昨日の続き
南富良野から樹海峠を越えて山部(やまべ)に下りると両側にはメロンの直売所が並んでいる。既に十勝地方の広々とした平野部とは異なり、周囲の山々を見るだけで盆地、上川地方に入っていることがわかる。
今日の目的地、美瑛や上富良野へ行くには布部(ぬのべ)の辺りから東9線の斜線道路を行くのが近道なのだが、寄ってみたい店があるので富良野市街へ車を進めた。
R38を通るたびに行列をチラ見して心残りが尾を引いたままで一度も寄ったことのないラーメン店がある。
新得で新蕎麦を食べて1時間余。まだ何か食べるには早すぎるのだが、昼時を大幅に過ぎているので行列が無ければ今日がチャンスかも知れない。
旅の途中では時間で食べるのではなく食べられるチャンスを外さないと云うのが鉄則だ。
腹が空いているとか満腹なんて言うのは意識の外に追い出す。
そしてその店を確認。暖簾は出ているし行列は無い。店舗横の3台しか停められないスペースに1台分の空きを発見し嬉々としてウインカーをあげた。
メニューのテッペンにあるのがお勧めと思えるので「支那そば」を注文。
私は滅多に醤油味以外は食べないので(魚介香る醤油)の文字に心が躍る。
スープを一口、二口・・・・・むむむ、良いかも知れない。
麺をすすり込んで・・・・おおっ間違いない。
しかし 本当に驚いたのはこの後だった。メンマが太い。噛み応えがあって旨い。
いやいや、さらに驚きは続く。チャーシューを持ち上げた途端 時が停まった。
な・・・・なんと、1センチ以上ある分厚いチャーシュー。それも2枚。
ハムみたいな適当な肉ではなく、何時間も煮込んで崩れる一歩手前の柔らかい肉にさらに火を通して焦がしてある。
この店の人気は このチャーシューにあるに違いない。
崩さないように そっと箸で摘み女性の唇に触れるような優しさで味わう。
おぉぉぉぉ、素晴らしい。
麺がいつまでも無くならないように念じながら、ついに最後の一口。
そして、幸せの時間は終わった。