“文化系”と“理科系”という言葉、よく聞く言葉である。例えば、普通科の高校であれば、文化系クラスや理科系クラスなどである。これは血液型に見られるA型とO型の違いと同じように、そのような傾向が強いということであり絶対的なものではない。
すなわち、国語と算数、囲碁と将棋のように、アナログ型とデジタル型の違いといっても良いと思う。
私は囲碁が好きである。囲碁はどちらかと言えば女性的でアナログ型で、将棋は男性的でデジタル型であると思う。将棋は“王手飛車取り”で殺すか殺されるかのゲームであるが、囲碁は石を取られても地の大きさを競うゲームで優しさがある。だから、囲碁の女性人口は、将棋をする女性よりも極端に多いと思われる。
アナログとは、「analog」をカタカナで置き換えた言葉で、その意味は「データを連続的に変化する量を表わすメカニズム。デジタルは英語の「digital」からきており、「連続的な量を段階的に区切って数字で表わすメカニズムで、デジタル時計やデジタル記号などのように使われる。
この違いをもっと分かり易く言えば、「坂道」と「階段」の違いといって良いだろう。
坂道の高さは、ある程度の高さしか分からないが、階段であれば正確に分かる。このはっきり出来ることが、デジタルとアナログの違いである。歳を取ると、「あれ」とか「その」という言葉を使うことが多くなるのは、人間は忘れやすくアナログ的であるからだ。だから、歳を取るとCDよりカセットテープの方が良いのである。
政府はこのデジタルに対して、デジタル庁を2021年(令和3年)9月1日に設置する予定である。 国・地方行政のIT化やデジタルの推進を目的としており、国全体で約2500億円のデジタル投資が見込まれるという。
ところで話は変わるが、社会科学は経済学・歴史学・政治学など社会現象を研究する学問で、自然科学は、物理学・化学・生物学など自然現象を研究する学問である。この二つの学問もアナログとデジタルの違いといって良い。
経済学には正解がなく、ひと昔前は理論や法則に考えられていたものが、現在では全く通用しないものもある。例えば、“現代貨幣理論(MMT)”は理論としてあるが、国々より事情があるので、全ての国の金融政策に効果を発揮するかどうかは分からない。
資本論を書いたマルクスは,共産主義革命は資本主義経済の最も進んだ国で起こるものだとし,資本主義社会から社会主義社会、そして共産主義社会と進むことは歴史的必然であると言った。共産主義社会では,生産手段を国家が所有し生産と消費を進めて恐慌も不況も起こらないし、資本家と労働者の階級闘争もない社会であると言ったが、ソ連を振り返るとそうでもない。
一方、資本主義は、ヒト・モノ・カネなどの経営資源が適切に配分されるという論理によって規制緩和し、市場原理を導入する。そして、貧富の拡大を生まないような公平な所得再分配を実現するためには、民主主義的な政治メカニズムが働く必要があるという。
しかし今の日本を見ると、忖度や貧富の拡大などにより、逆の方向に動いているようで、一層“引きこもり“や”自殺者“が増えているという。この日本、何とかならないものだろうか。“変わる時代、変えるスタイル、未来志向”である。
「十勝の活性化を考える会」会長
注)現代貨幣理論
現代貨幣理論(略称:MMT)とは、ケインズ経済学・ポストケインズ派経済学の流れを汲むマクロ経済学理論の一つである。
MMTの特に大きな特徴は、貨幣の起源や制度に焦点を当て、管理通貨制度の下で政府が独自に法定通貨を発行している国家を前提としている点である。
政府に通貨発行権があれば、政府の意思に基づき通貨発行による支出が可能である。政府が通貨発行で支出可能なのだから、財源のために税を集めるという理屈は成立しない。このMMTの見解は、政府の財源を税と債券発行によって先買権的に調達すべきであるとする主流派経済学の見方に挑戦するものである。
そして自国通貨建てであれば政府債務がどれだけ増加しても、政府は通貨発行で当該債務の償還が可能なため債務不履行(デフォルト)には陥らない。この構造によって政府債務の償還能力に対する市場の信認も磐石なため、政府債務の拡大が信用不安につながることもない。
したがって、適切な財政収支は税収や自国通貨建ての債務の大きさとは無関係であり、常に足元の国民経済の状態に左右される。ゆえに政府は税収や債務残高にとらわれず支出や減税が可能であり、それにあたっての制約は供給能力(インフレ制約)であると、MMTは主張する。
また、MMTは無税国家が可能であると主張しているわけではない。自国通貨を発行する国にとって税は財源確保の手段ではなく、法定通貨での納税義務を国民や企業に課すことで、法定通貨の基盤的な通用力と流動性を確保し、さらに経済の調整弁として貨幣を回収することによってインフレ率や格差を調整するための手段であると、MMTは主張する。
MMTは、自国通貨を発行することができる政府について、主に以下のように説明する。
1.徴税や国債の発行による財源を確保する必要なしに、支出することができる。
2.自国通貨建ての債務で債務不履行(デフォルト)を強制されることはない。
3.経済の実物的な資源(労働、資本、資源)の利用が限界に達した場合に発生する、インフレ率の上昇が財政の制約である。
4.徴税で貨幣を経済から取り除くことで、ディマンドプルインフレーション(需要インフレ)の抑制が可能である(ただし、それを実行する政治的意思が常にあるとは限らない)。
5.国債の発行が民間部門の資金を締め出すことはない(クラウディングアウトは起こらない)。
(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)