長年の問題点であった、漆を塗った時の変色について
私の工房では、昔からバッグや花籠などに最後の塗装や艶出しに漆を使っている。
染色したものに使う分には、何の問題もないのだが、
炭化竹や生成りの竹に塗るときに、時たま、緑っぽいような青い色が出るときがある。
何に反応しているのか?
どういった状況で、この現象が出るのか?
漆の乾かし方が悪いのか?
いろいろ考えていたのだが、出るときと出ない時があるので、だんだんと迷宮入りしていってしまった。
ここ一年ほど、その変色の事例がなく、忘れていたのだが・・・・・
先日、ある職人がバッグを作った時に、はっきりと色が出たのだ!😢
さすがに、このままではいけないと原因究明に
以前にも、この問題で漆の専門家に相談したことがあったのだが、その時は原因が特定できなかった。
漆の刷毛が悪いのだろうか?と、
刷毛を新しいものでやってみたり?
漆を溶く器も変えてみたり?
衣類もその時だけ新しいものにしたり?
ひょっとしたら、ハンドクリームの中の成分が悪いのかも?
指先から、毒が出ているのか?
しかし、この原因究明が出来ずにほっておくわけには行かない!
そして、今回の実験に為りました。
県の漆の専門家に変色したバッグを見てもらい、アドバイスを受けた。
彼は一目見るなり、「これは、水に問題がある!」と言い切ったのだ。
そこで、今回の状況を見るために、
まるで、コロナウィルスの感染状況調査のようだ。
職人さんが使ったであろう、水道水を持ってきてもらった。
彼女はその時、県のビースクエァという施設を借りて作業をしていたので、
ビースクエアのお水と、自宅のお水を持ってきてもらい、
その水に、籐や竹ヒゴをつけて、実験してみた。
その結果、見事に反応が出た。
ビースクエアの水に浸した物から、色が出たのだ!
職人の自宅の水からは少し出たかな?
工房の水からは全く反応が出なかった!
やはり、水に原因があったのだ。
次に実験したのは、
竹の編み生地にそれぞれの水を刷毛で塗ってみて、それに漆をかけて乾かしてみた。
今回は、どれにもほとんど反応が出ていない!
やはり、刷毛で水を塗ったくらいでは、微量すぎて反応が無いのか?
そこで、今度は、反応の出なかった漆を塗った生地を半日、それぞれの水に浸してみた。
そして、乾かしてみると・・・・・
なんと、物の見事に違いが出たではないか!
これほどはっきりと
間違いなく、水に何かの成分が入っており、それが反応していたのだ。
正式な水質検査はしていないが、おそらく、鉄分が反応していると考えられる。
今までにも、仮止めするときに針金を使うのだが、その部分だけ黒色に変色したことがあるなど、
ある漆工房の記事にも
「漆が鉄分に反応することで黒く変色する性質を活かして、黒色を出すこともできます。」と書いてある。
おそらく、鉄分の強い水に、竹や籐をつけると、鉄分が染み込み、最後の漆を塗るときに反応するのだろう。
染色する籠などには、下地に色が付いているので判らないのだが、炭化竹や生成りの竹に塗るときは、充分に注意しなくては為らない。
竹を浸ける水槽も鉄製の物は使わない方が良いと!
私の工房では、昔からバッグや花籠などに最後の塗装や艶出しに漆を使っている。
染色したものに使う分には、何の問題もないのだが、
炭化竹や生成りの竹に塗るときに、時たま、緑っぽいような青い色が出るときがある。
何に反応しているのか?
どういった状況で、この現象が出るのか?
漆の乾かし方が悪いのか?
いろいろ考えていたのだが、出るときと出ない時があるので、だんだんと迷宮入りしていってしまった。
ここ一年ほど、その変色の事例がなく、忘れていたのだが・・・・・
先日、ある職人がバッグを作った時に、はっきりと色が出たのだ!😢
さすがに、このままではいけないと原因究明に
以前にも、この問題で漆の専門家に相談したことがあったのだが、その時は原因が特定できなかった。
漆の刷毛が悪いのだろうか?と、
刷毛を新しいものでやってみたり?
漆を溶く器も変えてみたり?
衣類もその時だけ新しいものにしたり?
ひょっとしたら、ハンドクリームの中の成分が悪いのかも?
指先から、毒が出ているのか?
しかし、この原因究明が出来ずにほっておくわけには行かない!
そして、今回の実験に為りました。
県の漆の専門家に変色したバッグを見てもらい、アドバイスを受けた。
彼は一目見るなり、「これは、水に問題がある!」と言い切ったのだ。
そこで、今回の状況を見るために、
まるで、コロナウィルスの感染状況調査のようだ。
職人さんが使ったであろう、水道水を持ってきてもらった。
彼女はその時、県のビースクエァという施設を借りて作業をしていたので、
ビースクエアのお水と、自宅のお水を持ってきてもらい、
その水に、籐や竹ヒゴをつけて、実験してみた。
その結果、見事に反応が出た。
ビースクエアの水に浸した物から、色が出たのだ!
職人の自宅の水からは少し出たかな?
工房の水からは全く反応が出なかった!
やはり、水に原因があったのだ。
次に実験したのは、
竹の編み生地にそれぞれの水を刷毛で塗ってみて、それに漆をかけて乾かしてみた。
今回は、どれにもほとんど反応が出ていない!
やはり、刷毛で水を塗ったくらいでは、微量すぎて反応が無いのか?
そこで、今度は、反応の出なかった漆を塗った生地を半日、それぞれの水に浸してみた。
そして、乾かしてみると・・・・・
なんと、物の見事に違いが出たではないか!
これほどはっきりと
間違いなく、水に何かの成分が入っており、それが反応していたのだ。
正式な水質検査はしていないが、おそらく、鉄分が反応していると考えられる。
今までにも、仮止めするときに針金を使うのだが、その部分だけ黒色に変色したことがあるなど、
ある漆工房の記事にも
「漆が鉄分に反応することで黒く変色する性質を活かして、黒色を出すこともできます。」と書いてある。
おそらく、鉄分の強い水に、竹や籐をつけると、鉄分が染み込み、最後の漆を塗るときに反応するのだろう。
染色する籠などには、下地に色が付いているので判らないのだが、炭化竹や生成りの竹に塗るときは、充分に注意しなくては為らない。
竹を浸ける水槽も鉄製の物は使わない方が良いと!