プクプク日記 観劇 映画 落語 スポーツ観戦 読書の日々

今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

B•ワイルダーの名作「深夜の告白」

2017-07-26 10:48:42 | 日記
渋谷のシネマヴェーラ「フィルム•ノワールの世界II」で、名匠B•ワイルダーの名作「深夜の告白」観てきました。1944年の作品。が、今観ても、全く古びていないところが、名画の名画たる所以でしょう。107分間、堪能しました。
冒頭、深夜、車を蛇行させて、大怪我を負った男•ネフ(フレッド•マクマレイ)がオフィスに向かいます。ネフは、敏腕保険外交員。自分のデスクに着いたネフ、同僚の調査員キーズ(エドワード•G•ロビンソン)宛てに「深夜の告白」を始めます。それは、自分の犯した保険金殺人の告白でした。
ネフは、自分の顧客であるディートリクソン氏の自動車保険の更新のため、氏の自宅へ行き、後妻のフィリス(バーバラ•スタンウィック)と出会います。これが、全ての始まりでした。美しいフィリスに心奪われたネフ。夫婦仲が上手くいっていないというフィリスの告白に、心乱され、思わず保険金殺人を計画する羽目になります。計画は成功。が、キーズ ディートリクソン氏の娘•ローラ達が、氏の死因に不審を抱き、2人は追い込まれていきます。更に、ネフは、フィリスの恐ろしい一面を知ります。そして•••
倒叙形式で、やはり、B•ワイルダーの名作「サンセット大通り」を思わせる部分もあります。ラストシーン キーズとネフの友情は、この救いのない状況を描いた映画のなかで、一服の清涼剤となっています。

カンカン大活躍! 「七月大歌舞伎 通し狂言 駄右衛門花御所異聞」

2017-07-25 10:37:41 | 日記
日本で一番有名な5歳児と言えば 野原しんのすけですが、一番有名な4歳児はカンカンでしょう。そのカンカンが出演し、チケットは完売という「七月大歌舞伎」夜の部観てきました。演目は「通し狂言 駄右衛門花御所異聞」白浪五人男に登場する日本駄右衛門のお話。海老蔵が3役早変わりで務めることも話題になっています。
二幕途中 海老蔵のセリフで「この世では短い間だったが、来世も一緒に・・・」と妻に言うシーンがあるんですが、万感こもった感じで、私の隣のオバサンは、目頭熱くしてました。で、その感動も冷めやらぬ間に、カンカン花道から登場。観客の視線が、そちらに注がれます。セリフ言うと大拍手。「成田屋」の掛け声があちこちから。カンカン演じる白狐 秋葉大権現演じる父の元へ。舞台上色々あって、再び花道から海老蔵父子登場。3階席へ向かっての宙乗り。何事かつぶやくカンカン。再び、隣のオバサンによると「ママ」と言ってるとのこと。場内は大拍手。
いや、あんなに盛り上がった歌舞伎座 初めて見ました。カンカン 千両役者です。 

また白鵬一強時代に戻るのか? 大相撲名古屋場所千秋楽

2017-07-24 10:53:45 | 日記
名古屋場所も終了しました。碧山の頑張りで、千秋楽まで優勝争いがもつれたのは、何よりでした。にしても、今場所は「白鵬の白鵬による白鵬のための場所」という感じ。優勝40回も目前。北の湖の横綱在位場所数を抜いてトップに立つことも確定的。さらに、場所中には、日本国籍を取得して親方になるという記事も出ました。一時は、引退も近いと思われたのに、これは立派の一言です。
このところ、難敵相手には、立ち合い、やや変化して、相手の圧力を逸らすことの多い白鵬。舞の海さんの言うように「余裕がなくなってきたのでは•••」と、私も見ていましたが、北の富士さんの見立ては違いました。「この横綱は、やりたがりだからじゃないの」ということ。天下の元横綱が仰るのだから、説得力がある。また白鵬の一強時代に戻る可能性も、高いようです。
一方、本来なら、それを防ぐはずだった稀勢の里。早く万全な体調に戻って欲しいものですが、果たして、あの怪我は完治するのか? また、完治したとしても、相撲勘は戻るのか? 心配は絶えません。
幸い、貴景勝 北勝富士ら若手も登場し、宇良もいます。が、白鵬の天下が、このまま続くと、現在の相撲人気も、また下降線を描くことになるでしょう。全力士が一致団結しての「打倒白鵬!」を期待します。

内場と池乃めだかの掛け合いが面白い「FILL-IN」

2017-07-23 11:49:26 | 日記
紀伊國屋ホールで上演中の「FILL-IN〜娘のバンドに親が出る〜」です。主演は、吉本新喜劇座長の内場勝則。大王こと後藤ひろひとの作品です。
娘を事故で失くしてしまった真下幸吉(内場) 実は、幸吉 バンド活動してメジャーデビューを夢見ていた娘の花音を勘当していたのです。娘の死という 人生の中でも、そうはないショックな出来事に見舞われた幸吉ですが、なぜか涙が出ない。そこで、彼は、娘の人生を追ってみることにします。その過程で、娘がドラムを叩いていたバンドの仲間に出会った幸吉。彼女にはたちのバンドに加入することで、娘の気持ちを知ろうとします。メンバーは、娘と同世代の子ばかり。「花音のことが知りたいなら、お前がドラムを叩いて見ろ」ボーカルの葉月(相楽樹)の一言がきっかけで、幸吉のドラム修行が始まります。そして•••
こう、あらすじ書いていくと、ものすごい正調ものの作品という感じがするのですが、そこは後藤ひろひと作品ですから、そう一筋縄ではいきません。ホームレス姿の池乃めだからが登場し、きっちり笑いもとります。特に、内場とめだかの掛け合い。「保安官のロバートです」などの新喜劇でお馴染みのギャグも登場し、場を盛り上げてくれました。

藤木直人「魔都夜曲」 面白かったけど、イマイチの部分も

2017-07-22 11:26:06 | 日記
シアターコクーンで上演中の「魔都夜曲」です。主演は藤城直人。マキノノゾミ作品。舞台は、1939年の上海。
冒頭、上海のクラブのシーンから。「ル•パシフィーク」というクラブ。日本人が支配人(橋本さとし)を務め、本物のジャズが聴けると、評判の店。訪ねてきたのは白河清隆(藤木)という男。前総理を父にもつという、上流階級の人間。たまたま町で知り合った中国人兄妹の志強(小西遼生)紅花(マイコ)と一緒です。清隆は、この兄妹に、日本人には分からない本当の上海の姿を教えて貰おうというのです。
兄妹に連れられ、上海のいいところ 悪いところを見て歩く清隆。段々と、兄妹に感化されていきます。が、2人には、大きな秘密があったのです。そのことを清隆が知ったとき、彼は否応なく時代の波に飲み込まれていきます。
川島芳子 李香蘭など実在の人物も登場し、当時のいろいろな問題に迫ろうとする作品。マキノノゾミの筆も冴えてました。主演陣に負けず劣らず、村井國夫 山西惇 コング桑田 壮一帆 春風ひとみらの脇役陣も、実力派揃いで素晴らしい。唯一つ、白河清隆のあまりの善人ぶりがいかがなものか。志強兄妹の秘密を知ってさえも態度を変えず、全てを許す。私のような凡人から見れば、あまりにも浮世離れしている。かえって説得力がない感じもしました。