石岡瑛子 風姿花伝 １９８３年刊

私がこの作品集を手に入れたのは、もうだいぶ前だけど、
びっくりしたのが、こんなにデカイ本だったのか、ということ。
それに重い。

ゆうに３ｋｇくらいあるのでは？
片手で持つことができない。
もちろん縦横もでかい。

値段もすごい。定価は１８０００円と書いてある。
たぶん、今も手に入る。

まず開けると、
真っ赤っかな内表紙。
そして目次。

それから各界の石岡さんに関わった方々１６人のメッセージ。
その一番が「黒澤明」
そして「五木寛之」と続きます。
芸術関係の著名人から絶大な賛美を浴びて
それが作品を見ると、いちいち頷いてしまう、そんな石岡さんです。

そして最初の作品は
フランシス・フォード・コっポラ「地獄の黙示録」
このポスターの異様な雰囲気が怖くて
惹きつけられたのを覚えている。

その次は白塗りの京劇の格好をした子供たち。
これが大変不気味。
いや、何故こんな・・、といちいちぶっ飛びなんである。


作品ごとに目を奪われないものはない、というか、
何度見ても目をまん丸にして驚いてしまう。
これだけの才能を持った人がいるんだろうか？
何の気なしに見ていたPARCOのCMが
いつの間にか、新作を待ち焦がれるようになったのは
石岡さんの仕業だったか。

写真、イラスト、コピーが大胆に組み合わされていて
石岡さんの妥協ない仕事ぶりが
私たち一般人にも伝わってくるようだ。

もちろんジュリーのPARCO　TV、ポスター、水の皮膚の作品もたっぷりある。

それから、最後には作品のひとつひとつの解説。
石岡さん自身の言葉で書いてある解説はとても興味深い。
広告ってこんなふうに作られて行くんだな・・と
単なる興味本位に過ぎないかもしれないけど、
私にとってはとても勉強になる言葉の数々が書いてある。

そして年表。
この本に関係したすべての人の名前。
ほんとの最後には、長い長い石岡さんのあとがきが。
その頃の石岡さんの写真もあるが、とても美しい人だ。

こんなすごい作品を生み続けていた人がこんなに若かったなんて。
この時４５歳。

この本を出したころは、すでにニューヨークを拠点にグローバルに活躍していた。

ほんとにすごい人だったんだなーと改めて思う。

映画や舞台にかかわる美術、イラスト、アート、演出、広告
そういった芸術関係全てに係わる人たちのバイブルになっているような本なのではないかな～。
とにかく見応えのある本なので
文章だけで申し訳ないですがご紹介しました。(#^.^#)