美術の学芸ノート

中村彝などの美術を中心に近代日本美術、印象派などの西洋美術、美術の真贋問題、個人的なつぶやきやメモなどを記します。

1月22日(金)のつぶやき

2016-01-23 03:21:13 | 日々の呟き

現代の物理学では宇宙は137億年前に始まったという。
じゃあ、その前はどうなっていたのかとそれでも問う人がいるだろう。
例えば150億年前は?
しかし、これは問えないのだ。
「始まり」の前の「始まり」は問えないのだ。


5年前の前は過去を意味する。
5年後の後は未来を意味する。
5年先の先は未来を意味する。
先は未来を意味するのに前は過去を意味する。
ちょっと不思議だな。


まだ言葉の使い方に不慣れな子供が、5年前の「前」を未来の意味で使っているのを見かけたことがある。
「後」が過去で、「前」は未来だと思ったのであろう。
未来は自分の前の方にあり、過去は自分の後の方に消えて行くというイメージだろう。


時間には過去も未来もない、現在があるのみだと言う人がいる。確かにそうも思える。
過去はどこにもなく、未来もどこにもない。
現代の物理学では宇宙、すなわち時空間の始まりは、無限に過去なのではなく、計算可能な有限な時間にあるのであり、それもたったの137億年前のことに過ぎない。


ニュートン時代の永遠不変な静的な宇宙観からすれば、時間は無限の過去から無限の未来に向かって永遠に流れ、無限に均質に広がる3次元の空間があるとされた。
この宇宙観からすれば宇宙の始まりである137億年の過去など、"たったの"137億年に過ぎない。なにしろそれは有限の過去なのだから。


コメント
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