南出 喜久治塾長は國體護持塾の塾長である。
学校教育法第11条(体罰の禁止と懲戒権規定)廃止を主張し、「体罰の会」副理事長と聞くと、
男塾 塾長を想わせる。
しかし如何にも優しそうな出立ちで弁護士と聞けば保守として応援、賛同される方は少なくない。
戸塚ヨットスクールの支持者でもあり、訴訟代理人を務めた。在日朝鮮人である会津小鉄会会長の高山登久太郎の弁護を担当したこともある。との経歴からはやはり男塾塾長か、と眉をひそめる方もいるだろう。
私も当初チャンネル桜などで見かけ國體護持、日本国憲法無効論に心動かされることもあった。
街宣右翼の決まり文句であり、街宣車にもデカデカと書かれている印象が頭を離れないが、当初は國體をこれからも護持していくぞ、だと思っていたが、ホームページには震災の被災地の復興や領土問題、憲法問題などがメインで皇室、皇統、お言葉に関する記事は見当たらない。
それもそのはず南出氏は日本国憲法無効論や新無効論を主張し、知の巨人と言われ最近亡くなった渡部昇一氏との共著 「日本国憲法無効宣言」なる著書も出版されている。
彼の主張は帝国憲法の第73条の改正の限界を越えているので改正されたものではないとの立場から
日本国憲法は大日本帝国憲法の改正限界を超えている。
GHQが原文を作成しGHQの監督下の国会で行われた憲法の改正は、ハーグ陸戦条約に違反している。など保守派にとってはどれも頷ける論拠である。
南出氏に異論を唱える谷田川氏は一見南出氏を批判しているように感じるか、南出氏自身が批判されていると捉えているようであるが、谷田川氏は憲法学、法学の観点から警鐘を鳴らしているのである。
つまり左翼憲法学者の仕掛けた土俵で戦うなと警告している訳だ。
日本国憲法は無効の論拠に國體が護持されていないとする主権の移譲が行われたとした時点で8月革命説を認めることとなり、これによって一番実害を皇統が受けることとなる。
これに対して國體は護持されているとするだけで帝国憲法からの改正であり、連続性が担保でき、万世一系、男系継承が守れるのである。
國體護持塾ともあろう者が憲法無効を主張することの落とし穴を指摘されているにもかかわらず、谷田川氏を左翼呼ばわりする者や自分の論以外は認めずに議論で対決姿勢を示す塾長は悲しいかな男塾の世界である。