全政党の 精神障害者に関する公約を、調べてきました。
このページでは、日本共産党公約を調べまとめてみました。
2022年 参議院議員選挙公約には、障害者に対する直接の言及はありませんでしたが、医療福祉職員に対するケアに、多くの紙面が割かれていました。
そこで、非常に長大な文章である「日本共産党の政策〈2021〉22、障害者・障害児」
を読んでみました。
その中でも、精神発達障害者に直接かかわることを、抜粋引用します。
〈長大なので、最初に感想〉
日本共産党職員の「障害者雇用率」を、聞いてみたいと思う。
雇用率を達成しているのであれば、立派な公約も多少は現実味を持つと思う。自分の組織、共産党支配下にある法人でしっかり障害者雇用を果たし、そのデータを根拠に政策提言されれば説得力あると思うが、日本共産党のいう現場の声は「職員の声」であるように、私には感じられてならない。
医療福祉職員目線が目立つ。
社会福祉学の理念を汲む主張と、福祉史の流れからの反動である旧制度への回帰を主張する文章が同居している。当事者目線というよりも「都合のいい」支援者目線。と私は感じる。
他の政策にも徹底して共通する、「徹底した性善説」に基づいているかの如き文章と感じた。
人間がこんなに清い存在であれば、おそらくベルリンの壁もソ連邦は崩壊していないと思う。「ホロムドール」「大テロル」「大躍進」「文化大革命」とか、チベットとか東トルクメニスタンとか、元ソ連邦構成国のバルト三国などの人たちがなぜに強烈な反共反ロシアなのは何なのだろうかと、自然に思う。
私は反共主義ではないが、共産党には疑問を持つ。
ただし末端の党員たちはキリスト教会の人たちのように表面上まじめな人たちであるとも理解している。
教会と共通していると感じるのは、表裏があるということ。表裏があるのは自民党もどこも同じだが、主張が余りにも清すぎることには、やはり疑問を感じる。
教会との違いは、共産党には秘密結社的な雰囲気を感じること。私は共産党の人たちには「距離を保つて友好的」に接するようにしている。
的を絞った主張をしている公明党とは違い、全方位に強烈な具体的公約を掲げるさまは、書いている本人が実現できるとは初めから思っていないのかな。〈その点は立憲民主党も同じ〉と感じてしまう。
〈以下、日本共産党中央委員会「22 障害者・障害児」より抜粋引用〉
発達障害者の支援
発達障害者支援法や障害者総合支援法にも発達障害が位置づけられていますが、社会的な理解や支援体制の整備はいまだ不十分です。全世代の問題として、生きづらさを抱えた人たちの支援にとりくみます。
――都道府県・指定都市においての発達障害者支援地域協議会に当事者やその家族の参加をすすめます。
――発達障害者支援センターをすべての都道府県に複数配置し、民間団体やハローワークなどと連携して相談・支援体制を拡充します。
――二次障害を予防する医療や、雇用、教育などすべてにわたって支援を拡充します。
――医療・支援機関に足を運べない人に、専門家が自宅を訪問する相談支援活動を広げます。
――発達障害者も障害者手帳を取得しやすいよう制度を改善します。
年金・手当の保障
――障害年金は所得保障という観点から、支給額、認定基準、認定システムを抜本的に見直します。生活できる年金額まで引き上げるとともに、最低保障年金制度をすみやかに実現させて底上げをはかります。
――障害年金センターに一元化された審査によって生じている、「同じ程度の障害でも障害年金が受給できない」「作業所の就労を理由に年金が打ち切られた」などの問題解決にとりくみます。
――無年金障害者への特別障害給付制度について周知徹底を求めます。国は自らの不作為や年金制度の不備を認めて障害基礎年金と同額に引き上げるとともに、国籍要件のために加入できなかった在日外国人など、支給対象をさらに広げます。
――障害のあるひとり親世帯は障害年金と児童扶養手当の加算部分の差額を受給できるようになりましたが、満額を受給できるようにします
労働・雇用の保障
障害者は一般雇用でも福祉的就労でも、低賃金におかれています。障害者で5人以上の民間事業所で働く人の平均賃金は、身体障害者は21万5千円、知的障害者11万7千円、精神障害者12万5千円、発達障害者12万7千円(平成30年5月分・厚労省平成30年度障害者雇用実態調査)となっています。
