宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

北斗が昇る

2014年02月28日 00時02分16秒 | 

塵に煙る星空に手こずるうち、時計の針は午後9時を回っていた。明日はもちろん仕事だし、これ以上頑張っても成果は得られない。もう帰ろう。北の空を見ると春を告げる星座おおぐま座が昇っていた。広く知られている北斗七星はこのおおぐま座の後ろ半分だ。ひしゃくの柄は熊のしっぽにあたるが、こんなしっぽの長い熊は見た事が無い。そう言えば隣りのこぐまも長いしっぽを持っている。ひょっとすると古代ギリシャの熊はみんなしっぽが長かったのかも知れない。こぐまはどこかと探したが、しっぽの先、北極星がかろうじて見えるだけで、そのほとんどは塵に埋もれていた。

みんな、ありがとう。また来るね。今度は塵の無い澄んだ夜に。

 

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塵にまみれた狩人

2014年02月27日 00時13分26秒 | 

なかなかうまく行かない魚眼撮影に手こずっているうちに日は次第に暮れて行った。観測デッキに上がったものの、さて何を撮ろうかな。靄の中で選べる被写体は限られる。星雲はとても無理だろう。また頭上に輝く木星も、以前土星で失敗したような泥だらけの画像になる気がする。そこで無難に真南に居るオリオンを狙う事にした。

赤道儀に載せたカメラ雲台に大きいほうのカメラを取り付け、レンズをワイドいっぱいの28㎜にして「荒くれの狩人」に向けた。魚眼の画像ではまだ南中していなかったこの星座が、カメラを向けたときには真南より少し西に傾いている。西にある街明かりを受けて、星座の右半分が赤い。
どうかな。カメラ感度1600、絞り3.5、露出3分。モニターに現れた画像は真っ白。これではだめだ。露出を3分の1に縮めて撮り直し、画像処理をかなり加えたのが上の写真だ。これではまるで、塵にまみれた狩人のブロマイド。プライドの高いオリオンはきっとこの写真をお気に召さないだろう。

それでもと、試しにカメラを8センチ屈折に繋いで炎星雲を撮ってみた。露出5分でやっぱり真っ白。仕方なく、露出4分と3分の写真を画像処理して重ねたのがこの写真だ。

頑張って画像処理してみても、元画像に無い星雲は浮き出て来ない。澄み切った空なら15分シャッターを開いてもかぶらないと思うと寂しくなる。これでは炎も消え入りそうだ。せっかくの月の無い夜なのに。

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魚眼で見た空

2014年02月26日 00時17分03秒 | 

変わったレンズがたまたま手に入った。「ウルトラワイドコンバーター」つまり、カメラの前にくっつけると、画角180度の景色が撮れる『魚眼コンバージョンレンズ』だ。元々は監視用ビデオカメラの前に付けて不審者を見張るものらしい。しかし、せっかく僕のところにやって来たのだ。星を撮らない手は無い。ただ明らかに口径が違う。どう繋げばいいのか分からない。とりあえず小さいほうのカメラの標準ズームの保護フィルターを外し、その上に載せてみた。

それで撮ったのが上の写真だ。後から分かったのだが、これではレンズの凸面同士が直に触れ、ゴロゴロと動いて位置が定まらない。結果画面の右側(西側)がボケてしまった。これはこれからの課題だが、上手く行けばみかんの丘の満天の星空が撮れるかもしれない。ただ、テスト撮影した今夜の空は、日暮れ直後の事も有って一面に霞が掛かり、星がはっきり見えるのは頭の上だけだった。それに、2分半の露出では魚眼でも星が流れる。もっと高感度にして露出時間を短縮する必要が有る。

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春霞の中で

2014年02月25日 00時32分52秒 | Weblog

今日の月曜日、休みをもらってみかんの丘に上がった。屋根から折れ曲がって下がる軒をどうやって支えようか。ずっと考えていたが、「アイアンブラケット」と言う鋳物の棚受けが使えそうだと気付いた。


柱にほぞ穴を開けて桁受けを打ち込み、このブラケットで補強する。一番南はここだけ先に壁を作り、壁板に桁受けを直に取り付けた。建て始めて以来竹取庵は次第にイメージが変わってゆく。まあいいか。僕のピラミッドだ。工事をしていたら来客が有った。屋根が開くところを見たいという。

 

 

