美術の学芸ノート

中村彝などの美術を中心に近代日本美術、印象派などの西洋美術、美術の真贋問題、個人的なつぶやきやメモなどを記します。

青木繁 病床からの手紙 明治43年11月22日

2016-01-13 12:54:15 | 日本美術

芸術家としてはあまり人々に認められず、無念の思いの中に死んでいった青木繁。その心中がよく窺える病床からの手紙。

「…致方なく当病院へ入院の身と相成申候。

…小生も今度はとても生きて此病院の門を出る事とは期し居らず深く覚悟致居候に付、今の中に皆様へ是迄の不孝不悌の罪を謝し、併せて小生死後のなきがらの始末に付一言お願申上候。

小生も是迄如何に志望の為とは言ひ乍ら皆々へ心配をかけ苦労をかけて未だ志成らず業見はれずして茲に定命尽くる事、如何ばかりか口惜しく残念には候なれど、諦めれば是も前世よりの因縁にて有之べく、小生が苦しみ抜きたる十数年の生涯も技能も光輝なく水の泡と消え候も、是不幸なる小生が宿世の為劫にてや候べき。されば是等の事に就ては最早言ふ可き事も候はず。唯残るは死骸にて是は御身達にて引取くれずば致方なく、小生は死に逝く身故跡の事は知らず候故よろしく頼み上候。火葬料位は必ず枕の下に入れて置き候に付…骨灰は序の節高良山の奥のケシケシ山の松樹の根に埋めて被下度、小生は彼の山のさみしき頂より思出多き筑紫平野を眺めて此世の怨恨と憤懣と呪咀とを捨てて静かに永遠の平安なる眠りに就く可く候…」

青木繁、明治44年3月22日危篤、3月24日没。

註:「見はれずして」の「見」は「現」と同じ意味で、「あら」と読む。もとより原文を「現」と読んでいる人もいるが、ここではブログ筆者である私の古いノートからのメモをそのまま載せておく。






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1月12日(火)のつぶやき

2016-01-13 03:17:54 | 日々の呟き

安野光雅の絵本「ABCの本」、「あいうえおの本」、「かぞえてみよう」について書いてあります。 goo.gl/WcKkxx


安野光雅の『天動説の絵本』とブログ執筆者のある思い出について書いてあります。 goo.gl/qQ1niS


人形の岡本太郎の写真と生身の彼の写真では、同じ静止画像であるが、どちらが生身の人間の写真であるかが直観的に分かる。
同様に写真に基づく肖像画と生身の人間を描いた肖像画では、その区別が可能か?
それは画家の技量や用いられた写真によるだろうか?
見る人の観察眼や鑑賞眼によるだろうか?


個人から市に寄贈された土地が公園となったことは良かった。
しかし近年では予算が獲得できないためか、それが長いこと放置され、とてもそこに入れない。
これが寄贈を受けた市役所のすることだろうか?
これでは近年増えてきた放置住宅を市は指導できないだろうと思われるほどである。


公開制限記事を再編集の上、公開します。 goo.gl/6Dp4fg


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