初めに;昨日(12月30日)でスターリン神話は最終だったが、書き足らないので本日、追加を投稿する。併せてPDFを1頁追加した。ブログには解像度の落ちるデジカメ画像を載せるが、部族民ホームサイトのPDFも更新しているので、そちらも参照してください)
これが昨日投稿したスターリン神格化の図
人の行動と精神作用を縦軸、横軸にとって、囲まれる座標の中に人性を位置づける手法は「悲しき熱帯」で、著者レヴィストロースが展開した南米先住民「信じやすく、悪意ある行動」論(土俗医と薬草採りの段)を発展させたものである。四隅に特異域が設定さていて、例えばサンタクロース信仰者(信じているフリをする者含む)は寛容と信じやすさの特異に位置する。スターリンは毛沢東と並んで「疑い深く悪意ある行動」の特異なので、サンタ…とは対極に位置する(PDFの1頁)。スターリンの神格化とは本来位置(実態)からサンタ…の特異に移し替えて完了した(2頁)。
ここまでをブログ2回投稿(12月28日、30日、神話…でホームページ投稿)説明した。
PDF2頁(花束少女1)は変身の様を図式化している。猜疑心を封じて信じやすい(人民の訴えを聞く)に改め、悪意を寛容(許しのスターリン)に乗り換えた支配者像をねつ造したのである。行動律と精神作用を逆転させた変身は、欺瞞の固まりながらスターリンは神イエスの立ち位置にいるのだから、国家と人民の救世主と僭称できる下地が出来た。
しかるに共産党の政治力学としては、上方のイエスに対する下方、罪深きうごめく大衆を創造する必要がある。そこで新たなねつ造をでっち上げる必要がある。共産革命を妨害する破壊分子、人民の敵とひとからげにされた(共産革命の急進振りを快く思わない)反スターリン勢力である。
その位置関係を表したのは3頁目(花束少女2)である。
下の灰丸は人民の敵の位置、スターリン一人が上の神の特異域に鎮座している。
左下方の特異域に押し込められたのは反革命罪で逮捕された「人民の敵」、粛清された側である。スターリンは己が占める筈の位置に善良な穏健層を押し込めたとも云える。犠牲者は;
1 スターリンに敵対していた政治家。>ソ連共産党は大きな打撃を受け、旧指導層はごく一部を除いて絶滅させられた。特に、地区委員会、州委員会、共和国委員会は、丸ごと消滅した。中略党指導者を目指してスターリンに対抗していた者は全て公開裁判(モスクワ裁判)で嘲笑の対象にされ死刑の宣告を受けた。ジノヴィエフ、カーメネフ、ブハーリン、トムスキー、ルイコフ、ピャタコフ、ラデックは非共産圏のイギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、ポーランド、日本のスパイもしくは反政府主義者、あるいは破壊活動家という理由で、さらし者にされた上で殺された<(Wikipedia)
2 赤軍幹部(トゥハチェフスキー元帥をはじめ)
以上を狭い意味で粛清と言う。しかし弾圧の裾野は広がる。
官僚 知識人、学者、報道などいわゆるオピニオンリーダー。ソルジェニーツインがその一人 富農(クラーク、農業集団化に反対していた層、この徹底弾圧を指示した。900万人が銃殺、シベリア送りにあって殲滅された)
なぜ、弾圧がこれほどまでにも徹底出来たのか。
ソルジェニーツインは「煉獄の中で」にて秘密警察が拘束に来る状景を描写している。深夜、共同階段に聞き慣れない靴音、複数の男と分かる。住民は掛け物で頭を被いベッドに息を潜める。ノックが自分の住まう戸を叩いていないと知り、安心する。そしてその隣人は、なぜか従順に引き立てられる。「もし一人一人が抵抗していたら、これほどまでの犠牲は出なかったのだ。何故それが出来なかったのか」と悔やむ。
人民にはそれが出来なかったのだ。
粛清、弾圧が始まる前に「神と衆生」の神話がねつ造されてしまった。拘束される者は「人民の敵」とレッテルが貼られた。存在するだけで罪なのだ。貶められた者は「何かの間違いだ、秘密警察は何も知らない。堂々と潔白を陳述すれば、スターリンにも届く(取り調べ官が云ってる)筈だから、彼は(聞き分けよく、正義を信じているから)分かってくれる」誤解に取り付かれていたのではないだろうか。ゴルバチョフの祖父はスターリン無謬を取り調べのさなかにも信じていた。
まさに神話の力であう。
神話の構造、神と衆生の立ち位置関係を「絶対」対「罪」にしてしまった。
