宇治田原、抹茶スイーツでにぎわい 京都・観光需要に期待

2018-05-06 09:44:55 | 商 trading

 「お茶の京都博」は終わったが、新茶のシーズンを迎えて京都府宇治田原町がにぎわいを増している。町内の和洋菓子店で食べられる抹茶などのスイー ツが人気で、町は紹介マップを発行、観光客の呼び込みに期待する。抹茶の需要増を受けてJA京都やましろの抹茶加工施設も開設され、町も活気づいている。

  大阪市北区から同町岩山の製茶場「お茶の郷 木谷山」を訪れた大下和江さん(70)は、友人4人と抹茶パフェやあんみつを味わった。「抹茶が大好き。大阪 のデパートにも抹茶製品はたくさんあるが、ここで食べる方が格別おいしい」と笑顔を見せる。製茶場の木谷啓嗣専務(34)は「昨年から若い女性客がぐっと 増えた。抹茶と和菓子のセットを頼む客も以前より多い印象がある」と話す。

 町が発行した「宇治田原スイーツMAP」(A5判8ページ)は、町内の和洋菓子店や喫茶店など7店舗を紹介している。各店では、宇治田原町産の抹茶やほうじ茶を使ったスイーツを店内で食べることができる。町役場や掲載店舗などで配布しており、スイーツ好きに好評という。

 町は茶園の景観もアピールしようと、府内最大級の同町郷之口の西ノ山集団茶園(15ヘクタール)に広大な茶園を一望できる展望台を設置した。宇治市からも近く、大型連休後半の観光客来訪を期待している。

 同町湯屋谷では茶工場を改修した交流拠点のオープンが6月以降に控えており、観光スポットとして注目されそうだ。

 抹茶スイーツの人気を受け、抹茶の需要は伸び続けている。JA京都やましろは茶農家の収入増や新たな商品開発も狙い、同町郷之口の茶工場の一部を4千万円かけて改修して抹茶加工施設とした。年間生産量は約7トンを見込んでおり、5月上旬から稼働する予定だ。

 JA京都やましろによると、同JAの茶の取引額は昨年46億円で過去10年で最高となった。うち67%を抹茶に加工される碾茶(てんちゃ)が占めている。

 これまでは加工作業は業者に委託して製菓業者などに販売していたが、今後は抹茶スイーツなど新商品開発に力を入れる。イスラム教徒が戒律に沿って飲食できる「ハラール」の認証など海外からの需要に応える輸出も視野に入れており、販売拡大を期待している。

【 2018年05月05日 15時29分 】



最新の画像もっと見る

コメントを投稿