宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

伐採された防風林

2021年02月28日 23時25分21秒 | Weblog

竹取庵は建設に掛かってから優に20年を超えている。当時はみかん山の斜面に現れた建設中のログハウスという感じだったが、月日が経つうちにみかんの木の防風林として植えられていた周囲の杉の木が大きく育ち、影がみかんを覆うようになっていた。亡くなったおばさんも「もう肥ばぁ吸うてからに」と悪く言っていたのを憶えている。竹取庵の観測デッキから見ても、当時はっきり見えていた北極星が全く見えなくなり、冬場の月の出も撮影できない。そして、何よりも一番の見せ場だったはずの瀬戸内海が居間からは全く見えなくなってしまっていた。

もちろん僕の畑ではないし、文句を言える立場ではなかったが、おじさんおばさんの娘さん夫婦が竹取庵に木星と土星のランデブーを見に来て、杉が邪魔になっていることを実感されたようだ。ある日杉を切りたいがどうすれば良いかと相談に来た。特に要望は無いが伐採されるなら十分気を付けてと言っていたが、その後ご夫婦と弟さんで重機を使って切られたそうだ。北にそびえていた杉のカーテンがすっかり取り払われ、並んだ切株がなんとも痛々しい。一本の切株の年輪を数えてみたら50を超えていた。

その株の上に立って南を望む。確かに視界が広くなり、海もその手前の入り江もよく見える。左側の広葉樹が少し邪魔かなと贅沢なことを考えたが、そこは別の人の土地だし、お願いすれば承諾はしてくれるだろう。しかし、そこまでしてここまで育った木の命を縮めるのは竹取庵の本意ではない。

 

きょう丘に上がった一番の目的は、崩れたテラスの後始末と桁の補修の準備だった。とりあえず、テラスの有った場所の地面を均してそこにレンガで囲った小さな犬走りを作る。そしてその奥に太い柱を3本立てて桁を補強する。とりあえずそれを済ませて、下にずり下がった桁を点検してみたが、木そのものはさほど風化はしていないようだった。

まずは安心して、今度は観測デッキに上がり、スズメバチ騒動で荒れていたデッキのフロアーの工事に掛かる。以前から撮影中の暗闇で、赤道儀とデスクの上のパソコンをつなぐケーブルに足を掛けやすかった。この際そのケーブルを床の下に収納する。いわばOAフロアーだ。材料のフローリングは、かなり前に職場に出入りしていた大工さんからもらったものがある。それを使わない手はない。と言う訳で今日は床にスペーサーを入れた後、フローリングを7枚張って終了。白い所にはケーブルが入る。これが済むと壁材を張っていくが、その前に屋根と壁の間を閉じる方法も考えなければ。

しばらく休んでいた竹取庵の工事だが、また気の遠くなるような工事が再開した。僕の寿命の範囲では絶対の終わらない。それでも久々に体が心地良い。空には春霞が薄く広がり、月はほぼ満月。星の写真を撮る環境ではないので今日は日暮れとともに丘を降りた。

宇宙(そら)に続く丘ホームページ :http://taketorian.org/

コメント
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