今日の丘は風が冷たいものの日差しは春。天気予報も一晩中晴れると言う。ただ春霞で島はほとんど見えなかった。空にもベールが掛かっている。星が撮れるだろうか。とりあえずカメラは持って来ていた。それに、今夜は試したいレンズが有る。期待に不安を織り交ぜながら日暮れを待った。

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野地板を載せる

2014年02月09日 22時41分07秒 | Weblog

雪は始末が悪い。ぼたぼたの塊があちこちに有っていつまでもしずくが落ちてくる。しかも足元はずるずるべちょべちょだ。体中びしょ濡れになりながら何とか垂木を組んで準備を整えたのが昨日。翌日の今日はいよいよ野地板に掛かる。野地板と言っても合板だ。幅90センチ長さ180センチのパネルを持ち上げて垂木に止めてゆく。次回ははもう一枚。そしてその上にルーフィングを張ってゆく。本当に僅かずつ。それでも後戻りはしない。

昨日と違って今日はところどころに青空が有る。月が膨らんでいるので撮影は後日に回したが、そろそろ本当に天体を撮影しなければ天文ファンを名乗れない。僕は大工さんじゃ無いはずだから。ただそう思いながらも今日は早々に引き揚げた。下りの坂道が凍結すると冗談では済まなくなる。

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二度目の雪景色

2014年02月08日 20時22分02秒 | Weblog

気象予報の通り、雪は昨日の夜から降り始め、今朝起きた時には家の周りが、まるで雪国の様な景色に変わっていた。丘はどうなっているだろう。気にはなったが、家の前の通りは10センチ以上の雪が積もっている。僕の車は無論ノーマルタイヤだ。みかんの丘はおろか駐車場から出る事すら出来ない。ただ気温はそれほど低くなかった。あれこれと用事を済ませ、午後1時半、道の雪が解けるころを見計らって出発する。
道端の雪だるまや子供たちの雪合戦を眺めながら、2時間近くかけてようやくふもとに到着。しかしそこから先が登れない。登り道が分厚い雪に覆われて車が登れないのだ。仕方なく車から荷物を持ち出して歩いて登ることにした。

こんなに遠かったかな。5,6センチの積雪に足を取られながらやっと竹取庵の見える所に出た。みかんの丘の雪景色は一昨年の2月に見た。これが二度目だ。前の時より雪の量は多いけれども新鮮さには欠ける。まあいいか。雪を見に来た訳じゃない。ドアの鍵を開けて暖房を入れ、大工仕事に取り掛かった。

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細月

2014年02月01日 22時45分41秒 | 

家の用事もあってそう頻繁には丘に上がれない。それでも工事は少しずつ進んでゆく。今日はその用事を済ませてから午後ゆっくり家を出て、丘でブルーベリー号に乗り換えて材料を買いに行った。だから工事を始めたのは午後3時過ぎ。棟に刃物を入れて垂木をはめてゆく。これが意外に面倒で、3時間で3本しか付けられなかった。

そろそろ手元が薄暗くて見えにくくなる。諦めて道具を片付けて、ふと西の空を見ると細い月が浮かんでいた。月齢1.5。空自体は霞がかかって何となくくすんでいるが、それがむしろこの月を引き立てている。
以前昼間の空に浮かぶ淡い月を「幽(かそ)けき月=幽月(ゆうげつ)」と名付けた。それならばこの月は「細月(さいげつ)」だ。

ぼんやり眺めているうちに写真に撮りたくなった。間に合うだろうか。あわてて観測デッキに上がり、赤道儀に載せていた8センチ屈折を外してアタッチメントを付け下に降りた。手持ちで撮ろうとしたがさすがにだめだ。居間に置いていた三脚に取り付けて月に向ける。どうぞ沈みませんように。祈りながら撮った月。それが一番上の写真だ。

月の拡大写真を撮るのは去年の10月以来。思えば久しく望遠鏡そのものに触っていない。丘に上がるだけで宇宙(そら)に触れた気になっていた。ダメだな。天文ファン落第。
星雲や星団も撮りたいけれども、このところ何となく気忙しくてその気にならない。今日は狙ってみようかな。でもこの空だし、きっと星雲の細かいところまでは撮れないよ。そう思いながら丘を下りようとして振り返る。昇ったばかりの星座たちと目が合った。言い訳がましいねと笑っている。僕にはそんな風に見えた。

 

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