宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

お開きのベール

2011年11月28日 00時42分53秒 | Weblog

木星の撮影に一生懸命になっているうちに2時間が過ぎていた。この星はこれまで。せっかく月の無い夜だ。今日は久々に星雲を狙おう。そう決めてかぐや姫を離れ、コンピューターを開いて赤道儀に火を入れた。しかし、星空シミュレーターで撮影する相手を決め、ガイド鏡のフォーカスを取っているうちに空が怪しくなってきた。地平線近くにあった雲が真上に流れてきている。気象衛星の写真を見ると、低気圧の雲がみかんの丘を覆い始めていた。
ここまでかな。空がようやく本当の暗さを取り戻し始めていただけに残念だけど。またこんな夜がきっと来るだろう。それに無茶苦茶な方法とは言え、何とかかぐや姫を使って月以外の天体を撮影することが出来た。今後のことは収めた画像を見ながら考えればいい。

疲れてるんだし、そろそろお開きだよ。空がそう言っている様に思えた。午後9時。本来ならこれからが勝負なのだが。ベールを被った星空を見渡して見る。夏の大三角が西の空に沈もうとしていた。東の空にはオリオンが身を横たえている。そうだね、もうすぐ師走。いい空になかなか会えなかった今年だけれど、撮影のノウハウだけはいろいろ仕込む事が出来た。また頑張ろう。

屋根を閉めながら考える。そろそろここにやぐら炬燵を出さなきゃ…

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木星の家族写真

2011年11月27日 01時50分17秒 | 

冬型の気圧配置が緩んで、今週は金曜の夜から晴れ間が広がっていた。久々に晴れるかな。家の用事を済ませてみかんの丘に上がった時はもう4時を回っていた。辺りがすでに暗い。今日は大工仕事は出来ないな、そのまま観測デッキに上がって竹取庵の屋根を開ける。木星がもうかなり高く上がっていた。2インチの延長チューブも手に入ったし、多少とも満足のいく写真を撮りたい。そう思いながら準備に入った。
とはいうもののかぐや姫の台座が改善されたわけではない。ふらふらする望遠鏡をなだめながらカメラの写野に木星の光芒を導く。ただ、今日はカメラ三脚をいっぱいの伸ばして望遠鏡の筒先を固定するという手を使ってみた。時間は掛かったが何とかカメラのモニターを使うことが出来る。長い長い、長い時間を掛けて何とかピントを合わせてシャッターを切ってゆく。分かったのはピントの位置が以外にシビアーだということ。拡大撮影を甘く見ていたのだろうか。

30枚ほど撮影し、もって帰って画像処理をした後で厳選した4枚を重ね合わせてみた。かなり良くなったと思うがどうだろうか。45センチの口径を考えるともっとクリアーになるような気がするが、それはこの先のお楽しみにしよう。ここから先はかぐや姫そものの調整に掛かっているような気がする。いずれにしろ過度の画像処理は好きではない。見たまんまの木星に写真がどれだけ近づけるか、それがテーマ。今のところこれが、太陽系最大の惑星のベストの家族写真だ。

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木星のある風景

2011年11月21日 00時02分02秒 | 

今週末も雨の予報が出ていた。しかし、空模様は予報よりも少し駆け足で過ぎてゆく。ひょっとするとと期待して、大きいほうのカメラを持って行った日曜日。昼間は曇りがちだったが夕方から晴れ間が広がった。これは写真が撮れるかも。期待して竹取庵の屋根を開ける。望遠鏡を外気に慣らす間下で大工仕事をして、ゆっくりと上がってみると東の空の高みに木星が輝いていた。素晴らしい風景。こんな空は久しぶりだ。ただ、天頂から西に雲が迫っている。予報が前倒しと言う事はそろそろ天気が悪くなる頃だ。
急いでカメラをかぐや姫に取り付ける。ドロチューブの延長筒はまだ届いていないが、前回月を撮った要領でやってみよう。前と同じくふらふらと動く姫の筒先に翻弄されながらカメラの写野の木星を入れる。本当にこれだけで10分以上かかる。次にピント。赤道儀に載った20センチのようにカメラのモニターを見ながらピントを追い込むことは出来ない。カメラのファインダーだけが頼りだ。
それにしても季節風が強い。望遠鏡自体も揺れるが、ファインダーの中の木星もふにゃふにゃとクラゲだ。それでも何とか20枚ほど写す。シャッタースピードは250分の1。家に帰って画像処理しようと画像を開いたら、使えるものは半分以下だった。それを重ね合わせたのがこれ。

