安倍首相の靖国神社参拝に関する小林よしのり氏の記事だ。
NEWSポスト、セブン➖➖➖➖➖➖➖➖
小林よしのり氏 靖国は国民が静かに参拝を続けるだけでよい
2014.02.03 16:00
昨年12月26日の安倍晋三首相による靖国神社参拝は、海外の反発を招く一方、国内の保守支持層から礼賛の嵐となった。だが、ベストセラー『靖國論』の著者で、新刊『大東亜論』を上梓したばかりの漫画家の小林よしのり氏は、そうしたムードを「幼稚」と断じる。
* * *
わしは2005年に出版した『靖國論』で、首相は堂々と靖国参拝すべきだと説いた。あれから10年近く、わしの靖国神社に対する信条は全く変わっていないが、首相の靖国参拝については、もう新たな局面に入ったと思っている。
安倍は参拝すべきではなかったし、これからも参拝すべきではない。我々、国民が静かに参拝を続ければよいのだ。もはやそう言うべきところまで、来ている。
自称保守派のメディアやネット右翼たちは、「安倍首相よくやった」と絶賛しているが、国際的な感覚が全くない内弁慶な議論でしかない。以前のように朝日新聞が中韓にご注進に及んでこの問題をこじらせてきたとか、中曽根康弘・元首相までは普通に靖国参拝していたとか、その頃は中韓も文句を言わなかったとか、そういううんちくを述べても、アメリカを始め世界に対して説得力を持つレベルではなくなった。
中国とは尖閣諸島を巡ってチキンゲームの最中であり、韓国とは歴史認識で外交が行き詰まっているのだが、しょせん国交断絶する気もない。アメリカの後ろ盾に甘えながら、日中韓相互の幼稚な排外ナショナリズムで身動き取れない。そうした日本の姿勢は、中韓と同レベルで欧米から蔑まれ、バカにされている。
安倍はいまや海外で、フランスの極右政党党首ルペンや、ロシアの極右政党党首ジリノフスキーのように、短絡的で偏り過ぎた、口先だけの極右の首相と思われているのだ。
しかし、そう思われても仕方あるまい。というのも、安倍の靖国参拝の動機が、「中韓に屈しないのが愛国者」という思い込みにあることが見え見えだからだ。安倍の支持層は反中・嫌韓の偏狭なナショナリズムに支配された小物の群れに過ぎない。安倍シンパは、中韓の反発を無視して安倍が参拝したことのみに、快哉を叫んでいる。
だが、海外の反応は違う。安倍と安倍シンパの様子は、まるで国際感覚の欠如した幼稚な排外主義的ナショナリズムであるとしか見られていない。
※週刊ポスト2014年2月14日号➖➖➖➖➖➖
※2014年3月3日 小林よしのりブログ➖➖➖
【アンネの日記破損の犯人は在日?】
『アンネの日記破損事件の犯人は「在日」だとか、
日本のイメージを失墜させる「韓国の陰謀」だという話が、
ネットや極右衛星テレビで語られているらしい。
驚くべき排外主義だ。
憎韓が日常の思考パターンになっていなければ、
そんな発想自体が出てこない。
もし事実としてその通りの犯人だったら、
「それみろ」という快哉の言葉で溢れ返るだろう。
より一層、憎韓が勢いづくことになる。
だが犯罪を即、在日に結びつける思考パターンは
あまりにも恐ろしい。
関東大震災の時に、井戸の中に朝鮮人が毒を入れた
という噂が流布されたのと同じ差別感覚が、
すでに極右勢力の中に甦ってしまっている。
劣化した。
あまりに日本のナショナリズムは劣化した!』
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
戦争論、靖国論、天皇論と立て続けに愛国、ナショナリズムの漫画を出版し、若者の愛国心を目覚めさせる切っ掛けを担い慰安婦問題でも積極的にその言論人として注目を集めて居た頃だろうか。
民主党の空白の三年が終わり2012年12月26日に第二次安倍政権が誕生し、丁度一年後の2013年12月26日念願だった靖国神社参拝を行なった。
それを受けての小林氏の記事が2014年2月であり、丁度遅れ馳せながら快哉を叫んでいた私がこのブログを立ち上げた時期でもある。
奇しくもアンネの日記毀損事件も2014年2月のことであり、小林氏はその延長線上で保守派と排外主義者を結び付けどちらに転んでも自分だけは免れるように保険も掛けている。
結びにある「日本のナショナリズムは劣化した」であるが、この言い方では日本のナショナリズムは既に関東大震災の頃から劣化していることになる。
井戸水にしろ日記の毀損(デマではなく実際に起きている)にしろ何故このようなデマが起きるかが肝であり、不逞鮮人を言わずに排外主義として同列に語るある種火消しのような物言いである。
この頃の小林氏の言動は明らかにナショナリズムを抑え込む火消しである。自らの著作で覚醒したた若者が安倍政権を支える"ネット右翼"となって延焼している訳だ。
つまり、パンドラの箱を開けたのは小林氏であり、今更ながら蓋を閉めて火消しをして、1人だけ保守を自負しても後の祭りなのである。
小林氏にこの諺を捧げよう。
『覆水盆に返らず』
