シモキタのtokyoboy

下北沢に居を構える初老オジのエクスサイズ、呑み歩き、美術館巡りなどの備忘録生活記録ブログ、含む膝蓋骨骨折リハビリ記録。

代田5-3の稲荷神

2010-03-12 | 近所のランドマーク

P2070037

下北沢と世田谷代田駅の間、跨線橋北側にあるお稲荷様です。

立派なお屋敷に隣接しています。

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映画「カラヴァッジョ/天才画家の光と影」と時代背景

2010-03-12 | うんちく・小ネタ

Head_003 左は最近見た表件映画のポスターの一部です。

イタリア、バロック絵画の先駆者、「カラヴァッジョ」については本ブログでも記事をアップしていますが、その際言及した映画に行って来た、ということで久し振りの映画館でした。

訪問したのは銀座テアトルシネマ。ホテル西洋銀座と同じ建物、ミニ・シアターですね。3F、5Fがそれぞれ300人とは入れない箱はほぼ満席、お客さんの殆どがイタリア好きと思われる(かなりの平均年齢の)オバサマ達でした tokyoboyでまだ若手ね…^^;

Caravaggio1 (左は映画中で最も気になった”聖マタイの召命”)

映画の中で紹介したい名画が山ほどあるので、あれもこれもとエピソードが飛び、何となくとりとめのない印象を持ちましたが、カラヴァッジョを演ずる主演アレッシオ・ボーニは日本には居ない”男”、”セクシーさ”、”狂気”みたいなものを全編醸し出していました。オバにはゾクゾク楽しかったことでしょう。

絵の才能故に守られ、疎んざれ、でも没後400年を経てシルクロードの反対側日本でこんな観客を集められる、というのはやっぱり凄いなあ…

***************

と一旦記事を完成、改めてこの映画の背景のチェックを行ったら?な点が。備忘録ブログの発進です。

映画の中で、カラヴァッジョの死刑判決を覆すため法王に近い枢機卿、多分”ボルゲーゼ枢機卿、そう、あのボルゲーゼ美術館を作り上げた人、にカラヴァッジョの描いた”聖カタリナ”のモデルになった娼婦がアプローチ、色気で口説いて彼をして”渋る”法王から恩赦を勝ち取る、というシーンが出て来ます。

これって変でしょ、枢機卿はカトリックの聖職者であり、女性と関わってはいけない筈…

でも我々は常識として、そんなの絶対ではない、と知っており、その背景として所謂”ルネッサンス教皇”で総称されるルネッサンス時代の教皇及びそのスタッフである枢機卿の”ご乱行”という歴史的事実があります。歴史的に有名なイタリア、フィレンツェのメディチ家やスペインの貴族ボルジア家など名門貴族が実効カトリックを支配していた時代です。

tokyoboy最近お気に入りの作家「佐藤亜紀」さんの小説の一つ「鏡の影」でこの辺りの時代背景を読んだばかりなのでちょっと書き込むと:

歴史の流れを考えると、このルネッサンス期のカトリック堕落はマルティン・ルターに代表される宗教改革(1517~)を招き、結果ローマはドイツ軍に略奪(1527)され、恐らくこの映画の主な舞台となっている1600~1610年頃は1598年ナントの勅令などかなりローマ教皇グループの力が落ちていた時代で、自浄作用も結構出て来た時代だと思うのです

でも映画内では信教の自由を訴える聖職者が火炙りの刑に処せられていましたし、まあ一旦落ちた枢機卿たちは未だ生き延びていた、ということで正しい時代考証なのかなあ…

で、元々シエナの貴族だったボルゲーゼ家について英語のWikiに入ると、”The head of the family, Marcantonio I, moved to Rome in the 16th century and there, following the election (1605) of his son Camillo Borghese as Pope Paul V who was an unabashed nepotist, they rose in power and wealth.”とありました。成程ね未だ力があったどころではない…身内優先の"nepotism"。

Borgheze_3  うん、ちなみにこいつ”Cardinal Scipione Borghese (1576?1633): artistic patron of Bernini and nephew of Pope Paul V” が娼婦に落とされたスケベ親父だ。しかもBerniniのパトロンだったことから、映画の1シーン、”彫刻と絵画、どっちが優れた芸術か?”みたいな会話が出て来たんですね。

「ボルゲーゼ展」にはこの彫像も出展されていたんで、見る前に映画を見ていたら、ぜんぜん違う印象を受けたかも^^

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