能登地震への対応を見ていると、
人々は左右思想信条にかかわらず、
自分にとって耳障りな情報は脳にとどまらず、
認知されていない様が、よく見られる。
例えば、政府は震災10分後から対策本部を立ち上げ、対応を続けている。
自衛隊は直ちに現地偵察のために偵察機などを飛ばし、
翌日には一万人規模の統合作戦部隊を編成している。
もっとも被災地は山だらけの半島地域であり、
駐屯地からも離れ、
陸は主要道路が寸断されていた。
海は冬の日本海で、かつ津波の荒れ狂う中、
人員や物資の投入ががままならなかった。
政府は地元自治体や国土交通省、自衛隊などからもたらされる情報から、適切な判断をしているように、私には思えてならない。
素早さがないと感じられるかもしれないが、
今回揺れを感じていない東日本地域の人たちなど、万人が納得する対応を見極めるには、それなりの時間がかかるし、
組織的対応には万全の準備段取りが必要だ。
世の中の動きを見ると、
政府が本当に何もやっていないと、
ヘリの一機さえ飛ばしていないと、
知識人の中でさえ本気で思っていて、
強く批判し政権を倒せと叫んでいる人たちがいるのだ。
彼らには政府発信を「知覚」(視覚や聴覚で刺激を取り入れる〉ことはできも、
知覚された情報を「認知」ないしは「認識」できていないのだ。
そしてその、「政府は何もしないから自分たちでやるしかない」
とか、「こんな政府では殺されるから、政権交代しかない」
などあおり、偏った認知で被災地をかき乱す行動に出たりしているのだ。
私たちは、ポストトゥルースの時代に入って久しい。
自分にとって都合のいい「事実」しか「認識」できない。という時代だ。
現実は、必ずしも自分にとって都合よく動いてくれるわけではない。
メタ認知する力が大事なのだ。
そして扇動する人間の声ではなく、事実関係の確認が必要だ。