NEWSポスト、セブン➖➖➖➖➖➖➖➖
小林よしのり氏 靖国は国民が静かに参拝を続けるだけでよい
2014.02.03 16:00
昨年12月26日の安倍晋三首相による靖国神社参拝は、海外の反発を招く一方、国内の保守支持層から礼賛の嵐となった。だが、ベストセラー『靖國論』の著者で、新刊『大東亜論』を上梓したばかりの漫画家の小林よしのり氏は、そうしたムードを「幼稚」と断じる。
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わしは2005年に出版した『靖國論』で、首相は堂々と靖国参拝すべきだと説いた。あれから10年近く、わしの靖国神社に対する信条は全く変わっていないが、首相の靖国参拝については、もう新たな局面に入ったと思っている。
安倍は参拝すべきではなかったし、これからも参拝すべきではない。我々、国民が静かに参拝を続ければよいのだ。もはやそう言うべきところまで、来ている。
自称保守派のメディアやネット右翼たちは、「安倍首相よくやった」と絶賛しているが、国際的な感覚が全くない内弁慶な議論でしかない。以前のように朝日新聞が中韓にご注進に及んでこの問題をこじらせてきたとか、中曽根康弘・元首相までは普通に靖国参拝していたとか、その頃は中韓も文句を言わなかったとか、そういううんちくを述べても、アメリカを始め世界に対して説得力を持つレベルではなくなった。
中国とは尖閣諸島を巡ってチキンゲームの最中であり、韓国とは歴史認識で外交が行き詰まっているのだが、しょせん国交断絶する気もない。アメリカの後ろ盾に甘えながら、日中韓相互の幼稚な排外ナショナリズムで身動き取れない。そうした日本の姿勢は、中韓と同レベルで欧米から蔑まれ、バカにされている。
安倍はいまや海外で、フランスの極右政党党首ルペンや、ロシアの極右政党党首ジリノフスキーのように、短絡的で偏り過ぎた、口先だけの極右の首相と思われているのだ。
しかし、そう思われても仕方あるまい。というのも、安倍の靖国参拝の動機が、「中韓に屈しないのが愛国者」という思い込みにあることが見え見えだからだ。安倍の支持層は反中・嫌韓の偏狭なナショナリズムに支配された小物の群れに過ぎない。安倍シンパは、中韓の反発を無視して安倍が参拝したことのみに、快哉を叫んでいる。
だが、海外の反応は違う。安倍と安倍シンパの様子は、まるで国際感覚の欠如した幼稚な排外主義的ナショナリズムであるとしか見られていない。
※週刊ポスト2014年2月14日号➖➖➖➖➖➖
※2014年3月3日 小林よしのりブログ➖➖➖
【アンネの日記破損の犯人は在日?】
『アンネの日記破損事件の犯人は「在日」だとか、
日本のイメージを失墜させる「韓国の陰謀」だという話が、
ネットや極右衛星テレビで語られているらしい。
驚くべき排外主義だ。
憎韓が日常の思考パターンになっていなければ、
そんな発想自体が出てこない。
もし事実としてその通りの犯人だったら、
「それみろ」という快哉の言葉で溢れ返るだろう。
より一層、憎韓が勢いづくことになる。
だが犯罪を即、在日に結びつける思考パターンは
あまりにも恐ろしい。
関東大震災の時に、井戸の中に朝鮮人が毒を入れた
という噂が流布されたのと同じ差別感覚が、
すでに極右勢力の中に甦ってしまっている。
劣化した。
あまりに日本のナショナリズムは劣化した!』
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戦争論、靖国論、天皇論と立て続けに愛国、ナショナリズムの漫画を出版し、若者の愛国心を目覚めさせる切っ掛けを担い慰安婦問題でも積極的にその言論人として注目を集めて居た頃だろうか。
民主党の空白の三年が終わり2012年12月26日に第二次安倍政権が誕生し、丁度一年後の2013年12月26日念願だった靖国神社参拝を行なった。
それを受けての小林氏の記事が2014年2月であり、丁度遅れ馳せながら快哉を叫んでいた私がこのブログを立ち上げた時期でもある。
奇しくもアンネの日記毀損事件も2014年2月のことであり、小林氏はその延長線上で保守派と排外主義者を結び付けどちらに転んでも自分だけは免れるように保険も掛けている。
結びにある「日本のナショナリズムは劣化した」であるが、この言い方では日本のナショナリズムは既に関東大震災の頃から劣化していることになる。
井戸水にしろ日記の毀損(デマではなく実際に起きている)にしろ何故このようなデマが起きるかが肝であり、不逞鮮人を言わずに排外主義として同列に語るある種火消しのような物言いである。
この頃の小林氏の言動は明らかにナショナリズムを抑え込む火消しである。自らの著作で覚醒したた若者が安倍政権を支える"ネット右翼"となって延焼している訳だ。
つまり、パンドラの箱を開けたのは小林氏であり、今更ながら蓋を閉めて火消しをして、1人だけ保守を自負しても後の祭りなのである。
小林氏にこの諺を捧げよう。
『覆水盆に返らず』