難しい曲がいいことなのか・・・。
よく演奏する際に初心者向けの曲とか、上級者向けとか、様々な基準があるでしょ。
もちろん「演奏するにあたって」ってことで、「良い曲」か「そうでもない曲」かは、
演奏の難しさに比例するとは限らない。
ま、そりゃ、3つのコードで曲を作るより、もうちょいコードは多く、転調もしていいよ
って方が多分、いい曲はつくりやすいことも確か。
昔、ある日本のメタルバンドが、「一見すると簡単な曲に聞こえるけど、いざ弾いて見ると
難しい曲、それが俺たちの曲だと思っています」ってインタビューで言っていた某バンドが
いたんだけど、個人的には「う~ん・・・逆じゃないかなあ・・・」って思ったね。
シンプルだけど、耳に残る気の利いたフレーズを作るって方がよほど難しいと思うけどね。
よくギター一本で弾いても良い曲に聞こえる曲は、名曲だって言うけどホントそうだよね。
ビートルズが好きなんだけど、「一番好きな曲は?」と聞かれると、本当は一曲に選べないけど、
一応、「ハローグッバイ」って答えるようにしてる。個人的に凄くポップでワクワクするような、
一部の隙も無駄もない、完璧な曲・・・に聞こえた。初めて聴いたとき。
でもあれってとても簡単なコード進行だし、同じことを繰り返しているだけだし、歌詞も簡単
だし(笑)、ほとんどドレミファソラシドなんだけど・・・。凄くイカした曲!
「ペニー・レイン」なんかは非常によく練られたコードや転調などが利いている曲だと思うんだけど、
「ハローグッバイ」とか「アイ・ウィル」とか、シンプルでそれほどひねったコード進行でもないのに、
こんなミラクルのようなメロディが紡ぎだされる・・・ってのが、凄いと思うんだ。
ヴァン・ヘイレンの「ユー・リアリー・ガット・ミー」。キンクスの曲なんだけど、高校生の頃、
ヴァン・ヘイレンバージョンで聞いたんだけど、凄くかっこいいと思ったね。でもコードは
たった3つ。ほぼ同じギターリフをポジション変えてコードチェンジしてるだけ。
タネを明かせばこんな簡単なことしかやってないのに、凄くかっこいい。
だから、コロコロよく転調したり、色んなセクションがどんどん出てくるとか、一番と二番で同じ箇所で
微妙に違うアクセントを入れてみたり、とか、もちろんそういったものが必要で入れている場合は
いいんだけど、どうも苦し紛れに入れてるんじゃ・・・?なんて思われるような曲はちょっとどうかと
思うよね。ま、そうは言っても全部感性の問題で、聞いている人により千差万別なので、一概に
言えないんだけどもさ。少しでも作曲したことがある人なら、なんとなくわかるんだよ「あ、ここは
苦し紛れにこのコードを一発ぶち込んで、無理やり元のキーに戻したな・・・」とか、「同じメロディ
だけど、コード変えて変化をつけてきたな」とか、なんとなくわかる。
で、それが「ああ、さすがだな」って思う場合と「ダサくね?」って思っちゃうときもあったりして(苦笑
ちょっと話はそれるけど、ビージーズのさ、有名曲で「愛はきらめきの中に」って曲があるんだけど、
それが大好きでね。当時レコードを買ったんだけど、これって一番が終わるまで、繰り返しがない
んだよね。同じメロや同じコード進行が出てこない。ずっと曲が展開し続けていくんだよね。
それでもこの美しく覚えやすい耳に残るメロディ。ま、サビより出だしのメロディが一番好きな所
なんだけどさ。メロディ・フェアやディスコ曲もいいけど、この曲は今で言うところの神曲?(笑)。
まあ、難しい曲(わかりにくい曲?)って言うと、変拍子などのいわゆるプログレッシブロック
ってカテゴリーがあるんだけど、個人的にはそれほどのめり込んでいなくて、上っ面しか
知らないんだけど、あれは何と言うか、雰囲気も大事だからね。クリムゾンとかイエスとか
ラッシュとかELPとかピンクフロイドとか、やはり”難しい(わかりづらい)けど、かっこいい”って
楽曲が多いと思うな。ダサっとは思わないな。
まあ、結局のところ、ダサって感じなければいいんだけどね。
メタルもそうだよね。難しい曲も多い。でも、結局「そのセクションいる?」「この曲にその
フレーズいる?」「その転調、必要?」って聞いている方が思っちゃうとダサってなっちゃう
んだろうなあ。いい曲って、どこも削れなかったりするよね。でもそうでない曲って
「このセクション、削ってもいいんじゃね?」ってなっちゃうよね・・・。