(2018年1月2日投稿)
2018年、新年明けましておめでとうございます。
昨年はレヴィストロース著作の解説を中心に投稿しました。4月5日の「猿でも分かる構造主義」を皮切りに構造神話学「生と調理」に取り組むまでに至りました。本年も構造主義、レヴィストロースを継続します。
さて前回(12月28日)の続き
2DKパラダイムとは俸給生活者とその家族の団地2DKの生活を振りだしとして、郊外芝生一戸建ての揚がり至るまでの苦労、団地妻のエピソードもとり込んだ夢物語でした。連続(発展)をスキームとして介入(停滞)をアンチテーゼに据えていた。スキームの連続と同方向を示す「思想」をサンタグム(同列)に並べ、それらは移動、電化、余暇などです(2017年12月28日投稿を参照)。一方、揚がりの様には憬れを抱くも40年、見晴るかす遙かな先の「連続」を尽きぬ苦労と置き換えて、嫌気諦めで放り出し、庭は芝生なる目標には至らなかった無念の人も多いかと推察する。
それ以上にリストラで職場を追われ、賽の振り休みコマ戻し、はたまた振りだしの2DKに逆さ落ちなど、このパラダイムには重篤な破綻が生じた。その頃か、確かに出自は2DKながら、上昇志向を具現せんとする過激な分派が認められた。時期はバブルの余波まだ治まらない1990年代初頭と投稿子は記憶する。
この分派活動を、遙か遠くのブラジル・マトグロッソで、ジェ語族の出ながらジェ文化の安定性を否定して近親姦に殺人、閉じ込めての集団殺害など血なまぐさい挿話の神話体系を編みだした、ボロロ族の独立不遜、独自性と重ねてしまう。20世紀末の東京に咲いたあだ花を投稿子は、血まみれボロロの二重写しに見てしまうのだ。そしてやはり、このパラダイム破綻のきっかけは殺人だった。
2DKパラダイム「連続」のかったるさから決別して、若者はパラダイムを「能力、上昇」に置き換えた。能力さえあれば高級な仕事がこなせる。何も知らないくせに威張り散らす管理職を放り出して、年功序列のクビキから離れて、実力重視の職場と仕事振りに見合う待遇を求めた。彼らの不満を受け入れる仕事場が、この時期に形成され始めたとは事実であろう。
たとえばIT技術者、デイトレーダー、ファンドマネージャー、合併ヂューデリジェンス管理、クリエーター、モデルなどである。彼らにとして「能力」のアンチテーゼに「妥協」を貫く。妥協したらそれでお仕舞い、自己能力を信じ貫き通す、ボロロ族にも劣らない過激集団である。
この分派をセレブパラダイムとしたい。しかしセレブとは既に著名、高度な専門性を持つ一群であるし、彼らはそこまでには至ってない。そこでセレブっぽい人、セレブを目指す人の集団として彼らを「セレビィ」、ゆえに「セレビィパラダイム」と名付ける。
そのスキーム「能力・上昇」の同列思想に職域、居住、移動、服装を上げる。すると;
職域は前述したとおりで若者ながら高給取り、華やかな職場。
居住のパラダイムではまず地域が指定される。なんとしても東京に限られる。名古屋大阪、まして仙台山形にセレビィは住まない。彼らの神話的な確信を述べているので、投稿子が上記の都市を地方と蔑む心など持ちません。
その東京にしても限られる。日野八王子など多摩地区の田舎性は受け入れがたいほどだから、セレブは嫌う。やはり23区内、しかし葛飾足立では語呂が悪いし自己紹介での聞き覚えがよくない。山手線内、それも真ん中通る中央線の南に限られる。銀座か麻布、白金はては代官山ならグー。そこいらの手頃なマンション住まいから始まるが、ファンドの上がりで大儲けしてタワーマンション億ションの一括払いで移り住むなどが賽の目の揚がり。
移動はVWから始めるけれど、トヨタヴィッツは登場しない、最終目標はジェットセット、仕事柄国際線を多用するがエコノミーは決して使わず、最低がビジネス、飛行場に降り立てば迎えのリムジンが待ち、会議が待ち受けるとホテルリッツに送り込んでくれる。これが旅客席のみならず送り迎えとホテルと会議の組み合わせ、これがセットなる意味合い。
図:セレビィパラダイムを一覧にした、手書き読みにくさには容赦
神話3「グラフィックデザイナーの竹井コータローの嫁は衣装クリエーター山野わらび。結婚式は代官山でも名の知れたパッションを借り切って、鴨のコンフィに赤のカオールを振る舞った。しかし半年で離婚した。嫁の稼ぎが亭主のそれを上回って以来、会話がぎくしゃくし始めた」
コータローは己の頸の裏を撫でながら運が良かったと喜んだ。友人M氏はいざこざの果て富裕な妻に殺害された。これが俗に「セレブバラバラ事件」と伝わる外資ファンドマネージャー殺人(2006年)。2008年にはIT技術者がマンション隣人(23歳女性)を殺している。上昇志向の裏に潜む失敗の陥穽、セレビィが信じていたパラダイムは成就の前に破綻したのである。
農協パラダイムの終焉4の了
