宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

星の産声

2009年10月15日 01時25分31秒 | Weblog
戦士たちを招待した翌日は忙しくて丘に登れなかった。その次の日、午後も遅くなって竹取庵の鍵を開ける。昼間は予定通りレンガを張り、日が暮れて屋根を開けた。
今日は28センチのシュミットカセグレン望遠鏡でテスト撮影をする。そう決めていた。この望遠鏡は口径と焦点距離の割に全体がコンパクトだ。ただ、なんとなくシャープさに欠ける。それをどこまで調整できるかが課題だった。
カメラを取り付けて光軸を調整していく。ここまでかな、不満は残るが仕方ない。メシエカタログ42番オリオン大星雲の中心部を狙う。感度はテストだから最高の6400にセットした。露出は4分。シャッターを閉めて10分近い転送時間の末、ようやくカメラのモニターにその姿が現れた。

想像を絶する巨大なガスの塊から生まれてくる星たち。その産声が周囲のガスを照らして赤く青く光らせる。声の届かないガスはシルエットとなってその姿を現していた。そう、今から50億年の昔、僕らの太陽もこんな風に生まれたのかも知れない。
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久々のお客様

2009年10月14日 13時28分35秒 | Weblog
この連休、ようやく仕事が一段落して車を丘に走らせる。ハンドルを握りながらいろいろ考えた。昼間はレンガを張り、夕方から写真を撮ろう。今日は月の出が遅い。
ところが車をおばさんの家の前に停め、立ち話をしていると止まる車がある。おばさんのお孫さん一家だった。あの小さな戦士たちも一緒だ。ここには男の子が3人居る。今日はそのうちの上下二人がついて来ていた。おばさんの家の前にいる僕を見つけて口を尖らせる。「いつ来ても鍵が掛かってたよ。」
じゃあ一緒においで。少し離れた竹取庵まで歩いていって鍵を開ける。小さな戦士は少し大きくなっていた。急な階段を平気で登り、双眼鏡で向かいの島を見ながらしきりに解説する。
つるべ落としの夕日は西の山に隠れ、やがて一番星が輝きだした。28センチの望遠鏡をそこに向け、戦士と後からやって来たお父さんに見せる。はじめてみる木星。その縞模様と4つの衛星。3人の質問攻めが続く。
戦士一家が帰った時は午後7時を回っていた。写真を撮ろうかとカメラを持ったがもう気力が残っていない。少し辛かったが、後日に望みを託して丘を降りた。
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