缶や瓶、タイヤ…山はごみ捨て場じゃない 京都・長岡京

2017-11-20 10:56:04 | 民 people
 京都府長岡京市の西山の一角に位置する府道沿いの森(同市奥海印寺)で、ごみの不法投棄が長年続いていることから、産官学民でつくる「西山森林整備推進協議会」(事務局・長岡京市)がこのほど、初めて清掃活動に入った。人海戦術で集めたごみは約2トン。参加者らは「これ以上投げ捨てが起こらないように」と願いを込めていた。

 無数の缶や瓶に火鉢や布団、袋詰めされたタイヤに便器までが散乱する一帯に、参加者たちがため息を漏らした。斜面に踏ん張ってごみを平たんな場所へ投げ降ろし、袋に詰める。山道に列をつくり、バケツリレー方式で次々と運び出した。

 現場は、柳谷観音楊谷寺へ通じる府道伏見柳谷高槻線沿いの約1200平方メートル。地権者の藤井昇さん(77)は「一度、投棄場所になると連鎖反応でひどくなる。ずっと困っていたが、泣き寝入りだった」と話した。

 同協議会では2014年度の西山森林整備構想改定作業の段階から、現場の状況を問題視していた。間伐や植樹、環境教育など従来の活動から一歩踏み出し、森の保全に向けた姿勢を示そうと「西山クリーン&グリーン大作戦」と題して清掃を企画。協議会に加わる研究者や企業、ボランティア団体のメンバーら計約60人が参加した。

 集めたごみ袋は約2時間の作業で300近くに達した。参加者の加藤克巳さん(77)=同市奥海印寺=は「山はごみ捨て場じゃない。結局は人に跳ね返る」と、見違えるようになった一帯を見回した。

【 2017年11月14日 11時03分 】


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