(2018年1月2日投稿)
2018年、新年明けましておめでとうございます。
昨年はレヴィストロース著作の解説を中心に投稿しました。4月5日の「猿でも分かる構造主義」を皮切りに構造神話学「生と調理」に取り組むまでに至りました。本年も構造主義、レヴィストロースを継続します。
さて前回(12月28日)の続き
2DKパラダイムとは俸給生活者とその家族の団地2DKの生活を振りだしとして、郊外芝生一戸建ての揚がり至るまでの苦労、団地妻のエピソードもとり込んだ夢物語でした。連続(発展)をスキームとして介入(停滞)をアンチテーゼに据えていた。スキームの連続と同方向を示す「思想」をサンタグム(同列)に並べ、それらは移動、電化、余暇などです(2017年12月28日投稿を参照)。一方、揚がりの様には憬れを抱くも40年、見晴るかす遙かな先の「連続」を尽きぬ苦労と置き換えて、嫌気諦めで放り出し、庭は芝生なる目標には至らなかった無念の人も多いかと推察する。
それ以上にリストラで職場を追われ、賽の振り休みコマ戻し、はたまた振りだしの2DKに逆さ落ちなど、このパラダイムには重篤な破綻が生じた。その頃か、確かに出自は2DKながら、上昇志向を具現せんとする過激な分派が認められた。時期はバブルの余波まだ治まらない1990年代初頭と投稿子は記憶する。
この分派活動を、遙か遠くのブラジル・マトグロッソで、ジェ語族の出ながらジェ文化の安定性を否定して近親姦に殺人、閉じ込めての集団殺害など血なまぐさい挿話の神話体系を編みだした、ボロロ族の独立不遜、独自性と重ねてしまう。20世紀末の東京に咲いたあだ花を投稿子は、血まみれボロロの二重写しに見てしまうのだ。そしてやはり、このパラダイム破綻のきっかけは殺人だった。
2DKパラダイム「連続」のかったるさから決別して、若者はパラダイムを「能力、上昇」に置き換えた。能力さえあれば高級な仕事がこなせる。何も知らないくせに威張り散らす管理職を放り出して、年功序列のクビキから離れて、実力重視の職場と仕事振りに見合う待遇を求めた。彼らの不満を受け入れる仕事場が、この時期に形成され始めたとは事実であろう。
たとえばIT技術者、デイトレーダー、ファンドマネージャー、合併ヂューデリジェンス管理、クリエーター、モデルなどである。彼らにとして「能力」のアンチテーゼに「妥協」を貫く。妥協したらそれでお仕舞い、自己能力を信じ貫き通す、ボロロ族にも劣らない過激集団である。
この分派をセレブパラダイムとしたい。しかしセレブとは既に著名、高度な専門性を持つ一群であるし、彼らはそこまでには至ってない。そこでセレブっぽい人、セレブを目指す人の集団として彼らを「セレビィ」、ゆえに「セレビィパラダイム」と名付ける。
そのスキーム「能力・上昇」の同列思想に職域、居住、移動、服装を上げる。すると;
職域は前述したとおりで若者ながら高給取り、華やかな職場。
居住のパラダイムではまず地域が指定される。なんとしても東京に限られる。名古屋大阪、まして仙台山形にセレビィは住まない。彼らの神話的な確信を述べているので、投稿子が上記の都市を地方と蔑む心など持ちません。
その東京にしても限られる。日野八王子など多摩地区の田舎性は受け入れがたいほどだから、セレブは嫌う。やはり23区内、しかし葛飾足立では語呂が悪いし自己紹介での聞き覚えがよくない。山手線内、それも真ん中通る中央線の南に限られる。銀座か麻布、白金はては代官山ならグー。そこいらの手頃なマンション住まいから始まるが、ファンドの上がりで大儲けしてタワーマンション億ションの一括払いで移り住むなどが賽の目の揚がり。
移動はVWから始めるけれど、トヨタヴィッツは登場しない、最終目標はジェットセット、仕事柄国際線を多用するがエコノミーは決して使わず、最低がビジネス、飛行場に降り立てば迎えのリムジンが待ち、会議が待ち受けるとホテルリッツに送り込んでくれる。これが旅客席のみならず送り迎えとホテルと会議の組み合わせ、これがセットなる意味合い。
図:セレビィパラダイムを一覧にした、手書き読みにくさには容赦
神話3「グラフィックデザイナーの竹井コータローの嫁は衣装クリエーター山野わらび。結婚式は代官山でも名の知れたパッションを借り切って、鴨のコンフィに赤のカオールを振る舞った。しかし半年で離婚した。嫁の稼ぎが亭主のそれを上回って以来、会話がぎくしゃくし始めた」
コータローは己の頸の裏を撫でながら運が良かったと喜んだ。友人M氏はいざこざの果て富裕な妻に殺害された。これが俗に「セレブバラバラ事件」と伝わる外資ファンドマネージャー殺人(2006年)。2008年にはIT技術者がマンション隣人(23歳女性)を殺している。上昇志向の裏に潜む失敗の陥穽、セレビィが信じていたパラダイムは成就の前に破綻したのである。
農協パラダイムの終焉4の了
(2018年1月2日投稿)