2018年に発覚した中央・地方省庁の40年にわたる障害者雇用率のごまかしは、障害者・国民への裏切りでした。2020年6月1日時点で国の機関は地方裁判所を除き法定雇用率を達成しましたが、離職者も少なくなく、障害者が定着して働けるための合理的配慮が引き続き必要です。
福祉的就労の賃金・工賃は、就労継続支援A型77,417円、就労継続支援B型12,590円、生活介護4,093円、地域活動支援センター3,849円(21年4月分・きょうされん調査)です。コロナが始まっていない19年4月と、今年4月を比較すると、5割をこえる事業所で減額になっており、コロナで大きな打撃を受けています。
今年度実施の就労支援事業の報酬改定では、「平均工賃月額にもとづく報酬基準(工賃が高ければ報酬も高くなる)」が継続されています。生産活動の経営努力や工夫は当然必要ですが、多くの事業所では障害者の働きがいと労働を通した社会参加を支援しており、それにふさわしい体系とすべきです。また、一般就労移行率を重視した報酬体系は「成果主義」であり、やめるべきです。
一般雇用
――国や自治体、民間企業の法定雇用率の厳守を徹底し、さらに法定雇用率を引き上げます。
――最低賃金法第七条『最低賃金の減額の特例』(障害者除外規定)を廃止します。
――障害者雇用促進法における差別禁止と合理的配慮は法定義務です。事業者は障害者のはたらく権利を保障し、障害の特性に配慮した職場環境の改善をすすめます。
――障害者手帳のない難病・慢性疾患患者も法定雇用率や雇用の義務化の対象にします。
――障害者が職場に定着できるように、企業に対して障害特性に関する知識や支援方法等が相談できる機関を設置します。定着支援を適切におこなうためにジョブコーチ(職場適応援助者)の増員を行います。
――病状や障害が進行しても働き続けられるよう、有給での通院や病気休暇を保障します。
――障害者、難病患者等の移動支援において、通勤のためのヘルパー利用を認め、読み書きをサポートする職場介助者などを配置します。
――重度障害者の通勤・職場支援が始まりましたが、実施自治体は少数にとどまっています。国の制度として拡充できるように、抜本的に報酬を引き上げて担い手を育成します。
――視覚障害者のあんま・はり・灸のはたらく場を確保します。
――官公庁の採用試験に点字・大活字・パソコン受験を位置づけます。知的障害者への採用試験における合理的配慮を実施します。
福祉的就労
――ILO条約や障害者権利条約にもとづき、総合支援法にもとづく就労支援の事業所で働く障害者にも最低賃金を保障できるよう、補てんのしくみを導入します。
――就労支援の事業所・作業所での利用料負担は廃止します。重度の人や利用日数の少ない人の就労をまもります。
――低水準にある小規模作業所と地域活動支援センターに対する補助金を、当面就労継続支援事業の水準に引き上げます。
――コロナ禍で減収した利用者の工賃の個別補償制度を国としておこないます。
――自治体から福祉現場へ仕事の紹介、斡旋などを支援します。
精神障害者の医療・福祉の拡充
精神科病院の入院医療の監視強化や身体拘束・隔離の人権を損なう行為に歯止めをかけ、医療体制を手厚くするとともに、国際的な規範に即して精神障害者の地域のくらしを支えます。
――精神科病院での身体拘束や、強制医療を解消します。
――他の診療科に比べ医師や看護師の配置が少なくてよいとしている「精神科特例」を見直し、診療報酬を引き上げて医療体制を厚くします。
――措置入院した患者の退院後の支援を話し合う「精神障害者支援地域協議会」への警察官の参加を中止します。個別ケース検討会議への本人や家族の参加を「必要に応じて」から、積極的な推進に転換します。
――社会的入院を解消します。精神科病棟の居住系施設への転換はやめて、地域にグループホームなど住まいの場を増設し、在宅での訪問支援を拡充します。相談支援を拡充し、就労支援をはじめとした所得保障などをすすめます。
――自立支援医療(通院公費)の低所得世帯のすみやかな無料を実施し、低所得世帯以外についても無料にします。
司法権の保障を
――障害者が裁判を傍聴する場合や、原告・被告として裁判の当事者となる場合に不利益を生じることがないよう、意思疎通への配慮、障害者をまじえた職員研修など、司法当局が手立てをとります。
――裁判での点字文書の拡充や手話通訳費を公的に負担します。
――損害賠償額の中の柱の1つである「逸失利益」において、障害者差別の解消を求めます。