宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

あばたもえくぼ

2009年02月28日 10時06分00秒 | 

秋の気配が感じられるみかんの丘で大工仕事を終え、竹取庵の屋根を開いた。上弦の月が西の空に掛かる。望遠鏡で覗いてみると案の定大気の揺らぎが大きくて、月面のあちこちで陽炎が揺れていた。
高速でシャッターを切ったら行けるかなと思う。望遠鏡は口径80ミリのフローライト屈折。焦点距離は600ミリ。カメラの感度を最高の1600にしてシャッタースピードは200分の1だった。
その結果がこう。やっぱり所々ボケている。でもまあいいか。

月にあばたがあるのを見つけたのはガリレオだ。その時イタリア中が大騒ぎになった。だってキリスト教の教えでは、月は完璧な球体のはずだったから。
今では世界中の人が望遠鏡でそのあばたを見る。美しいとさえ思う。
もし、月がキリスト教の教義のようにつるんとしていたらこんなにも人気は続かなかっただろう。そう。あばたもえくぼなのだ。

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空に浮かぶ光の手毬

2009年02月26日 00時08分49秒 | Weblog

望遠鏡で星を見たとき、吸い込まれるように見入ってしまうのが球状星団だ。それは丸い視野の底でひそかに煌く光の手毬。銀河を取り囲む見えないボールの表面の、一面にちりばめられたブローチ。
久々に晴れた夜、ピントの微動装置の成果を確かめるためにこの小さな光の集まりを狙った。みずがめ座の球状星団M2。小ぶりなこの星団は、800ミリの焦点距離では小さくしか写らないが、それでも微動装置の威力を測るのには十分だった。

ただ、パソコンのモニターに現れた画像を見て思う。宇宙(そら)の不思議に触れるには、やはり写真よりも目で見るほうがいい。

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みかんの丘の真夏

2009年02月24日 00時07分17秒 | Weblog
ピントの微動装置を作って晴れ間を待っているうちに季節は移り、みかんの丘に真夏の日差しが射し始めた。農薬をあまり使わないこの畑には結構生き物が多い。クマゼミのコーラスが流れる中、アゲハやトンボが飛び交う。丘の中腹を走る自動車専用道の騒音が無ければここは本当の別天地なのだが…
でもそれがあるから便利が良いのだし、仕方ないか。

昼間は大工仕事で忙しいが、時に屋根を開けて季節を満喫する。みかんの丘は、海風があって真夏でも不思議なくらい涼しい。
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ピントの微動装置

2009年02月22日 00時12分44秒 | Weblog
とかく、望遠鏡のピントを合わせる部分はちゃちな物が多い。値段の高いのもでもそうなのだから、ましてや僕らの手に入る望遠鏡などというのは推して測るべしである。人類には、カメラで培ってきた技術の蓄積があれほどあろうと思うのに、こんなところで経費を節約してはいけないと思う。
そうぶつぶついいながら、僕の部屋でピントの微動装置が出来上がって行った。思いついたのは、昔アマチュア無線で使っていたバリコンの微動ダイヤルだ。これなら使えるだろう。ネットショップで買ったダイヤルをアルミ板に取り付け、それをピニオンギヤのシャフトに差し込んでみる。なんと、誂たようにぴったんこではないか。ほくそ笑みながら仕上げたダイヤルをなでてみる。さあ、今度こそどうだ。
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ピントが甘い!

2009年02月20日 10時59分24秒 | Weblog
反射望遠鏡の光軸を調整し、次の晴れ間を待って屋根を開けた観測デッキ。さあ何を撮ろう。空は季節が少し移っていた。
東の空に昇るアンドロメダ。その脇に小さく見える三角座がある。そうだ。この星座の端にあるM33を撮ってみよう。そう決めて望遠鏡を東に向けた。露出3分、ISO800。しかし、ディスプレイに現れた星雲に眉をしかめる。ピントが甘い。甘すぎる。それに星も流れている。これではとても人前に出せない。
この状態は何度やっても同じだった。フォーカス位置がつかめないのだ。何か工夫がいる。そう思いながらその夜もむなしく丘を下りた。
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初めての被写体はドーナツ

2009年02月18日 00時04分57秒 | 宇宙

梅雨が明け、もやーっとした空が少しすっきりした頃、ようやく撮影のチャンスが訪れた。
夜屋根を開ける。頭の上をゆっくりと星空が広がってゆく。建物の外に出れば同じ空が見えるはずだが、観測デッキに居て屋根を開くと、まるで舞台の幕が上がるようなそんなワクワクがある。
街明かりから遠い東の空の、かなりの高みにこと座が見える。そうだ。最初のショットはドーナツ星雲にしよう。望遠鏡を向けてカメラのスイッチを入れる。ISO感度800、露出3分。続けて何枚か撮る。
メシエカタログ57番(M57)。「ドーナツ」のニックネームをもらったこの星雲は、歳取った星が最後に放ったガスの殻。ただ、焦点距離が短すぎて細かなところまで見えない。それに少し画像がおかしいような…
そうか、光軸がずれているのだ。あー、気付かなかった。調整しなければ。と、そうこうしているうちに月が昇ってしまった。

