小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

人はなぜ動物に癒されるのか

2008-06-20 | 犬&猫との暮らし


 ネットで調べ物をしていたら、ふとした拍子に昨年、アレン・M・ショーン博士が来日し、講演したことを知りました。あぁぁぁ…、残念! それを知らなかったことが悔やまれます。

 アレン・M・ショーン博士は動物鍼治療のパイオニアで、NYアニマルメディカルセンターの顧問獣医師。そして『人はなぜ動物に癒されるのか』の著者です。初版が出版されたのが2001年。確か新聞で新刊案内を目にして、面白そうだったのですぐ購入しました。予想通り大変興味深い内容でした。
「動物と暮らすことは、心あるいはからだの健康を必ずしも保証するものではない。それは人にとっても動物にとっても言えることである。重要なのは関係の質である。」
「動物に対する最高のヘルスケアの第一歩は、健康を管理する上でどのような選択肢があるかを知ることである。」
 といった文章に、私は心を動かされました。多くのページの耳が折ってあり、また至る所に赤ペンで棒線が引いてあります。

 この本でショーン博士が、私が好きだった『犬マッサージ』の著者、マイケル・W・フォックス博士と親友であることを知り、とても嬉しくなったことも思い出されました。フォックス博士は『イヌのこころがわかる本』『ネコのこころがわかる本』の著者としても有名な動物学者であり、米国動物愛護協会の副会長も務めている著名人です。私はフォックス博士の動物への眼差しがとても好きでした。
 ショーン博士がフォックス博士について「彼は食肉を供する目的でブタのような動物を処分する際、人間はもっと人道的な方法を確立すべきだと教授の一人に言ったことがある」と書いていた箇所も心に残り、のちに出会う『動物感覚-アニマル・マインドを読み解く』への伏線となったのでした。

    
   

 『動物感覚-アニマル・マインドを読み解く』の著者は、アスペルガー症候群の動物科学者、テンプル・グランディン女史。彼女は自閉症の加圧療法の開発をするとともに、畜産動物の生活の質の向上に尽力し、人道的な食肉処理システムを設計した人物です。彼女の提案したシステムはアメリカのフォストフード業界に多大な影響を与えました。自閉症患者の独特な感性から動物の行動を捉えていくさまも斬新で、惹かれました。

 これらの書物から、犬に限らず、人と関わる動物をどう見ていくか、人道的な視点とはどういったものか、アニマルヘルスケアをどう考えるかを、手探りながら学んだ気がします。 

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トチの娘の家へ

2008-06-20 | アニマル・ケア

                   ほたる、久しぶり!  
 今日は、トチの娘、ブナの姉妹犬を差し上げた岡田清美さん宅を訪ねました。6年ぶりの再会かしら。先住犬でトチと同じ13歳のノエルが、4月に突発性老齢性前庭障害になったので、どうしても事後のこりをほぐしてあげたかったのです。
               
                     13歳のノエル
 自分の家から出た犬を賛美するのも何ですが(まあ、私が産んだわけじゃないので、許していただくとして)、ほたるのなんと美人であることか! あのつぶらで大きな瞳に見上げられると、きゅんとしちゃう。イエローのラブは目がぱっちりと大きく見えて(実際、ブナより大きいと思う)可愛い!
          
                    つぶらな瞳のほたる
 ノエルが前庭障害になり、あまり激しい運動をしなくなったことから、10歳のほたるもそれに合わせて、運動量が減ったとのこと。それでも、少し前まで、フリスビーもボールの持来もバリバリやっていたので、筋肉がしっかりしていました。
 ノエルには特に念転した首筋のほぐし、全身の皮膚をゆるめるマッサージのほか、全身に意識を向けるため伸縮性の平ゴム・バンデージを巻いたり、腰をほぐすハインドリフトという施術をしました。
 ほたるにも後ろ脚にウェーブモーションという意識喚起を…。2頭とも大人しくしていてくれたので、たっぷり触れて、うれしかった! 

 四肢をちゃんと意識できるようにと、足にはめるパイル地のゴムを清美さんに渡してきたし、こうして写真を見ながら改めて思うに、身体のどこに意識を向けたほうがよいか、分かるようになったことや、それに見合ったことをしてあげられたことがちょっとうれしい。ノエルとほたるが少しでも楽になってくれたら、すっごくうれしい!

 清美さんとは、自分たちの犬への接し方で爆笑したり、とんでもない食糞の話で盛り上がったり、動物愛護センターで過ごす悲惨な犬たちの写真に涙ぐんだり、まぁ、喜怒哀楽の激しい、そして楽しい時間を過ごしました。あれよあれよと時が流れ、それでも「まだ足りぬ」と言い合いながら、帰路に着いたのでした。

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