今日は午後、イタリアン・グレーハウンドのアンジーのお宅にお邪魔しました。イギリス・ビクトリア王朝はじめ、ヨーロッパの王室で人気があったというだけあって、優雅で気品があり、うちのワンコたちとは大違い! 氏より育ちかしら…。
サイトハウンドの中ではもっとも小さい犬種で、骨もか細い。私のようなガサツ者では、「ポキン」なんてこともありそうなくらい。
山と渓谷社の『世界の犬図鑑』を読んでいたら、イタリアン・グレーハウンドの解説に「家族には愛情深く、一緒に遊びたがるが、見知らぬ人には内気になる。言動に対しては非常に神経質なので、言葉づかいは慎重に。この犬はべたべたと抱かれたり、過度に可愛がられるよりも、暖かく快適な場所で休むことを好む」と書いてありましたが、これにはちょっと笑ってしまいました。
だって、たいていの犬は、いや人間だって「暖かく快適な場所で休むことを好む」でしょ。それをベタベタと抱かれること、過度に可愛がられることの比較対象として語るのが面白いなぁと思って…。
逆に、べたべたと抱かれることを好むのはどの犬種かしら。
えっ、うちのブナ? う~ん、ブナはベタベタされるのは好きだけど、べたべたと抱かれるのはどうかなぁ。でも、過度に可愛がられることは好むかも…。暖かく快適な場所で休むことと、どっちが好きかなぁ?
それから、「神経質なので、言葉づかいは慎重に」というアドバイスも、なかなか面白いでしょ。でも、まぁ、どの犬にも言葉づかいは慎重にしたほうがいいですよね。
と、振り返ると…、内気なアンジーのイヤなことばかりしてきちゃったかも…。ごめんなさいネ、アンジー。
以前書いたMFAジャパンのメディック・ファースト・エイド(応急手当)の講習では、まず急病の人や事故現場に近づく場合の重要項目から身につけていくのですが、そのなかに「PROTECT SELF & PATIENT」(自分と患者を守る)が挙げられています。
何かというと、バリア=保護具を使用することによって、それ以上の危険を予防するというもの。なので、教材の中にはマウス・ツゥ・マウス用のバリアと医療用ゴム手袋が入っていました。
マウス・ツゥ・マウス用のバリアというのは、人工呼吸の際に使う逆流防止弁付きの器具で、これがあれば直接患者の口に口を付けずに息を吹き込むことができます。見ず知らずの人の口に直接口をと付けるというのは、緊急時とはいえ、やっぱり躊躇するものだもの。もし持っていない場合は、ガーゼやハンカチを代用することも可能ですが、この人工呼吸用補助具「レサコ」は、楽天ショップなどで1個380円くらいで手に入ります。ハンカチより安いんじゃない?
もうひとつ大事なバリアはゴム手袋。人工呼吸用補助具ならすぐに納得できると思うけど、ゴム手袋?って感じでしょ。私も最初は「大仰だなあ」と思いました。でもMFAジャパンでは、応急手当中と事後の感染予防措置を徹底して教えるんですね。すべての患者がHIV、肝炎、その他の血液媒体病原体の持ち主であることを仮定して接しなさいという。
人工呼吸器用バリアなら実感として分るけど、ゴム手袋は何となく実感できませんよね。が、しかし! 先日起きた秋葉原通り魔事件で、実際に被害者の中にB型肝炎の方がいて、事後、処置に当たった人たちへの注意報道を聞き、「ああ、やっぱりこういうことがあるんだ!」と、その重要性が現実味を帯びて迫り、深く納得しました。
緊急の現場で、手際よくバリア類をカバンから出して身に着けることは、なかなか容易なことじゃないけど、自分だけでなく、自分が接するほかの患者、自分の家族も守るということを考えれば、バリア類の装着は重要なことですね。ゴム手袋がなかったら、ビニール袋やレジ袋でもいいから代用しなさいと言われましたよ。バリアを外す際の方法も徹底して教えられましたもの。ホント、重要なことだったんだなあ。
で、カバンに放り込んだままになっていた自分のバリア類(レサコとゴム手袋が入っている)ポーチを確認したら、ゴム手袋は経年変化でくっついておりました。いざというときに役に立たないと困るので、新しいものに交換しておかなくちゃね。