宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

ショーの終わり

2012年10月11日 00時04分13秒 | 

実は、アンドロメダ星雲の写真は全部で9枚撮って貼り合せるつもりでいた。星雲の周囲の様子まで高精細で写し取りたかったのだ。しかし、自動追尾のコントロールが途中でどうしても言う事を聞かなくなった。何とかだましながら後2枚は撮影したが、そこから先はシステムがコンピューターからの指示を拒否してしまう。長い間放っておいた報い。少し時間が出来たら、赤道儀を外して持って帰ろう。掃除をして油も注そう。ごめんね。


時刻は午後10時だ。空はまだ晴れ渡っていた。これで帰るのは余りにも勿体無い。かぐや姫に目を向けたが、メンテナンスは終わっているものの、簡易経緯台に載っている姫の撮影対象は、昇って来るのにまだまだ時間が有った。明日は休みだし。そうだ、日周運動を撮影しよう。観測デッキからはまだ撮っていない。そうしよう。そう決めて小さいほうのカメラにワイドレンズを付け、三脚に載せた。
何分露出できるかな。今日は空が少し明るい。カメラ感度1600、絞り6.3で10分、絞り9.0で15分露出してみる。


 


さらにカメラ感度を半分の800に落とし、絞り9.0で20分の露出を始めたとき、南西のほうから薄雲が湧き始めた。雲は10分もするとワイドレンズの写野に左のほうから侵入してくる。そう、一番上の写真だ。時刻は11時前。ショーも終わりかな。夕方の6時過ぎから5時間。ずいぶん楽しませてもらった。ありがとう、秋の星座たち。次はいつ来られるだろう。



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アンドロメダ銀河 50億年のちの加害者

2012年10月10日 00時12分31秒 | 宇宙

そうだ、今夜はアンドロメダを撮ってみよう。
初めの計画は全部白紙に戻してお隣りの銀河を狙うことにした。とは言え、アンドロメダ銀河は以前撮影している。それ以降機材が新しくなったわけでも条件が変わった訳でも無い。どうしよう。まあ、思い立ったのだし、機材のテストのつもりでやってみることにしよう。

1階の居間に下ろしていた8センチの屈折を持って上がって赤道儀に取り付け、20センチ反射にカメラを繋いでバランスを取る。バランスウェイトの軸がすっかり錆びていた。可愛そうに。観測デッキは隙間だらけ。強い海風が吹けば潮気が中まで入ってくる。それをもう何年もメンテナンス無しで使っているのだ。ごめんね。もう少し暇が出来たらチューニングする。
8センチにガイド星を導入して自動ガイドに入ろうとしたが赤道儀が言う事を聞かない。接続を確認したうえ、コネクターを差し直して再起動。今度は動く。潮風が赤道儀内の回路まで侵入して結線を侵しているようだ。やれやれ。

騙しながら撮影したが、パソコンのモニター上でもガイド星が暴れる。仕上がった写真は案の定、星像がぽってり膨らんでいた。仕方無いか。上出来とは言えないが、これが今夜のアンドロメダ星雲。次第に僕らに近づいている巨大銀河だ。そのスピードは毎秒122キロだという。今この銀河との距離はおよそ239万光年で、衝突は50億年後。衝突とはいっても、軽トラックにダンプがぶつかってくるようなものだ。優劣ははっきりしている。しかも、衝突のかなり前から、想像を絶する引力で僕らの天の川銀河は形を変えられてしまう。太陽の周りで星が次々に生まれ始め、仮に地球が形を保っていたとしても、出来たばかりの星が放つビームに地上は焼き尽くされるだろう。それとも先に年老いた太陽に飲み込まれるかな。

ふふふ、ノストラダムスも想像しなかった終末がやがてやって来る。それは西暦5000万世紀への大予言だ。ただ、この予言はけっして外れない。

 

友人とのメールの中で、ふとそんなにきれいな数字になるのだろうかという疑問がわき、改めて計算してみました。このままのスピードだと、衝突するのは正確には58億7297万4000年後です。ただ、接近するとスピードが上がるので、やっぱり50億年あまりで衝突しそうです。

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暮れゆく空の天の川

2012年10月09日 00時05分22秒 | 

空は次第に色を濃くしてゆく。それと共に頭の真上で天の川が鮮やかになって行った。光の川面に大鳥が遊び、両岸では恋人たちが、七夕の会合を終えてそれぞれの仕事に勤しんでいる。川下のさそりは黄昏のベールに身を隠していたが、それを追う射手は、姿無き獲物をちゃんと捉えて矢を番えている。

ああ、素晴らしい眺め。ほんとうに素晴らしい眺め。棒状渦巻という中途半端な形をした天の川銀河の辺境に居て、僕は今その姿を渦の中から見ている。この空の中に星は一体いくつあるんだろう。その星を回る惑星はどれほど有るんだろう。そしてそこにはどれだけの数の命が暮らしているんだろう。

僕らの天の川銀河はやがて、お隣りで堂々とした姿を見せている渦巻銀河アンドロメダと衝突するそうだ。その時この眺めはどんなふうに変わるんだろう。見てみたい。写真に撮ってみたい。その時まであと50億年。え、50億年と言えば、太陽の寿命が尽きるのもその頃だ。太陽は命のともし火が消える前に、大きく膨らんで地球を飲み込むという。その前にアンドロメダとぶつかれば、星同士の衝突は起こらなくても、すさまじい引力が巻き起こす潮汐作用や新たな星の誕生で、地球など吹き飛んでしまうだろう。いずれにしてもこの丘も竹取庵も無事には終わらない。

空のあちこちを飛行機が飛び交う。実はこの写真、午後7時20分から撮り始めたのだが、写した写真の中に光の航跡を見つけては撮り直し、あげく、午後8時前にこの写真で諦めることにした。この写真もわし座の中をはじめ3箇所に、細い光の筋や点滅光がある。自分が乗る時は窓から夜景を楽しむ飛行機も、夜空を撮影するほうに回ると飛んだ邪魔者めと勝手なことを思う。

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久々のみかんの丘

2012年10月08日 01時31分50秒 | Weblog

追い立てられるように働くうち、夏は飛ぶように過ぎ、9月もいつの間にか終わっていた。やがてこの秋二度目の連休が来る。ここで丘に上がらなければ次に何時上がれるか分からない。そう思って二つのカメラの電池を充電し、何を撮影しようかと案を練った。しかし迎えた初日はベタ曇り。こうなったら2日目には何が何でも上がらなければ。 と言う訳でやってきたみかんの丘の空は一面雲に覆われていた。


今年は忙しくてみかんの実を間引くことが出来なかった。このため表作も手伝って、どの木もたくさんの実を付けている。あれだけあった雑草も雑木も、おばさんの娘さんたちが綺麗に片づけて、枯れていたみかんの古木も処理されていた。ああ、この隙間にまた苗木を植えなければ。本当は2年物の苗木は今頃植えるのだが、今年は苗を仕入れる時間が無い。

大工仕事をするでもなく、漫然と過ごしているうちに雲が西のほうから消えて行き、日暮れを迎える頃には青空が広がっていた。

あれ、この分なら夜は晴れるぞ。あわてて観測デッキに上がり、屋根を開けて懸案だったかぐや姫のメンテナンスに掛かる。鏡を洗い、ずれた光軸を直す。それはポツポツと星が現れる頃ようやく終わった。

 

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