4人編成のごく普通のバンドでリハーサルの際などに、ベーシストがギタリストに
向かって「もうちょいアンプの音を上げてくれ」と言う場合がある。また逆にギタリストが
ベーシストに向かって同じことを言うこともある。
さて、この場合、言うなりに音量を上げていいものかどうか。
リハ開始直後の全員で音量を確認している最中なら大丈夫。
1曲くらい演奏した後、PA側で各音を取ってしまった後だと、一応、PAさんに
「中音(アンプ)を上げていいですか?」と聞いた方がベターだね。
100人規模くらいのライブハウスなら、中音も十分外音に影響が出るからね。
それ以外にもう一つ、問題がある。
おわかりだろうか?
♪な~んでか?なんでかフラメンコ~・・・・
・・・すいません。
それはね、ボーカリストのことを忘れてはいませんか?ってこと。
大概ボーカルはセンターにいる。ギターとベースに挟まれている。
ギターアンプとベースアンプの音量を上げてしまうと、位置や向きによっては
ボーカル直撃で、ボーカリストが歌いにくい環境になる可能性がある。
そこで、ボーカルは言う。「自分の声をもっと上げてくれ」と。
そうするといつもよりドラムが気持ち小さい気がして「ドラムも上げてくれ」と言う。
自分の声が聞こえづらくなり、もっとあげてくれと言う・・・。
まあ、こうなる前に、楽器陣はボーカルのことを考えて、アンプのボリュームを
変更するクセをつけた方がいいね。
「自分がもっとベースの音を聞きたい」の後に「果たしてボーカリストに迷惑にならない
だろうか?」ってね。
ボーカルもボーカルで、「自分の声を上げてくれ」の前に「何が大きすぎて自分の声が
聞こえづらいのか」を考えて、引き算を出来るようにもした方がいい。
プラスももちろんあるけど、マイナス(引き算)も考えられると、バンド内での演奏、
歌、コーラスなどによい結果を生むと思う。
「ギターがでかすぎるから歌いづらいんだ」と言うことを把握出来たら、それを言った
方がいい。リッチー・ブラックモア以外なら下げてくれるだろう(笑)。
そしてもう一つ、そもそもなぜライブハウスのリハでそのようなことが起こりやすいのか?
「スタジオ練習でその配置で練習していないから」。
スタジオでは大概お互いに向き合って練習していることが多いので、アンプの向きも
全員が前を向いているような環境は少ないと思うんだよね。
これだと、お互いよく見えるし、音も良く聞こえる。その環境で慣れちゃうと、ステージの
ようにアンプがお客さんの方を向いている場合に、自分の音は良く聞こえるけど、どうも
いつもの音の壁みたいなものがないと調子が狂っちゃうって楽器陣も多いんだよね。
自分の音が聞こえすぎて怖いと言うか。
でも、いざステージをやる場合はみんなで輪になって演奏するわけにはいかないから、
ライブが近づいて来たら、スタジオでも出来るだけ、ステージに近い配置で練習もすると
感覚がつかみやすくていいかも知れないよ。
前を向いていると、ドラムはほぼ見えない。いろんな”決め”をドラムを見て合わせる
クセがつくと、ステージだとやりづらいかも知れないので、これも慣れておいた方がいい。