まだピントが今一歩。なんとかカメラのモニターが使える状態に持っていかなくては。

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パッチワークの成果

2011年11月18日 00時49分40秒 | 
次の週末も雨だと言う。木星の撮影はお預けかな。仕方が無いので12日に撮影した月の写真4枚を貼り合わせる事にした。これまで主鏡の焦点にカメラを置いて撮影した画像を貼り合わせた事は有るが、拡大撮影した画像のパッチワークは初めてだ。撮影に使ったアイピースのレンズ収差が気になったが、合う所だけを繋げばいい。という訳で試してみた。それがこれ。それぞれの画像に処理を加えたうえでつなぎ合わせ、その後に再度画像調整したものだ。まあ、まずまずかな。ドロチューブの延長筒を手に入れればもう少し鮮明になると思うが、これが今のところかぐや姫による精一杯の月面だ。
画像の上からまん丸な形の「危機の海」。そして「波の海」「泡の海」と小さな黒い部分を数えて「豊かの海」に続く。この海の東端に見えるクレータは「ラングレヌス」で、さらに南に「フェンデリヌス」「ベタヴィウス」「フルネリウス」「フラウンホーファー」と並んでいる。こうして見ると月面も面白い。頑張って鮮明な映像を撮影し、そのうちうさぎ達のコロニーを暴いてやろう。楽しみだ。
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目論見はとりあえず成功かな

2011年11月15日 00時08分36秒 | 

脚立を下りて考えた。いったい何ミリ繰り出せれば良いのだろう。とりあえずアダプターをロックしている2インチスリーブを1センチ抜き出してみた。少しぐらつくが光軸のずれは画像をながめながら手で修正しよう。
そうこうしているうちにやや大きめの晴れ間がやってきた。煌々たる十七夜が全身を現わす。望遠鏡を月に向け、改めてピント出しを行った。木星と違って今度は明るくて大きい。20分ほどで大体のピント位置を掴んだが、欠けた所のほとんど無い今夜の月だ。クレーターが確認できるのは危機の海から豊かの海にかけての狭い領域しか無かった。続けて何枚か撮影。これはそのうちの1枚、ベタヴィウスのクレーター付近だ。機材が不完全だった事も有り、きっちりとピントを追い込めなかったが、まあ、思い立って始めた大型アイピースによる拡大撮影の実験はとりあえずは成功と言う事にしておこう。

それにしても、この実験の途中、月面がまるで焚火であぶった様にゆらゆらと揺らめく事が何度も有った。初めは上空の気流の乱れだと思ったが、やがてそれが自分の手から出る熱である事が分かった。かぐや姫はトラス構造だ。だから近くに熱源が有ると影響が避けられない。かと言って手持ちで撮影する方法では、自分と言う発熱体を遠ざける事は出来ないし、また新たな課題が見つかってしまった。

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ピントが来ない

2011年11月14日 00時06分06秒 | Weblog

かぐや姫は構造上水平に向ける事が出来ない。だから遠くの景色であらかじめピントを調整する事が出来ない。ピント出しはお目当ての被写体が雲間から姿を現すまでお預けだ。ダウンを着込み、コーヒーカップを抱えて待つ事1時間。ようやく雲の隙間から、太陽系随一の巨人が姿を見せ始めた。
急いで脚立に上がり、木星をカメラの視野に追い込む…とは言うものの、事はそう簡単ではない。カメラの視野はわずか10分。1度の6分の1しか無い。しかも木星が雲間で輝いている時間はせいぜい20秒から30秒だ。それを過ぎるとまた雲に隠れて何十分も出て来ないのだ。その上かぐや姫は簡易台座に載っている。望遠鏡ののロックも効かない。言うならば、細くて長い筒の中に手持ちで木星の光を入れようと言うのと同じだった。何度も何度も失敗しているうちに木星の高度は次第に高くなっていった。

終いには腹が立って、もう止めようかと思い始めた時カメラの写野をひらりと光りが横切る。やった、入れた。慎重に位置を探ってようやくファインダーのなかに木星を捉えてピントを合わせてゆく。しかし、合わない。ドロチューブを目いっぱい繰り出してもあとわずかでピントが合わないのだ。撮ってみよう。そう考えて何回かシャッターを切る。しかし、やはりピンボケはピンボケだった。

 

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撮影強行

2011年11月13日 10時33分14秒 | Weblog

拡大撮影用のアダプターを作って以降、いつまで経っても週末の空が晴れない。平日には晴れ間ものぞくが、それすらパッとしないまま低気圧を迎える。木星の衝はとっくに逃してしまった。このままでは年末になってしまうではないか。

と言う訳で、雲だらけの土曜日、久々にカメラを二つ持ってみかんの丘に出かけた。大工仕事を済ませ、観測デッキに上がると大きいほうのカメラを撮影アダプターにつないでかぐや姫に取り付けた。恐る恐る竹取庵の屋根を開けたものの、案の定星などどこにも見えない。しかし、所々に雲のほころびが有るのは分かった。待ってみるかと、1階に下りてコーヒーを入れ、それを持って観測デッキに戻る。やがて東の杉木立ちに近い空がぼんやり明るくなった。月神アルテミスのお出ましだ。これならひょっとすると一つ目の巨人木星も現れるかもしれない。

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