教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

T☆ROCKS:TOSHI

小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

モニター考察

2015-06-17 | 音楽的アドバイス

前回、ライブ録音について書いた。

今回は(何回か書いている気もするけど)、モニターってものについて

少し詳しく書いてみよう。

 

ステージモニター、別名コロガシ。

 

ステージ上で、自分の声や楽器の音、遠くにいるメンバーのアンプの音などを

モニタースピーカーから返してもらって、演奏しやすくする目的で使う。

Voが足をかけてかっこつけて歌うときに使う。

特にビジュアル系バンドはこれがないと歌えない。(ウソです、ごめんなさい!)

 

T☆ROCKSくらいのライブハウスだと、楽器の音はあまりモニターに頼らないほうが

いいかも知れない。ドラムは生音で聞こえるので、それを基準に各楽器の音の

アンプ音量を揃える。出来ればここで、モニターから楽器の音を返さなくても、

いい具合に聞こえるようにステージ内で調整すると、モニターからは声を

優先に返せるので、歌いやすく、楽器の音もバランスよく聞こえて演奏しやすい

環境になるはず。

 

まあ、それでもやはり、例えばベースやドラムの人がギターの音をもう少し

大きく聞きたい、と思うこともあると思う。

で、アンプの音量が小さすぎる場合は、単純にボリュームを上げた方がいいかも

知れないけど、これ以上大きくするとセンターボーカルが歌いづらい・・・となる

可能性がある場合はモニターに頼ることになる。

で、それは簡単なんだけど、意外と盲点が、ギターが”エフェクトを踏むたびに音量が

変わる”場合は音量の小さいときに判断して「ギターを上げて」って頼むと、サビとか

音量がアップした際に”うるさいっ”てなる可能性があるってこと。

またクリーントーンなんかも結構音が抜けてくるので、急に大きくなったように聞こえる

かもしれない。

それと、当然のことながら、リハでモニターの音量を(例えば)レベル7に卓で設定したと

して、本番も同じモニター音量で返して、アンプからの音量も同じなら、もちろん

問題はないけど、本番は気合が入ってしまって、ついアンプの音量を上げてしまった場合、

他のモニターに返っているギターの音も当然大きくなる。

卓ではリハの再現をなるべくしたいため、あまり積極的にリハと違うモニターレベル

にはしたくないと言うのが本音だ。万が一変な事をして、”演奏しづらかった”と

なったら一大事だからね。

 

このようなことから、(大きなステージでない限り)楽器の音をモニターから

返すのは極力避けて、アンプからの出音で演奏した方が安全かなと思う。

アンプの音が大きくなればそれはそれでもちろん、うるさくなるわけだけど、

自分に近い位置にあるモニターからの音量がアップするより、遠くにある

他のメンバーのアンプの音が大きくなるほうが被害が少ないんじゃないかと

思う。

 

もちろんリハで完全にモニター環境を作って、本番もまったく同じように再現

できればそれで構わない。そういうバンドさんもいる。

 

結局、モニターと言うものは、このように”他人の手にゆだねられているアンプ”と

言う認識で捉えないと、なかなか難しく、自分ではコントロール出来ないもの、と

思っておいたほうがいい。

他のメンバーの楽器の音を”返してくれ”と頼むなら、”本番で音量はいじらない”

と言う信頼があるメンバーの場合に限るね(笑)。

 

また、弦楽器隊が”自分の音を返してくれ”と言う場合もたまにある。

アンプの音をそれほど上げたくない場合か、それと、自分の後ろのアンプからと、

前方にあるモニターの両方から音を聞きたい場合などのケースだと思う。

これもなかなか有効かもしれない。アンプから遠ざかっても聞こえやすいかもね。

人によっては、音質が変わるからイヤだと言う人もいるけど、まあ、スピーカーが

変われば当然変わるよね。

 

ちょっとどうかな?と思うのは、ドラマーが自分の音を返してくれと言うケース。

”バスドラ返してくれ”とか。スタジオでもそうしてるのかなあ?練習スタジオで

ドラムのところにモニターがあるのは稀なんじゃないかな。

第一、自分の横から自分のキックの音が聞こえてくるのは不自然なんじゃないのかね。

まあ、ライブでお客さんが聴いているような環境でやりたいのかどうかわからないけど、

足元で鳴っているバスドラの音をモニターから返すのはいいけど、その他の音が

聞こえづらくなる可能性が高いと思うけどな。

 

あとさ、T☆ROCKSクラスのステージ広さで、当然のように「ドラム三点を返して

ください」って言う、フロントメンバーいるでしょ?あれ、よく考えると「ドラマーが

貧弱なんで補強してください」って言ってるみたいで、ドラマーはあまりいい気が

してないんじゃないかなって思うよ。気にしてないか(笑)。

まあ、確かに少しアタックが弱いとか音が小さいドラマーってのもいるけどね。

それでもドラムまで2メートルも離れてないでしょ。

もちろん、要望通りのモニター環境にすることはやぶさかではないので、

言われたとおりにするけど、やっぱり懸念は、”楽器類をモニターから大きく

返しすぎると、声が聞こえづらくなる”ってことだよね。

ベーシストが”ドラム三点、ギター”を返してくれって頼んだ後は必ず、

”ボーカル、自分の声”をもっと大きく返してくれって言うね(笑)。

うん、知ってる。そうだと思うわ。

返したいんだけど、ハウリングが・・・。

PAスピーカーみたいに前に音を拾う装置がない場合は、いくら音量を

上げてもハウリングはしないけど、ステージ内は音を拾う”マイク”が

あるんだぞ(苦笑

 

爆音でやりたいからモニターを利用する、のと、演奏しやすくするために、

最低限モニターを利用するのと、どちらがいい、悪いではないだろうけど、

出来れば、”大きく調整したモニター環境がないと演奏できない”、よりは、

”最低限のモニター環境とバンド内だけでしっかり演奏出来る”ように

普段からおのおのの音量や音質、歌い方、コーラス、なども考えて練習

した方がいいと思う。

それができれば、どんな劣悪な環境(?)でもそれほど困らず、演奏出来ると

思うな。

 

次回は「アンプの音量について」の予定。

予定は未定。