昼行灯(だった)トキの大雑把なひとりごと

クレヨンしんちゃんよりもユルく生きていた(当面過去系)私の備忘録と、大雑把なひとりごと。時々細かく語ることも。

川越美和について

2022-01-07 23:16:27 | Weblog
シティポップの流れは、主に林哲司を介して、私の中で80年代アイドルポップスと繋がっている。先日の記事で書いた川越美和「ココロの鍵」も、初期麗美のように切ない系の名曲である。
川越美和は、今世紀になって、その悲しい最期が同期の中江有里によって明かされた。アルコール依存症の果ての孤独死。そのことを含め、彼女のことをどれほどの人が覚えているだろうか。

私のようなアイドルオタクでなければ、当時からあまり気にもしていなかったのではないか。アイドルの人気がおニャン子後の凋落期にあり、その売り出し方は、見たままのジェネリックゴクミとしてだったし、その歌唱力までが本家ゴクミ同様であった。ハスキーすぎて歌唱に向いていない声質が共通していた。それでも、「女神の瞳」などの名曲を残している。
それにしても、そこそこ活躍していたはずなのに、その最期は哀しすぎる。驚いたのは、かの岩井志麻子先生が、彼女のことをインタビューで取り上げていたことだ。
誰だって、ちょっとした世界線のズレで、川越美和のように、華やかな世界から一気に人生が変わってしまうことがある。あなたも私もそうだったかもしれない。志麻子先生が、川越美和について知っていて、活躍していた頃を覚えていて、その人生のありようを語り、常に気に掛けていることが、かなり意外だった。もっとも、ああいう風にタフな女の人生を歩んできた表現者というものは、川越美和についてやはり色々物思うところが出てくるものなのかもしれない。

そうして、今日も私は、iPhoneで「ココロの鍵」を聴く。

デビュー当時の麗美

2022-01-07 00:10:59 | Weblog
12万円もするラジカセを買ってもらった小5の秋から、地元AMラジオやオールナイトニッポンなどを聴き始めた。
その中でシティポップに出会っていくことになる。麗美はそうして出会った歌手の一人。ユーミンの秘蔵っ子としてデビューし、地元番組「ラジ電」で流されたデビュー曲「愛にdesperate」、「ジャンボリクエストAMO」(放送が日曜深夜という嫌がらせのような時間帯!)にゲストで来てプロモしていったセカンドシングル「青春のリグレット」は、いずれも松任谷夫妻プロデュースで、両曲とも声色から何からユーミンの誇張モノマネのように似ていた。


どちらの曲も「切ない系」である。「愛にdesperate」は5年後くらいにあの西村知美がカバーする(意外とハマっている)が、アレンジが違う。サビのメロディを奏でる鮮烈なフォルテのピアノからイントロが入る(このアレンジも新川博!)。麗美のは、もっと静かでローテンションなシンセサウンドから曲が始まる。
「青春のリグレット」は、のちにユーミン版を聞いて驚いた。なにこのポップな軽い感じ。麗美のは重厚なストリングスのソロから入り、ひたすら切なさと寂しさに全振りしたアレンジ。私にとっては麗美版こそが正調「青春のリグレット」である。

切なく物悲しい女性シンガーの曲(例えば森高千里「Alone」)が好きになったのには、こうした原体験がある。薬師丸ひろ子「メイン・テーマ」あたりも影響している。ユーミンならズンドコ昭和特撮大作さよならジュピター主題歌「voyage〜日付のない墓標」(最近庵野がパロったアレ)のイントロのシンセの音や、「不思議な体験」の全体を包むメロウな感じもそう。ユーミン版青春のリグレットとvoyageと不思議な体験は、当時のAMラジオエアチェック音源を持っているが、配信版を購入してしまった。40年越しの原曲視聴である。


 で、やはり物足りない。しかし麗美版2曲はデジタル音源としてして配信されていない。忸怩たる思いでいたが、ベストCDがAmazonにあり購入してしまった。初期2曲以外は知らず正直興味もないが、あの物悲しく寂しい、私のメランコリー気質に合う2曲をフルで聴けるのは楽しみである。CDは予定では本日着。