宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

縦じまの星空

2015年10月05日 00時21分34秒 | 

夕方一度晴れの区域が広がった後は、まるで渚に波が打ち寄せるように縦じまの雲が次々に丘の上を通過していった。本来なら星の撮れる空じゃない。それでも久々の観測デッキの居心地は悪くなかった。思わぬ寒さに毛糸のジャケットを羽織ると、季節が中秋から晩秋に移っていくのが肌で判る。時とともに丘の周辺でオス鹿のメスを呼ぶ声がし始めた。

今日用意してきたのは上の写真を写したCANONのコンデジG7Xだけではない。赤外線改造したEOSkiss X6i の実力も試したかった。このカメラは半月ほど前に手に入れたのだが、なかなか星空で試す機会が無かったのだ。それだけに初めは星雲を撮ろうと思ったのだが、狙っている最中に雲が現れてピントを合わす事がままならず断念。望遠鏡での直焦点撮影を諦めて、白鳥座のデネブ付近を望遠レンズで狙う事にした。それでも3分足らずの露出の間に雲が押し寄せる。なんとか写せたのが下の写真だ。これでも画面右側に雲が迫っている。

デネブの辺りを狙ったのには訳が有る。ちょうど2年前、小さいほうのカメラEOSkiss X4でこの辺りを撮っていた。それが下の写真だ。

この時は空に恵まれてシャッターも8分近く開くことが出来た。それに比べると今夜の空は透明度が悪い。雲に阻まれるだけでなく、3分も露出すると画面が白くなってしまう。ただそうした悪条件の中で赤外線新改造と呼ばれるX6i-IRはかなり頑張ってくれた。

これなら透明度の良い冬の空で懸案だった天体を色々撮る事が出来そうだ。
それにしても今夜はっきりしたのは、長い間機材を放置していた為にあちこちが傷んでいたこと。そして何よりも僕自身が体で憶えていたはずの撮影手順をすっかり忘れていた事だ。これではあまりにも悲しい。観測デッキの掃除に加えて、僕自身も含めたメンテナンスが必要だ。

 

 

 

 

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怪しげな夕暮れ

2015年10月04日 11時13分56秒 | 

綺麗な青空が朝から広がっていた。雲もほとんど無かった。こんな日は夜まで晴れるかと言うと、そうは行かない事くらい分かっていた。それでも、今日行かなければもう星を撮ろうという思いが薄らいでしまう。そんな強迫観念にも似た気持ちでカメラバッグを持った。家を出たのは午後4時半。丘に着くと、目の前は確かに青空だが、西の方からゆっくりと薄雲が迫っていた。気象衛星の画像によると大陸から雲の細い触手がこちらに向かって延びようとしている。

観測デッキの蜂の巣騒動はまだ収まっていなかったが、蜂そのものはもう居ない。床に転がっている死骸に注意しながらデッキの南端に辿りついて屋根を開けた。思ったより雲が少ない。しばらく待っているとぼんやりと天の川も見え始めた。

透明度が今一つなだけに左程期待はしていないが、それでも星を撮りに丘に上がったのは7月下旬以来。3か月近くも前の話だ。なんとか星らしいものを撮らなくては。それに今日は新しいカメラも持って来ている。そのテストも兼ねていた。

上の写真はあのコンデジ、CANON G7Xの上に魚眼アタッチメントを載せて撮っている。冗談のようなものだが、それにしても周辺の収差が激しすぎる。暮れまでには何とか本物の円周魚眼を手に入れたいものだ。

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