2000年秋に、日本介助犬アカデミー主催の「介助犬トレーナーを志す人々のために」という講座を受講したことがあります。介助犬トレーナーを目指していたわけではなく、その講座のプログラムに、ノルウェー在住のトレーナーで、「カーミングシグナル」の提唱者であるトゥーリッド・ルーガスさんの「犬のストレス学」の講習が含まれていたからです。
それ以前にルーガスさんが書いた『犬語の世界へようこそ!』という本で、犬が保険として用いるボディランゲージがあることを知り、直接講義を受けてみたかったのです。
カーム(calm)とは、動詞なら「静める、静まる」の意味。カーミングシグナルは気を静める、落ち着けるためのサインなんですね。
顔をそむける、体をそむける、鼻をなめる、伏せる、座る、静止する、おじぎのような姿勢を取る、あくびをする、間に割って入るなどなど、ルーガスさんたちが確認しているものだけでも、28~29のシグナルがあるといいます。
「これらのシグナルは早期に『事が起こること』を防ぐために用いられるものであり、人や犬から威嚇するされることを避けるため、そして不安、恐怖心、及び騒音などの不快な刺激に対する反応を和らげるために活用されたりするのです。犬がストレスや不安を感じたときに自分を落ち着かせるためにも、これを使います。
さらには周囲の者達に安心してもらうため、自分が全く敵意を抱いていないことをわかってもらうためにも、これらのシグナルは活用されているのです。つまり、他の犬や人間と友好的に接するための手段でもあるのです。」(『犬語の世界へようこそ!』より)
ルーガスさんは独特の雰囲気を持った女性でした。ノルウェーの方なのに、ネイティブアメリカンの持つ、威厳のある神々しさのようなものを感じました。講習の日は午前中、彼女から犬のストレスの原因やその見分け方、ストレスへの対応の一助となるカーミングシグナルのお話も聞け、てんかん持ちで過敏症のクリをしつけるにあたり、多いに勉強になったのでした。
犬たちがカーミングシグナルを発している、ルーガスさん監修のビデオも持っていたので、改めて見直しました。ただ、気を落ち着かせようとする犬たちの様子が延々と収録されているので、見ている間にいく度もこちらが寝入ってしまうということもあったけど…。
それからというもの、犬たちをそういった視点で観察していくと、さまざまなシグナルを発信していることに気づき、とても興味深かった。他の犬に対するクリのアプローチの仕方とブナのそれとでは異なっていたし、相手の犬によって近づき方が異なっていたり、攻撃的になるワンコ、中に割って入るワンコ、本当にそれぞれのシグナルで対処しているのが分ります。初めて会ったワンコの横で、私もよくあくびをしたものです。
しっぽを振っているからといって、歓迎しているとは限らないということも、一般には知られていなかったことですね。しっぽの振り方で、その犬の状態も把握できるのですから、カーミングシグナルは知れば知るほど面白いです。
こうして、言葉を用いないコミュニケーションを学んだことは、のちのち乳児期の姪っこを預かったときにも、とても役立ちました。
現在、学んでいるドッグマッサージセラピスト講座でも、もちろんカーミングシグナルについての講義があり、加えて「理性の器」「4F」についても学んだのですから、犬たちを見立てるツールは増えたわけです。道具は確実に利用できてこそ、その力が発揮されるのだし、知識は経験が伴って初めて智慧になるのだから、ちゃんと役立てなくっちゃネ。
大泉中央公園にて
東京都立大泉中央公園は、和光樹林公園と通りを隔てたすぐ先にある公園です。やはり米軍朝霞キャンプの跡地に造られた公園ですが、おそらく朝霞キャンプが埼玉県和光市・東京都練馬区にかかる場所にあり、その跡地を市民の憩いの場にするということで、それぞれの市町村が同じような公園を造ったのでしょう。
和光樹林公園の駐車場が8:30~なのに対して、大泉中央公園は24時間営業。どんなに朝早くても駐車できるので、今朝は3頭を連れて行ってみました。
開放感のある河川敷のグランドや土手道は、へこんだ気持ちを立て直すときや気力を補充するには最適なのですが、静かに考え事をしたいときは森の中を歩くのがいいんですね。ここのところ森に足が向くのは、自覚はなくても自身が内観を必要としているからかも…。いずれにせよ、樹林を歩くのは気持ちいいですね。
野鳥の森に続く道
水の広場、四季の広場、陽だまりの広場、アスレチック、砂場、野鳥の森、400mトラックのある多目的広場、野球場など、散策やジャギング、ウォーキングにも最適な公園です。駐車場は一か所で、駐車可能台数は樹林公園より少なく70台程度。1時間200円。