日本列島を縦断して各地に被害をもたらした台風18号は今夜やっと温帯低気圧になった。なのに低気圧としてはまだ一級の勢力を保っていると言う。その悪天候下の人たちには申し訳ないが、昨日の夜台風が通過した岡山は今朝から穏やかな空が広がった。日中は多かった雲も日が暮れて気温が下がるとともに少なくなっていく。
実は梅雨明け以来撮りたかった星空があった。みかんの丘からではなく僕のふるさと岡山の市街地の上に広がる星空だ。そのために撮影に適した場所を探していろんな道を何日も車で巡り、標高は50メートルと低いものの、市街地北側の墓地が広がる丘の一角を撮影地と決めた。ここは子供の頃望遠鏡を持ち込んで天体観測をしていた思い出の場所でもある。昼間竹取庵で大工仕事をした後早々に家に帰って時を待った。持って行くのはワイドレンズを付けたEOS5DmarkⅡと三脚、それにレリーズだけだ。
墓地の一角に陣取ってカメラ感度2500で20秒露出してみる。しかしモニターに浮かび上がったのは昼間のような景色だった。駄目だ。街が明るすぎる。そこで試行錯誤した後採用したのがカメラ感度1000、露出4秒。上の写真だ。
本当に撮りたかったのは真夏。天の川がこの街の空を貫いている星景だった。秋の空では寂しすぎるが、自然が与えてくれた台風一過の星空だ。贅沢は言えない。次はこの場所に対角線魚眼を持ち込んで冬の星空を狙おう。