タイヤを冬用に変えたのでウォーキングの服装も衣替え。
箪笥の奥から春と秋用にと3~4組持っていると思うジャージを探した。
先ず引張り出したズボンは横に金色のラインが入っていた。
こんなのを持っていたっけ……記憶が怪しいのだけれど、身に着けて上半身のジャージ探し。
しかし、同じ色のラインの服が見つからない。
何故同じ色のを組にしてハンガーに吊るさなかったのかと自分のテキトーさを呪ったのだが、とりあえず似たようなのを着た。
いつものようにウエストパッグにスマホを入れ耳には骨伝導のイヤホンを装着して「よつ葉コース」とルンバに告げて家を出た。
これで、ンコをモヨオシた時には電話しただけで よつ葉の工場入口に車で駆けつけてくれるはずだ。そう緻密な緊急訓練を津波警報並に家庭内で申し合わせてあるからだ。
いつものように、よつ葉工場裏の交差点で右折したら、看板に照明工事中の文字。首を長く長く伸ばしたクレーン車が見えた。
工事の邪魔をしては悪いのでUターンしてルートを高専裏一周に変えた。
このルートは本当に久しぶりだ。路肩の草木が歩道に届きそうなぐらいに茂っているの理由だ。
その道をジョギングに切り替えてヨタヨタと走ったら膀胱が揺れたからか ンコではなくシッコをモヨオシタ。
途中で挨拶したのは一人だけなので藪の中で野ションしようかと手探りでファスナーを探したが……無い。
何故無いのだろうと思いながら後ろを探ってみたら……あった。
恥ずかしいことに前後逆に穿いていたのだ。
ウエストバックを外し一度脱いで前後を戻し、シッコする勇気はない。
時々国道を走る車から目撃されて「変態がいます」なんて通報されたくはない。私は露出狂ではないのだ。
ここは我慢するしかない。ンコと違ってまだまだ耐えられる自信はある。
気持ちを切り替えてスピードアップ。
点滅する信号をヘコヘコ頭を下げながら急いで渡った。
団地に入って最後の300m。もうすぐだ。
けっこう走れるじゃんと自分を褒めながらサッと脱ぐ準備のためにウエストバッグを外した。