7月9日の朝日新聞、読書欄に売れている本「ブラタモリ」①~⑧
NHK「ブラタモリ」制作班≪監修≫が出ていました。
KADOKAWA 昨年7月に①②が刊行され、現在は⑧まで出ています。
各1512円 シリーズ累計71万部。

いつも同じ、ブレないのだ
キーワードは高齢社会と健康寿命の二つか。JR東日本(のCM)の吉永小百合が旅する
おば(あ)さんの理想像なら、NHKブラタモリのタモリはなんだろう。こちらは、好奇心と
健脚のおもむくまま、かたときもじっとしていることのない、昨今の多動型おじ(い)さんの
本家・家元・名人なのである。
吉永の旅には基本、連れ合いの影がないが、これはタモリも同様。かわりにいつも横にいる
のが若い娘で、しかもこれが(うちの老妻と違って)目を輝かせてこちらの話を聞いてくれる。
男の生の最後に一つ残った「教えがたり」欲求に身を灼(や)く同世代には、見果てぬ夢だろう。
・・・
エッセイスト 山口文憲 が綴る。
管理人の好きな番組で毎回欠かさず見ている。最初の頃は録画していたが、DVDに焼いても
見ることはないだろうと思い、消去した。
本も書店で見てパラパラとめくったが購入はしなかった。
6月16日、「ブラタモリ」は日本地質学会から表彰されています。
受賞者:「ブラタモリ」制作チーム(日本放送協会)
表彰業績:地質学の社会への普及
「ブラタモリ」は2009年10月からシリーズ化され放送を開始したNHKの番組である。
毎回タモリ氏(森田一義氏)と女性アナウンサーがある地域を訪問し、地域の自然と人間や産業との
関わりについてその地域の専門家の解説を交えて紹介する。この番組の特徴は、地質や地理に関する
専門的な内容を扱い、その科学的意義に加え社会や産業との関わりを明らかにする構成になっている
点である。視聴率が10%以上をマークする人気番組で地質の用語や考え方、その様々な意義がほぼ
毎回語られる。
地学教育と普及の現状を見ると、小学校、中学校の理科教育における地学分野の比重は決して低く
ないが、高校理科において地学を履修している生徒の割合は依然として高いとは言えない。
したがって、自ら学ぶ意欲のある人を除き、大多数の国民は地学を小・中学校で学んだ後、地学を
ほとんど意識することなく日々の生活を営んでいると考えられる。このような状況の中で、地学の
教育と普及に携わる教育者や学芸員、研究者等は私たちの生活基盤である地球を扱う学問である
地質学の普及に日々腐心している。 現在、土曜日の夜という多くの人が聴取可能な時間帯にNHKで
放送されている「ブラタモリ」ではゲストとして地学の普及に関わる学芸員・研究者などが出演して、
地学的な概念や地形・地質発達過程をイラストやアニメーションを効果的に用いて説明し、視聴者の
理解を助けている。タモリ氏の地理・地質好きというキャラクターに負う面も大きいが、それ以上に、
訪問地や番組構成、解説する専門家などを決定する番組スタッフの地理・地質の重要性の理解がこの
番組を成功に導いていると考えられる。そしてこの番組が地質学の普及に貢献しているのは明らかである。
この番組が今後も長く続くことへの期待も込めて、NHK「ブラタモリ」制作チームを学会表彰に推薦する。