タカ長の山ときどきタカ見

「タカ長のタカの渡り観察」の別室です。八十路の坂を登りながら更新してゆくつもりです。

クマさんとお見合い~2

2022-12-12 09:34:10 | 山歩きから
登山中にクマに遭遇した登山者が多いと思います。その時、それぞれの登山者が色々なことを考えられたはずです。これから書くのはタカ長の経験であり、普遍的なものではありません。タカ長の独断もあるでしょうが、多くの登山者が知らない貴重な経験もあります。

    

登山中にクマさんに出逢う確率は低いものです。しかし、タカ長たちが歩く山はクマの生息域ですから、その確率がゼロではありません。クマさんをいたずらに恐れる必要は無いと思いますが、タカ長と言う一人の登山者の経験を通じて、クマさんのことを考えてみるのも悪くないと思い、書き綴ることにしました。

先ずその事実関係の確認です。

クマさんに出逢ったのは8月15日の8時58分頃です。場所は49番鉄塔の少し上です。

    

49番鉄塔のすぐ上にキキョウの花が咲いていました。これを撮影したのが8時56分、その少し後だったので58分としました。かなり正確な時間です。

    

    
    

9月30日に実況見分したときの写真です。赤い線が登山ルート。黄色い線がクマさんの目線方向です。9月の写真は木が茂っていて分かりにくいので、12月に3回目の実況見分に行きました。その写真を使って説明します。赤い線が登山ルート、黄色の線がクマさんが正面を向いたときの目線です。

49番鉄塔の少し上、ルートがクランクに曲がっているところ、上の写真で2本の線が交差しているところに登った時左前方から、、、、、

ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ド~ンと言うものすごい音がしました。本当にものすごい音、突然山の中で重機を使った工事が始まったような気がしました。

この段階では何が起こったのか理解できませんでしたが、ドッ、ドッ、ドッ、の段階で歩くのを止め、あたりを注視。

しばらくすると左上の方から黒い生き物が下りてきました。足の方は見えなくて、半身が見える感じです。

その生き物がこちらを向いて止まりました。丸い耳が見えました。クマだ。

    
                  ネットから借用した画像です。

現場は電力会社が何年か前に伐採した高圧線の下。今では灌木が茂っています。その灌木が抜けたところがあり、そこから向こうの明るいところが見えます。そのそばにクマが止まったので、逆光の中でクマさんの顔をみることになりました。そのためクマさんの細かい表情が見えませんでした。残念。

    

タカ長の目線です。赤い丸がクマさんのいたところ。黄色のところが抜けており、その向こうに明るい光が見えて、クマさんを逆光の中で見ることになりました。

クマさんはタカ長の方を向いたまま動きません。タカ長も動かないでクマさんとお見合いをしたままです。クマさんとの距離は15メートルから20メートルくらい、とその時は思いました。しかし、3回の実況見分の結果は10メートル足らずでした。クマさんとタカ長の間は尾根状になっており、距離が遠くなるとクマさんが見えなくなります。

「おいおい、クマさんよ。俺、ここにいるんだけど、、、、」とか何とか話しかけたほうが良いのかなぁ、と言う思いが頭をよぎりました。でも、無言を通しました。山で野生動物に出逢ったら石になる、と言う自分のやり方に従ったのです。

    

お見合いをしていた時間は2分足らずでしょうか?そんなに長い時間ではありませんでした。クマさんのほうが左下の方に下りて行きました。

クマさんが去ってもタカ長はそのままの姿勢であたりを注意していました。しかし、クマさんが別の方向から現れる気配はありません。

    

さてどうするか?ものの本にはクマの糞を見たり、クマに出逢ったら登山を中止して下山、と言うようなことが書かれていますが、ここから下山するということはクマさんが下りた方向に行くことになります。

それもおかしい、と言うことで予定通り登山を続行。50番鉄塔、障子岩、白樫尾根を経ていつもの駐車場に帰りました。

コメント
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