田川市石炭・歴史博物館のブログ

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白鳥山成道寺(じょうどうじ)にまつわる伝説

2020年08月01日 | 日記

みなさん、こんにちは

今回は、白鳥山成道寺(じょうどうじ)にまつわる伝説について話してみましょう。
成道寺は同寺縁起によると、最澄(伝教大師)による十八伽藍(がらん)の一つとして、弘仁5(814)年に建立されたと伝えられています。
この寺の境内には"鳴かずヶ池"とか"雨乞いの鳴かずヶ池"(正式名は泉水池)と呼ばれる池があります。どちらも池に残る伝説からついた名です。

 

まずは"鳴かずヶ池"です。
弘仁年間(810~824)のこと、最澄がこの地で坐禅修行をしているとき、池に住むカエルがあまりにも激しく鳴きたてるので、その声を一時的に封じたそうです。修行の間だけということで封じたのでしょうが、なんと、最澄が封を解くのを忘れてそのままこの地を立ち去ったため、それ以後この池のカエルは鳴かなくなったそうです

このことから"鳴かずヶ池"と名がつきました。
現在もカエルは鳴いていないかも? 確かめてみるのもおもしろいかもしれません(笑)

  

泉水池(鳴かずヶ池・雨乞いの鳴かずヶ池)

 

次に"雨乞いの鳴かずヶ池"です。
応永年間(1394~1428)に、大内・大友両氏の戦乱があったとき、成道寺は焼かれて寺の釣鐘が池に投げ込まれたそうです。
ある年のこと、村に雨が降らず干ばつで村人たちが途方にくれていたとき、「戦乱の時に投げ込まれたままになっている釣鐘の祟りかもしれない」と誰からともなく言い出した噂が広まり、村人たちは思いきって池に沈んでいる鐘を引き上げて祀ることにしました。朝から快晴の日に村人たちは総出で釣鐘の掘り出しにかかったのですが、鐘の龍頭が見えるかというところまでいくと、不思議なことに雨雲一つなかった空がまたたく間に暗雲でおおわれ大雨が降り出し、どうしても釣鐘を引き上げることができなかったということです。以来、干ばつが起こると村人たちは池を掘り、釣鐘を引き上げようとすると必ず雨が降ったということです。それで"雨乞いの鳴かずヶ池"とも呼ばれるそうです


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