就労移行の日常を観察する
今、私は、就労移行支援事業所を利用している。
別に引きこもってしまい毎日外に出られなかったからではない。主治医から障害者雇用での就職を強く住められて現状から納得。ひとり+ナカポツ〈障害者就業・生活支援センター〉間接支援による障害者雇用活動がうまくいかなかった過去を踏まえたものだ。
利用してみると、利用者は、コロナ禍があるからか、登録者の半分程度は欠席している。
利用者は皆、社会人経験があるようだ。教育レベルは高卒が偶然多いが、元管理職とか、福祉施設の元役職者とか、そういう人たちもいる。
私のいるところは多機能型なので時々B型の仕事を手伝いに行くが、就労移行のメンバーが行くと小一時間で仕事がなくなってしい、B型の人たちは帰宅。就労移行は再び各々の訓練。または帰宅ということになる。それだけB型の利用者と就労移行のそれとの能力に差があるということだ。
就労移行のメンバーは社会人経験があるので、対応もしっかりしている。社会のルールもわきまえていることが多い。
ただ、訳ありの人たちの集まりであるからは、人同士の距離感に不具合が生じケンカになり、あるいは居づらくなり、出てこられなくなる人がいる。
また、職員に過度な期待をし、職員がそのように動けないことに不満を持ち、引きこもってしまう人もいる。そういう人たちは心理職のいる就労移行に行けばいいかもな。と個人的には思ったりするが、確実ではないし私は彼らの支援者ではないので黙っている。そもそも出てこなければしゃべるチャンスもないしとりわけナイーブな人たちだから、かける言葉は極めて慎重でなければならないと思っている。私は利用者。適度にうんうんと頷きながら観察するだけでいい。
利用しているところの場合、パート職員の時給は最低賃金に近い。職員の7~8割はパート〈常勤的非常勤を含む〉だ。安月給か主婦の小遣い稼ぎである非常勤職員に何を期待するのだろうか。幹部候補でも初任給は給料25万にとどかないようだ。残業手当のつかない管理監督者職員でも年俸400万に達していない人もいるだろう。おそらくボーナスはないに等しいのかもしれない。構造的に安い給料しか払えないから、いい人材は福祉にはいないことが多い。いい支援があれば、それはラッキー。と私は思っている。
利用している会社はしつけがしっかりしているからか、従業員からとりわけ横柄な対応をされたことはない。もちろん苦手な人もいるし、元福祉職としては「もっとがんばれよ」と思う職員もいる。でもそれは言わない。私はただの利用者。就職のために利用しているにすぎない。そこで仕事をしているわけではない。彼らの指導は会社の幹部がやることだ。私のビジネスではない。
就労移行は居場所であればいい。就職活動を進めるから手を貸してくれれば満足。仕事ができるという証拠作りを手伝ってくれればいい。それだけだ。
いまのところ良好に利用できているのかもしれない。コロナ禍なので、なかなか求人は少なく、消える求人にも出会う。安易にブラック企業に引っかかるわけにはいかない。腰を据えて取り組むしかない。