身体の左半分にヘルペスが出たりと、心身の疲労が溜まってきた。
こんなときは無理矢理にでも気分転換するに限る。
今回は、担々麺について希求する2件を選んでみた。
まずは東京、これまで銀座はしごや、新宿サブナードの秀山などに行った。
行列に並ぶのは嫌いなのと、割と胡麻濃厚系で細麺というニッチなのが好きなので、希須林とか有名どころには行かず。
それと、通し営業しているところがいい。
今回選んだのは四谷にある京紫灯花繚乱。
ゴマ濃厚系が好きなのと、ネットで辛さより痺れと香り重視とあり、興味があった。
店を探してしばし近辺をうろうろ。
こういう時間が、実は「ストレス源以外のことを強制的に考えざるを得ない」時間になり、ストレス解消になる。
土地勘がないので方向が分からず、行きつ戻りつしてようやく発見。
砕いた落花生がトッピングされている。
スープを飲むと、確かに辛さはさほどでもない。
あんまり辛いと最近は汗ばかり出るので、これは有り難かった。
そして、自分好みの細麺。
実にいい味だった。
次に行ったのは、東日本大震災最大の被災地、石巻市にある「揚子江」。
ここは、実は自分が「担々麺」というものを初めて食べた店である。
ここで「こんなンマーイものがあったのか!」と感激し、担々麺好きになった。
およそ20年前、仕事で石巻市に出張したときの昼食での出来事である。
いわば自分の担々麺の「原体験」の店だ。
そこに再訪。
当然、この店も被災したが、ちゃんと再開している。
自分の記憶にある店構えと少々異なるので、被災後に建て直したのかもしれない。
メニューを見る。ランチタイムから引き続きである担々麺とチャーハン等のセットがお得であるが、あんまりガッツリ食べるつもりがなかったので、単品で「麻婆担々麺」を注文。
ソウルフード再訪的には普通の「担々麺」を選ぶべきなのだろうが、絹さやトッピングだけだと寂しかったのでこちらにした。
食べてみる。しかし20年経っているので、当時との比較はできない。
最初の一口で、結構酸味が来る。しかし、カドのない酸味で、しかも後を引かない。
すぐに辛さや旨味が口の中を支配する。
すりゴマや芝麻醬の濃厚さはない。油の濃厚さと香り、辛さが際立つ。
そして、ラーメン店ではなく中華料理店特有の多加水細麺がとても美味い。
スープは、あえて言えばはしごのそれに近いと感じた。トラディショナルな担々麺スープなのだろう。
原体験を振り返ると、今の自分が濃厚胡麻が好きになったのは、やはり「桃源花」の影響が大きいのだと思う。
勿論、今回の2店もとても美味しい担々麺を出してくれた。それぞれ個性があって素晴らしい。
最後に、最近食べた「伊達いわな」の写真。
宮城特産、三倍体で性成熟を経ないため大きくなる。
食べてみると白身魚のようにあっさりしている。臭みもない。
驚くのが薬味を加えたとき。薬味の香りに味が負けないのである。
これといって特徴のある味ではないのだが、その味が全く背景に退かない。そこに驚いた。
しっとりとした舌触りで、上品な味。なかなに面白い食材であった。
これは近所にあるうなぎ屋「竹亭」で出されたもの。近所でこういうレアな食べ物を頂けるのは有り難い。