「TOSHIさんはバンドやってたんですか?」とか「演奏するんですか?」など
たまに聞かれるけど、まあ、そうすね、してますね、当然。申し訳ないけど
愚問でございます。こんな仕事して、バンドやったことありませんとか、演奏は
出来ないんですよ~って言う人の方が希少だよね、多分だけど。
以前、あまり楽器演奏はしないリペアの方がいたんだけど、腕前は良かったけど、
どこか今ひとつ、話がかみ合わないんだな。例えばバンドの中に入ると楽器の
音は色々マスキングされて聞こえ方が変わってくる・・・などがあまり実感できて
いなかったり・・・。その楽器だけのときに「ほら、いい音でしょ?」ってなっても
バンドの中に入ると果たしてどうかな?って部分まで想像できない場合も
あったりしてね。そういう部分は自分も演奏する人の方がやはり伝わりやすいよね。
PA屋さんもそう。やっぱり出来ればバンド経験があって、ステージ経験も
豊富なほうがバンドマンの気持ちもわかりやすいだろうなとは思う。
ま、気持ちがわかりやすいからって、腕がいいとは限らないけどさ(笑)。
あと、演奏に関しては、なるべく色んな人とやるのもためになるよね。
一番わかるのはもちろん腕前なんだけど、それ以外にもやっぱり性格的な
ところで、「この人は人の演奏聞いてねえな」とか「この人は周りの音をよく
聞いて演奏しているな」とか、実に様々な人がいて、やっぱりやりやすい人とか
合わせづらいなと感じる人とか色々あっていい経験になるよね。
誰か一人が走っちゃっても気づかない人もいれば、必死にリズムキープしようと
する人もいる。そういうのは演奏中に何も言わなくても通じるものなんだよね。
リズム以外にも、押し引きみたいな感じで、自分が引っ込むべきところ、自分が
積極的に演奏に出るべきところなどがあるし、演奏とは時間の経過とともに
臨機応変に変えていくのがベターだからね。
最初は様子見で、2番以降は「あそこはシンコペしたな」とか「あそこはVoの音と
かぶるから3度の音は入れないほうがいいな」とか「ブレイクの場所は・・・」とか
確認して演奏をすり合わせていく。こう言うのもセッションとか人と合わせるときの
醍醐味と言うか、とても勉強になる。
ジャンルも色々経験するといいね。ハードなロックも気持ちいいだろうけど、歌物も
やってみるとこれまた勉強になる。なんたってVoを目いっぱい立てなきゃいけない
んだから(笑)。声量があるとは限らないし。歌いづらいって言われないように
演奏しないとね。