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当面のシステム

2009年02月16日 00時09分37秒 | Weblog
撮影システムは、以前移動撮影のために車の中に組んでいた物を参考にした。
撮影用の望遠鏡に取り付けたカメラの画像を確認するモニター。ガイド鏡の星をリアルタイムで見ることの出来るモニター、そのモニターを見ながらガイドをするコントロールボックス。そして、望遠鏡を正確に星に向けるコンピューター。とりあえず、それだけをデッキチェアーに板を渡し、その上に並べてみた。
おー、なんだかそれっぽい。そばにオークションで落札したチェストを置き、中にアイピースほか小物を入れる。

後は星空を待つだけ。それにしても、このコードの束は何とかならないものだろうか。
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最初はニュートン反射

2009年02月14日 00時26分10秒 | Weblog
この架台に何を載せようか。いろいろ考えてみたが、結局長時間露出しなくてもいい明るい望遠鏡を載せる事にした。手持ちで最も明るいのは口径200ミリ、焦点距離800ミリのニュートン反射。F値はきっちり4。これにフラットナーレンズを付けて、ガイド鏡と共に載せてみた。望遠鏡がボタン一つで日周運動の500倍のスピードで動いてゆく。なかなかの見ものだ。ついでに双眼鏡も置く。天文台というよりは観光地の展望台。
そういえば、4人に1人くらいは竹取庵の事を「展望台」と呼んでくれる。ま、いっか。とりあえず、このセットを基本にシステムを組んでみる事にした。
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巡って来た夏星座

2009年02月12日 11時00分52秒 | Weblog
竹取庵の屋根が自動で動くようになった頃、空に夏の星座が戻ってきた。みかんの丘の西には、少し離れているが大きな街がある。空にもやの掛かる夜には、かなり遅くまで街の光がもやに反射してうすぼんやりと明るい。それでも街中に比べると丘は格段に空気が澄んでいて、もやを透かして天の川を見ることができる。
広角レンズを使って、ISO感度1600、露出30秒で撮った写真がこれ。この夜は下弦の月があった。

まだ忙しくて、もやも月も無い空で撮影する時間が持てない。
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屋根は電動で…

2009年02月10日 12時23分10秒 | Weblog
僕が思い描いていた竹取庵の屋根は、もちろん手回しで汗を流しながら開くものでは無かった。しかも片方だけを引っ張る方法ではやがてゆがみが来る。そこでネットを探して安物の電動ウインチを取り付けることにした。もちろん両側に。取付金具は鉄工所が作ってくれた。お金は要らないという。嬉しい話だ。
観測デッキの縁にウインチを取り付け、有り合わせのロープを繋ぐ。ボタンを押すとかなりの騒音と共に屋根がゆっくりと開いていった。
サンダーバード。そんな言葉が頭に浮かんだ。後はこの騒音を何とかしなければ…
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架台の取り付け

2009年02月08日 11時59分57秒 | Weblog
親父が持ってきたポールに塗装して垂直に立て、コンクリートで固める。ペディスタルの上にふたをして架台を取り付けた。この架台はマウンティングという。なぜそんな名前が付いたのだろう。
架台はT社のEM-200。本当はもっと大きいものを考えていたが、予算の都合でこれになった。これでもかなり重い。太すぎるかと思ったパイプが丁度だった。EM-200は、24Vの駆動でパソコンの指示通り、高速で目標に望遠鏡を向けることが出来る。

…と説明書には書いてあった。早くやってみたい。心だけがはやる。
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一階の本床

2009年02月05日 20時17分17秒 | Weblog
二階観測デッキの整備が始まったのに平行して、一階床の工事も進み始めた。とはいっても工事をする手は一つ。二階が手詰まりになると一階に、一階が材料不足でどうにもならなくなると二階へという具合だ。
一階の本床は、シロアリ対策をした根太の上に薬剤をたっぷり浸み込ませたコンパネを張り、その上に45ミリ角の垂木を30センチ置きに並べてその上にコンパネを張るという方法をとった。コンパネは新品だが、垂木は観測デッキの仮屋根を支えていた材料を流用した。色が焼けているだけで強度に問題は無い。
この流用分で節約した材料代も馬鹿にはならない。その分進展に貢献できると言うものだ。頭の中に完成したときの部屋を思い描きながら、牛歩どころか蝸牛の歩みで作業が進む。
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届いたポール

2009年02月02日 12時51分15秒 | Weblog
屋根が出来たのを機会に、観測デッキへの機材導入を始める事にした。
かぐや姫そのものはまだ架台の設計が出来ていないが、口径28センチの黒姫のほうは市販のものを使うことにした。メーカー直営の販売店に行き、架台を注文する。それと同時に、その架台とペディスタルをつなぐポールを、鉄工所の親父に頼んでおいた。それが届いたのだ。
親父は軽々と担いで坂を上がってきたが、肉厚の鉄パイプは重量が30キロ近くある。それを何とかペディスタルの中に立てる。これから垂直出しをしてコンクリートで固める作業だ。観測デッキの整備がいよいよ始まる。気持ちが踊った。
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