先週末から生活用水路に一匹の魚が居る。金曜日に初めて見かけたときにはバシャバシャと凄まじい水しぶきを上げていたのだが、今日はすっかり大人しくなっていた。川に流れ込んでいる用水路に間違えて登ってきてしまったらしいのだが、進退窮まったのか、よほどお気に入りなのか。
もう少し弱くなれば元の川に戻れるのだろうが、流れに逆らって泳いでいるせいで何処にも辿り着けずにいる。ふと、10年前の自分の姿を思い出した。その当時の私は、この魚のように迷い込んだ浅瀬で（藻掻けば藻掻くほど）鱗も剥げ、精神的に追い詰められて満身（心）創痍だった。気に掛けてくれる人がいたお陰でどうにか元の川に戻れたのだが、自分1人では到底無理だったと思う。そこまで追い詰められたことは（今の私の生活に役に立っているのかどうかは良く分からないが）必要だったのだろうと思う（ようにしている）。
この魚は一体いつまで頑張るのだろうか。ボロボロになって息絶える前に、川に戻れますように。
