茨木市北部の民家で1920年に見つかり、府有形文化財に指定されている絵画「マリア十五玄義図」(縦82センチ、横65センチ)=写真=の修復が完了した。同市が所有者から寄託を受けて保管し、昨年10月から汚れを除いたり、しわを伸ばしたりする作業を行っていた。25日から6月13日まで、同市千提寺の市立キリシタン遺物史料館で公開する。
「マリア十五玄義図」は、聖母マリアとキリストの誕生から死、復活などの15の出来事を表現している。江戸時代初期にキリスト教を信仰していた人たちが禁教令の中、隠し持っていたもので、木箱に入れて中身を知らせないまま長年、保存されていたという。
劣化が激しく、紙の亀裂や絵の具の剥離(はくり)などがみられたため、2006年に府文化財になったことなどから、同市が専門業者に修復を依頼していた。
同図は、国内では同市北部の別の民家からも図柄が異なるものが見つかり、京都大に寄贈されており、国の重要文化財に指定されている。
市教委は24日、今回修復された図を報道陣に公開。所有者の東満理亜さん(61)は「きれいになってよかった。先祖が苦労して残してきた歴史を知ってほしい」と話した。
修復記念特別公開展ではキリストの木像や墓碑など約25点も展示される。火曜休館。入館無料。問い合わせは同館(072・649・3443)。
(2011年5月25日 読売新聞)
キリシタン史の謎を歩く | |
クリエーター情報なし | |
教文館 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます