宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

かぐや姫遷座③ やっと到着

2009年03月31日 15時54分52秒 | Weblog
軽トラックをゆっくりと進める。道が登りに掛かると気が気ではない。一応きちんと荷造りはしたつもりだが、車が揺れるたびに荷が後ろにずれていないかと、車を止めて確認をする。
そして、ようやくかぐや姫は竹取庵に到着した。時計を見ると5時半。隠れがを出たのは2時だ。ここまで3時間半掛かったことになる。途中うどん屋に寄った15分を差し引いても3時間余りだ。普通なら自動車専用道路を通ってここまでおよそ45分の道を4倍以上掛かったのだ。
まあ姫の遷座。これくらいは仕方ないかな。とここまでは成功。さて、どうやって姫を観測デッキの仮玉座にお導きするか。
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かぐや姫遷座② 路肩をそろりそろり

2009年03月28日 00時30分18秒 | Weblog
隠れ家を出た車は、路面が出来るだけ平坦な国道を通って郊外へ。ハザードランプを点け、路肩に近いところをゆっくりと走る。幸か不幸かみかんの丘に続く国道は大渋滞。おかげでスロー運転も気兼ねなく出来た。
しかし郊外に出て道が狭くなったらそうは行かない。片側1車線の道路を、みんな普通に70キロくらいで走っているのだ。おまけに舗装道路のくせにやたらでこぼこしている。タイヤが凹みを踏むたびに身が縮む。
時折後ろの車をやり過ごし、やり過ごし、そろりそろりと走る事、いや歩く事およそ2時間。ようやくみかんの丘のある自治体に入った。通行量の多い幹線を避け、田舎道をゆっくり走る。
正面に見えるなだらかな山。あの山の向こうがみかんの丘だ。

(ナンバープレートを読もうとしている人、お教えしましょう。「蜜柑42 く・945」です。残念でした。)
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かぐや姫遷座① 隠れ家を出発

2009年03月26日 12時24分05秒 | Weblog
仮の玉座を竹取庵に据え付けた2週間後、いよいよ姫の移動を始める。かぐや姫はこれまで街の中の空き家に、上下二つに分けてかくまわれていた。その姫を30キロほど離れたみかんの丘まで遷座奉るのである。
上半身はほとんどがアルミ製でおよそ15キロと軽いが、長さは2メートル近くある。下半身は逆に、主鏡以外ほとんどが鉄製で重さはおよそ40キロ。高さは60センチほどだ。いずれも振動は厳禁。
軽トラックの荷台を空き家の玄関に付け、特製スロープを渡す。そこを、台車に載せられた上下のパーツが通り、布団やマットで包まれた後収納したスロープの上で固定される。
早い昼食を済ませて正午から作業に掛かったが、出発の準備が終わった時には午後2時を回っていた。

(これからしばらくは、かぐや姫遷座の中継録画です。あしからず)
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玉座の移動

2009年03月23日 20時23分26秒 | Weblog
竹取庵はもともとかぐや姫のお城。姫の居城を作るために何年も頑張ってきた。胴回り180センチ、身長2メートル50センチの巨大な姫は、上半身と下半身を切り離されたまま隠れ家にいる。
お城がここまで出来れば、一日でも早く姫をお連れすべきではないか。みかんの丘から遠く離れた隠れ家で、自分のお城の完成を信じてぽつんと待つ姫を見たとき、僕は姫の移動を決意した。とりあえず台座だけ先にみかんの丘に運ぶ。
さて、運んではみたがどうして観測デッキに運び上げるか、台座は木で出来ているがそれでも結構重い。散々考えた挙げ句、屋根をずらして北側に隙間を作り、梯子をスロープにして屋根を動かすウインチで引っ張り上げた。
何をするのもひとり。二人いれば簡単なことが、ひとりだとずいぶん工夫がいる。まる1日掛かってしまうことも多い。でも、そのたびにノウハウが溜まってゆく。得した。そう思う。
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ルーリン彗星・空の旅人

2009年03月20日 22時43分51秒 | Weblog
ルーリンと言う名の彗星が世間を騒がせ始めた。なんでも地球から6000万キロのところをかすめて通ると言う。
撮ってみよう。赤道儀の架台の上に載せていた8センチの屈折望遠鏡に、買ったばかりのカメラを取り付けた。
1枚につき露出3分、2分の間合いを置いて11枚連続撮影。星の追尾は手動で微調整をするつもりでいたが、寒いし眠いので機械任せ。脇のコタツに入って寝てしまった。お陰で強風の中望遠鏡が揺れ、とんだ連続画像となってしまった。明るさが変わっているのは雲が通過したせいだ。

彗星のふるさとはエッジワース・カイパーベルト。それは地球から600億キロの彼方だ。彼はそこから1万年以上も掛けてやってきた。それなのに、傍まで来るとスピードを上げ、わずか数ヶ月で飛び去ってしまう。カメラが捕らえたのは、そのうちわずか1時間ほどの軌跡だ。
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今年も新しい苗

2009年03月19日 12時12分08秒 | Weblog
材料を買いに行ったホームセンターにみかんの苗があった。そうだ、今年も植えよう。
みかんの植え付けは普通3月だという。まだ1ヶ月以上早い。しかし、売られていた苗はとても元気で、今すぐ植えて欲しいと僕に微笑んでいた。早生を2本、ゆずを1本、デコポンを1本、それに今年は金柑を1本買う。老木が枯れて空いた場所に穴を掘り、堆肥や粒肥えと共に植え込んだ。
おじさんが亡くなって衰えていた畑の勢いをなんとか取り戻さなければならない。元気にそよぐみかん畑から伸びる宇宙(そら)への道。それが僕の、そしておじさんの夢だ。

植物は励ましながら見つめていると元気に育つと言う。育て育て。大きくなれ大きくなれ。
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土星のくし団子

2009年03月17日 09時31分35秒 | Weblog
地球の自転軸は太陽系の公転面に対して少し傾いている。だから春夏秋冬があり、めぐる季節を楽しむことができる。土星も同じ。やっぱり自転軸が傾いている。地球と違うのは、この星には立派な輪があることだ。
傾いた土星を地球から見ると、お互いの位置によって輪の傾きが違って見える。いっぱいに傾いてドーナツのように見える輪は年々細くなり、真横になったとき見えなくなる。輪の厚さがとても薄いためだ。一度消えた輪はまた次第に膨らんで、今度は裏側が見えるようになる。これを土星は30年の周期で繰り返している。

夜遅く、東の空から昇ってきた土星に望遠鏡を向けて驚いた。輪がほぼ真横。まるで串が刺さったように見える。あわててカメラを取り付け、シャッターを切った。土星の本体が輪の方向に伸びて見えるのは、土星のほとんどが液体と気体で出来ていて、遠心力で引き伸ばされているためだ。
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コタツが居座る観測デッキ

2009年03月12日 14時05分41秒 | Weblog
普通天文台は気流の乱れに敏感だ。望遠鏡の近くに発熱体を置くと、そこから上がる陽炎で星の像が乱れてしまう。だから観測室の近くにはパソコンさえ置かない施設もあるくらいだ。
それなのに…
竹取庵に家族を招待することで思い付いたのはやぐら炬燵だった。ここで星を見ながら宴会をやろうというのだ。出来上がった空間はアイスクリームの天婦羅のようで違和感が美しい。   と思う…
実際どれほどの影響があるのだろうか。屋根を開け、コタツに火を入れて試してみた。このままではやはり悲惨だ。ところが、壁の妻に厚手の透明ビニールをぶら下げる事で気流の乱れは一気に改善される。光の害は長いフードを付ければいい。

観測デッキの変貌振りを見て満足。星仲間に馬鹿にされるのは覚悟の上だ。
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招客の必需品

2009年03月10日 08時14分23秒 | Weblog
我が竹取庵も知名度が僕の回りで少しずつ上がってきた。建設現場を見てみたい。遊びに行きたい。そんな声が次第に聞こえるようになる。そんな中、暮れに友人の家族が遊びに来ることが決まった。これまでの招客はほとんどが昼間。しかも短時間だったが、今度は家族連れだ。しかもここで宴会をやろうと無謀なことを考えている。そうなれば特に小さい子供と女の人に欠かせないのがトイレだ。
他の工事にかまけておざなりになっていたこの施設の突貫工事が始まった。簡易トイレを臨時にという考えもあったが、それだって買えば数万はする。それならちゃんとしたものを最初から用意したい。そこでネットを使ってあれこれ発注してみた。次々に届くアイテムが面白い。へー、トイレってこんな造りになってるんだ。感心する事しきり。
あれこれと試行錯誤の末、内装の整っていない小部屋にようやくトイレらしいものが出来上がった。
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ドンピシャ

2009年03月08日 00時05分14秒 | Weblog
寒空の下、ペルセウス座のアレイ星雲に望遠鏡を向けて撮影を始めた。竹取庵の上空は旅客機の通り道になっている。望遠鏡の筒先を通ったなと思ってカメラのシャッターを閉め、モニターに現れた画面を見て驚いた。
まさにドンピシャ。翼の片方が見事に星雲の真ん中を通っている。これまで画面の端をかすめた事は何度かあったが、これほどのものは初めてだった。記念すべき一枚は永久保存だ。
ところで、星の写真を撮っていて良く思う。星というものは空にランダムに散りばめられているものではない。この写真のあちこちに見られるように、列を作って並んでいる事が多い。そう言えばオリオンの三ツ星もそうだ。星は塵やガスの塊りに衝撃波が当たると生まれると言う。星の並びはこの衝撃波の通った道筋なのだろうか、それとも衝撃波の表面を現しているものなのだろうか。
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ずうずうしい居候

2009年03月06日 03時18分00秒 | Weblog
北風が冷たくなったある週末、竹取庵の鍵を開けると中でバタバタと羽音がする。見ればオスのジョウビタキが逃げようと窓ガラスに突撃していた。竹取庵の床には、まだ鳥が出入りできるくらいの穴が開いてる。ジョウビタキはそこから入ったのだ。気を付けろよ、と戸を開けて出してやった。
ところが次の週行ってみるとまた入っている。その翌日もいる。そこでようやく気が付いた。こいつ、他のオス達から逃れて、僕の天文台を巣箱にしているのだ。その頃には僕にすっかり慣れて、近くで丸鋸を使っても金槌を使っても平気。挙句の果てには僕が飲んでいる紅茶のポットに留まって中に糞までする始末だ。
すっかり仲良くなったこの鳥も、出会って3週間目に行ってみると、周りの仲間達とともに次の野営地に旅立っていた。
来年もまた会えるといいな。そう思いながら鳥が旅立っただろう南の空を眺めた。
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季節は冬へ(すばる再び)

2009年03月04日 12時26分23秒 | Weblog
曇り空の多かった秋を過ごし、空に輝きが戻ってきた。季節風にきらめく星たちを眺めるとなんとなく嬉しくなる。写真を撮るのにあまりいい季節ではないが、透明度の高い空は、まるで汐が引いて干潟が現れるように、淡い星雲を僕らに見せてくれる。天の川もこの季節のほうが夏より美しい。
竹取庵のシステムを使ってありきたりだがスバルを狙ってみた。ゆりかごから顔を見せる短命な星たち。フィルムの頃と違って立体感に欠けるのはC-mosセンサーのふところの狭さか。例によって口径200ミリニュートン反射、焦点距離800。カメラはISO1600、露出3分3枚合成。ああ、自動ガイドが欲しい。もっと高感度が欲しい。
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一階部分も少しずつ

2009年03月02日 00時05分05秒 | Weblog
観測デッキの設備が整って来る一方、一階の工事も少しずつ進んでいた。本床は下張りを終えて化粧板を待つばかり。南側の窓の下に、ずいぶん前に買っておいた薪ストーブ風の電気ストーブを置いてみる。お、なかなか良いではないか。と、一人ほくそ笑む。ここにはレンガを張るのだ。
外板はコーキングが6割ほど終わった。これまで侵入する虫に悩まされてきただけに、このコーキングは念入りにやっておかなければ、撮影に夢中になっていたら足をムカデが這っていたということにはなりたくない。

少しずつ少しずつ。竹取庵の工事は季節の移り変わりと追いかけっこ。
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