心に残りました。
「なんだっ、留学生いれているのか~」
「わかる~、日本人で勝負してほしい奴な~」
とこれ見よがしに本人らを前にして口走る心ない通りがかりの男性二人組
「どうせっ 大学が宣伝目当てで金だしてんだろっ」
そこで、納得いかない顔をする翔(かける)に言う
「素人の言葉だ 惑わされるな 察しはつく」「あっ」
「ずっとくすぶってきた批判だ」
「気にしなくていい理由は、二つ」明快に語る
「一つは留学生を入れるのはずるいという理屈そのもの」
「なら、オリンピックはどうする?」
「身体能力に個人差があるのは当然だ」
「そのうえでなお、スポーツとは平等・公正なものだ」
「不平を訴えるものは 同じ土俵で同じ競技を戦うことがどういうことかわかっていない」
「そしてもう一つ 彼らは勝てばいいと勘違いしている」
「日本人が一位ならそれでいいのか?」
「違う、競技の本質はそこではない」
「たとえ、俺が一位になっても」
「自分に負けたと感じれば、それは負けだ」
「タイムも順位もめまぐるしく変わるこの世界で」
「何をもって一番なんて決められる」
「それ以上に大切にしたい理想や目的があるから」
「走り続けているんじゃないのか?」
何のために走り続けるのか?俺もわからないと
キャプテンのハイジは語った。それを探しているんだ。翔はどう思う?