いいなづけの続きご希望の方のために☆
ならず者のブラーヴォ達と司祭とのやりとりは本当にドラマチックで
是非とも原作を読んで欲しいな、と思うのですが
何せ長編です。
私も最後まで読めるかなと不安になるけれど今のところ作者の思う壺にハマっています。
結婚式をとりやめるよう要求している二人のセリフはこんな風です。
「結婚式はやらないんだぜ、さもないと、、、、、」
とここで罰当たりな悪態をつき、
「結婚式をもし挙げるとなるとそいつは後悔もしないだろう。何せそいつは後悔するだけの暇もあるまいからな」
とまた初めの男が言った。
へー、この言い回し、すごいな。
きっと後悔するだろう、じゃ無くて
後悔する暇もねえよって事ですからね。
威が効いてます。
イタリア流ってところでしょうか。
そしてまた、この要求発信者の名前を知るに至った時の司祭の怯え方。
名前を聞いただけで司祭が度を失うほどの存在とは?
もちろんこの司祭は臆病で気が弱いってことは最初に知らされてはいるものの、
司祭がここまで動揺するってことは
よほどの暴君に違いありません。
その名前を聞いただけでよく考えもせずに
「常に、常に閣下の御命令に従います所存で」と口にしてしまったのです。
いつもそう言いながら自分の立場を守ってきた小市民だった司祭は
ついそう言うしか答えを持っていませんでした。
哀れ若き恋人達よ。
結婚を夢見て薔薇色の時を送っているその裏で
彼らを不幸に陥れる謀が繰り広げられていたのです。
それから徐に話はこの司祭が生きていた時代の証言へと入っていきますが、
当時様々な法律が取り決められてはいたものの、
法は穏やかなる姿勢の人々を守ってくれる為のものではなかったと言います。
じゃ、何の為の法やねん?と言いたいところですが我が国だって当時は士農工商、
一番偉い侍のために法があったのだから人間的レベルは同じ、でしょうか。
これからしばらくはどんな世の中か、その描写が始まります。
十七世紀初頭の北イタリアは一体どんな世の中だったのでしょう。
その中で生きていた司祭の身の回りの出来事が語られます☆