この神話創造の一つの基準としよう。スターリンと実態の像を分かち合っていた毛沢東神話を次回に(令和2年元旦を予定)分析しよう。了
これが昨日投稿したスターリン神格化の図
人の行動と精神作用を縦軸、横軸にとって、囲まれる座標の中に人性を位置づける手法は「悲しき熱帯」で、著者レヴィストロースが展開した南米先住民「信じやすく、悪意ある行動」論(土俗医と薬草採りの段)を発展させたものである。四隅に特異域が設定さていて、例えばサンタクロース信仰者(信じているフリをする者含む)は寛容と信じやすさの特異に位置する。スターリンは毛沢東と並んで「疑い深く悪意ある行動」の特異なので、サンタ…とは対極に位置する(PDFの1頁)。スターリンの神格化とは本来位置(実態)からサンタ…の特異に移し替えて完了した(2頁)。
ここまでをブログ2回投稿(12月28日、30日、神話…でホームページ投稿)説明した。
PDF2頁(花束少女1)は変身の様を図式化している。猜疑心を封じて信じやすい(人民の訴えを聞く)に改め、悪意を寛容(許しのスターリン)に乗り換えた支配者像をねつ造したのである。行動律と精神作用を逆転させた変身は、欺瞞の固まりながらスターリンは神イエスの立ち位置にいるのだから、国家と人民の救世主と僭称できる下地が出来た。
しかるに共産党の政治力学としては、上方のイエスに対する下方、罪深きうごめく大衆を創造する必要がある。そこで新たなねつ造をでっち上げる必要がある。共産革命を妨害する破壊分子、人民の敵とひとからげにされた(共産革命の急進振りを快く思わない)反スターリン勢力である。
その位置関係を表したのは3頁目(花束少女2)である。
下の灰丸は人民の敵の位置、スターリン一人が上の神の特異域に鎮座している。
左下方の特異域に押し込められたのは反革命罪で逮捕された「人民の敵」、粛清された側である。スターリンは己が占める筈の位置に善良な穏健層を押し込めたとも云える。犠牲者は;
1 スターリンに敵対していた政治家。>ソ連共産党は大きな打撃を受け、旧指導層はごく一部を除いて絶滅させられた。特に、地区委員会、州委員会、共和国委員会は、丸ごと消滅した。中略党指導者を目指してスターリンに対抗していた者は全て公開裁判(モスクワ裁判)で嘲笑の対象にされ死刑の宣告を受けた。ジノヴィエフ、カーメネフ、ブハーリン、トムスキー、ルイコフ、ピャタコフ、ラデックは非共産圏のイギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、ポーランド、日本のスパイもしくは反政府主義者、あるいは破壊活動家という理由で、さらし者にされた上で殺された<(Wikipedia)
2 赤軍幹部(トゥハチェフスキー元帥をはじめ)
以上を狭い意味で粛清と言う。しかし弾圧の裾野は広がる。
官僚 知識人、学者、報道などいわゆるオピニオンリーダー。ソルジェニーツインがその一人 富農(クラーク、農業集団化に反対していた層、この徹底弾圧を指示した。900万人が銃殺、シベリア送りにあって殲滅された)
なぜ、弾圧がこれほどまでにも徹底出来たのか。
ソルジェニーツインは「煉獄の中で」にて秘密警察が拘束に来る状景を描写している。深夜、共同階段に聞き慣れない靴音、複数の男と分かる。住民は掛け物で頭を被いベッドに息を潜める。ノックが自分の住まう戸を叩いていないと知り、安心する。そしてその隣人は、なぜか従順に引き立てられる。「もし一人一人が抵抗していたら、これほどまでの犠牲は出なかったのだ。何故それが出来なかったのか」と悔やむ。
人民にはそれが出来なかったのだ。
粛清、弾圧が始まる前に「神と衆生」の神話がねつ造されてしまった。拘束される者は「人民の敵」とレッテルが貼られた。存在するだけで罪なのだ。貶められた者は「何かの間違いだ、秘密警察は何も知らない。堂々と潔白を陳述すれば、スターリンにも届く(取り調べ官が云ってる)筈だから、彼は(聞き分けよく、正義を信じているから)分かってくれる」誤解に取り付かれていたのではないだろうか。ゴルバチョフの祖父はスターリン無謬を取り調べのさなかにも信じていた。
まさに神話の力であう。
神話の構造、神と衆生の立ち位置関係を「絶対」対「罪」にしてしまった。
この神話創造の一つの基準としよう。スターリンと実態の像を分かち合っていた毛沢東神話を次回に(令和2年元旦を予定)分析しよう。了