教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

引き算も考える

2014-05-27 | 音楽的アドバイス

演奏や音作りなどの色んな場面で「引き算」と言うのも頭に入れて

おくことも大切である。

EQなんかもどうしてもブースト方向にやりたくなるが、足りないところを足す、と

言う考えと同時に、どこか削ったらどうなるかな?ってことも考えると新しい

発見があることもある。

低域が足りないなと思ったときに、ローをブーストして、気に入ればOKだけど、

どうもブーミーになってぼやけるだけ・・・ってなった場合に、ローはいじらずに、

500~800hzあたりを一か所大目に下げてみる。そうすると相対的に引き締まった

ローが浮き上がってくるときがある。

 

ライブ時のモニターにも同じようなことが言えて、スマートな人は(笑)、よく考えている。

モニターから何が返っているか良く考えて、また、生音で何が聞こえているかも考えて

必要な物と下げたいものを考える。一番よくあるのが「ボーカル」。

ボーカル以外の人は歌声が聞こえ過ぎるとどうも演奏しにくいらしく、「ボーカルを下げて」

って注文も結構多い。これは賢明である。ここで、「何々を上げて」ってやってしまうと、

「次はアレを上げて」ってなり「その次はアレを上げて・・・その次は・・・」となり、収拾が

つかなくなる恐れがある。

一番邪魔だなと思ったものだけを下げるのが得策な場合が多い。

逆に欠けている物が一つならそれをもらえばいい。「ちょっと足りないけど、演奏に支障は

ないか・・・」って物は思い切って捨てた方がいい場合もある。他人のコーラスとか(笑)。

それより「これはないとマズイ」って物だけを死守することに専念した方がいい。

 

またPAに関しては、店の管轄にもなるので、あまり口出しはしない方がいい場合の

方が多いけど、自分たちが思っているのとあまりに違っていたら、良く考えてPAエンジニア

さんと話しあおう。

また、立ち位置によっても大分変るので、ステージを降りて最前列の聞こえ方と、中央、

後方とではどうしても違ってしまうことも考慮に入れて聞くようにしよう。

そして例えば、ギターの音量が少し小さいなって感じた場合、なぜそうなのかも考えてみると

意味がわかったりする。普通は大抵どの楽器よりボーカルが最優先する。

そのボーカルを聞こえさすためにギターが小さ目に押さえられている可能性も有る。

どうしても周波数特性が似ているギターは一番ボーカルに影響するので、どうしても

音量、音質は神経質にならざるを得ない。

 

また、ボーカルが非力だったら、音量を上げて対処すれば?って疑問も当然出てくる

わけなんだけど、これは色々な理由で難しいから、ギターを下げている、ってことなんだ。

当然限界までボーカルレベルは上げている。なぜそれ以上上げられないかと言うと、

マイクの感度を上げれば上げるほど、ステージ上の生演奏やドラムの生音も拾う。

また、PAスピーカーの音も回り込んでボーカルマイクに入ってしまう。

その状態でボーカルマイクを上げるとハウリングと言うみんなも良く知っているあのイヤな

現象が起きてしまうので、その辺を見極めながら色んな楽器の音量を決めなければいけない

ので、そのような外音になっている、と言うわけ。

ハウる周波数をいくら切っても限界はあるからね。

 

だから、外音に疑問があっても、何かバンド側に問題がある可能性もあるので、その辺も

一度バンドメンバーで考えてみるといいかもね。