最高位のお言葉には逆らえない。
「先ずテーブルの上に新聞を広げなさい」「掃除機を先に用意しないと・・・・・」と恫喝のような命令が年末になると飛ぶ。
それを気の毒に思ったのか、別に居を構えたジュニアが数年前から「神棚掃除に行くよ」と云ってくれるようになった。
何と優しい息子よ。チョンチョン効果が表れたのだろうか。
ジュニアが家に来ると一気に序列が変化する。
最高位はジュニアだ。
君臨していた怖いモノ知らずのルンバは自らテーブルの上にサッと新聞を広げ、掃除機を持ってきて絞った手拭いをジュニアに差し出す。
私は下ろされた神具を拭き、磨きジュニアに渡す。
ジュニアは椅子に乗っているので私の目の高さには、オムツ交換の度にチョンチョンしていた、あの立派なタマタマがあるはずだ。
服の上からでも、もう一度可愛くチョンチョンしたい欲求が沸き上がったのだけれど・・・・・序列最下位の私は頑張って耐えた。