なかなかうまくいかない。仕事で忙しいときにはよく晴れて、撮影が出来そうになると天気が悪くなる。ゴールデンウィークだというのに雨だ。とは言うものの、竹取庵の工事は少しずつだが着実に進んでいる。この増築が終わらなければ観測デッキの整備も出来ない。痛しかゆしだ。
昨日今日、雨の中で壁板の張り付けとドアの取り付けに時間を費やした。このドアは今まで裏からの出入りに使っていたが、増築に伴って農機具倉庫のドアに変身する。ただ、サッシのリサイズは初めてだ。部材を全部ばらした後金切り鋸で精密に切ってゆく。なかなか面倒な作業で時間も掛かってしまう。
雨は嫌だけれども、この雨のお蔭でみかんの新芽が伸び始めた。この芽が広がって若葉になる頃、あの白いつぼみが膨らむ。丘に甘い香りが漂い始めるまであと一カ月だ。
新緑の向こうの海はどんよりとした鉛色。島が霧に隠れて、水平線がそこにあるようだ。この雨が抜けると寒くなる。その寒気が抜けると晴天が戻ってくるのだろうか。曇る前の夕空には頭の真上に木星が、東には火星が、それぞれ輝きを放っていた。僕の仕事のスケジュールと月の形を考えると、ゴールデンウィークの後半が最後の撮影チャンスになるかも知れない。