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ドゲルバン病の手術体験記。(3)

2023年04月06日 | 健康
ドゲルバン病の手術体験記。(3)


手術当日。

指定された時間に間に合うように出かける。


不思議なことだが前日からほとんど痛みが出ていない。

どうしようかな、このまま痛みが引いてしまうなら手術をキャンセルしようかな、などなど思い悩んだ。


だが手を動かすと刺すような痛みが走る。


シャツのボタンを留めることさえ痛みで出来ないのだ、左手だけでは日常生活がほとんど出来ないのだ。

やはり手術するしかないなあ、と覚悟を決めた。


病院に着くと看護師さんが病院着に着替えてくださいと言う。

ばね指の手術では手の部分だけだったのであの時は着替えずに済んだのだった。

病院着に着替えて手術室に入る。

この手術室は2度目だ、手術担当の看護師さんが血圧計、点滴を手際よく付けてくれる。

「あら!血圧が149もありますよ。」

わたしは小心者なので緊張しやすいのだ、それで血圧が高くなっていたようだ。

ドクターが入ってきて右脇下に麻酔薬の注射をする。

これが伝達麻酔らしい、その後麻酔が効いてくるまで20分ほどそのままの姿勢で待つ。


暇なので看護師さんと少しだけ話をする。

55年ほど前にこの病院で盲腸の手術を受けたこと、当時の手術室はタイル張りでまるでお風呂場のようだったとか雑談をしているとドクターが入ってきた。

こんどは手術する右手首に局部麻酔の注射をする。
注射の針がチクッとするのがわかる。

追加の麻酔を注射したらなにも感じなくなった。

手術をされているんだなというのはわかるが右腕はまったく感覚が無い。
ただじっと待っているしかない。

しばらくするとグリッ、グリッという感触がある。
おそらく出っ張った骨を削っているのだろう。

歯医者で歯を抜く時の感触に近い、麻酔が効いているのに重苦しい痛みのようなものを感じる。

手術時間は30分と聞いていたが、最初の麻酔からだと50分ほどかかって手術は終了。
ドクターは無口なタイプらしく終わるとそのまま出て行った。

ドクターとの会話を楽しみに来ているわけではないけれど、どんな状況なのか一言聞きたかったな。


ばね指の手術の時は手術後1時間ほど横になって様子を見たのだが、今回は終わるとすぐに着替えをした。
右手はまったく動かせないので包帯で釣ることになる。

ほんとうに右腕はぶらんぶらんとしていて、自分の意思で動かすことはできないのだ。
右手首から先ははパンパンに腫れている。
触ってもまったく感覚がなくて、まるで大根を右肩からぶら下げているように感じるのだった。

シャツを着るのも左手だけで無理だったので看護師さんに手伝ってもらって着替えを終える。

着替えたらそのまま会計へと歩いていく。

思い出すと左手のばね指手術の時は手術台から車椅子で移動したはず、あれより軽い手術だったのかなあ。
大手術ではないけれどちょっとあっけない感じ。

会計で財布を出そうとするのだが左手だけだと、とんでもなく困難だ。
見かねた会計の人が手伝いましょうかと声をかけてくれた。

会計を済ませ薬局で薬を受け取ってから帰宅したが、このあたりから麻酔が切れだしたようで痛みが出てきた。

今日は入浴もシャワーも出来ない。

片手では顔を洗うことも歯磨きもままならないのだ。
着替えさえも出来なかったのでそのまま寝てしまう。

この日は痛みでよく眠れなかった。

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